破壊強度論

科目基礎情報

学校 佐世保工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 破壊強度論
科目番号 0053 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 複合工学専攻 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 初心者のための疲労設計法(日本材料学会)/自作プリント
担当教員 藤田 明次

到達目標

破損・破壊事故の事例を説明できる。
機械設計上の注意点を説明できる。
疲労強度の概要について説明できる。
欠陥の問題について説明できる。
各種破壊について説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
破損・破壊事故の事例を説明できる。文献などから損傷・破壊事故の事例を調査し,自身がそのトラブルの原因究明者に成り代わって説明ができる。その際,損傷事例の背景にある技術的なメカニズムまで深く追求できる。文献などから損傷・破壊事故の事例を調査し,自身がそのトラブルの原因究明者に成り代わって説明ができる。文献などから損傷・破壊事故の事例を調査し,額面上の説明はできるが,技術的背景を理解していない。
機械設計上の注意点を説明できる。各種機器損傷の原因を理解し,機械設計上のクライテリアを明確に把握して,その損傷の防止方法を明確に説明できる。各種機器損傷の原因を概略理解して,機械設計上の注意点がわかる。各種機器損傷の原因がわからないために,機械設計上の注意点も把握できていない。
疲労強度の概要について説明できる。疲労寿命を評価する上で,疲労き裂進展速度に及ぼす様々な影響を理解し,疲労寿命評価を行うことができる。疲労寿命を評価する上で,疲労き裂進展速度に及ぼす様々な影響を概略理解し,疲労寿命評価について概略行える。疲労寿命を評価する上で,疲労き裂進展速度に及ぼす様々な影響を理解できていないため,疲労寿命評価を行えない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
機械構造物の設計に必要な安全性と信頼性の評価の方法を学習する。特に疲労破壊について学ぶ。

※実務との関係
 この科目は企業でプラントの性能向上のための材料開発・実用化や,経年劣化診断技術,損傷解析などを行ってきた教員が,その経験を活かし,様々な実機構造物の破壊について講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
予備知識:機械材料学,材料力学,弾性力学,固体力学,場の力学,機械設計法,材料力学特論
講義室:専攻科教室またはゼミ室
授業形式:講義,輪講及び演習
注意点:
評価方法:輪講での発表の内容とレポートを50%,定期試験50%で評価し,60点以上を合格とする。
自己学習の指針:各テーマに関して教科書、資料、文献等をよく読んで調べ、発表できるようにまとめることが大事である。これらの自己学習時間は,2時間以上を確保することが望ましい。
学生が用意するもの:講義用ノート,電卓
オフィスアワー:火曜および木曜16:00~17:00

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 応力とひずみの基本的事項 応力とひずみについて説明できる。
2週 破損・破壊事故事例の調査 破壊事例を調査し,発表する。破壊原因を理解し,説明できる。
3週 疲労破壊の事故事例の調査 疲労破壊事故を調査し発表する。疲労解析について説明できる。
4週 疲労強度の基礎 疲労損傷に関する基本的な内容を学習し,S-N曲線が理解できる。
5週 切欠きや円孔の応力集中 応力集中について学習し,疲労における切欠効果等を説明できる。
6週 き裂の応力拡大係数 き裂の取り扱いについて学習し,応力拡大係数の意味が理解できる。
7週 下限界応力拡大係数,破壊靭性値 下限界応力拡大係数,破壊靭性値が理解できる。
8週 疲労に及ぼす欠陥の影響とその評価法 疲労に及ぼす欠陥の影響とその評価法が理解できる。
2ndQ
9週 様々な欠陥の評価 単独欠陥と集合欠陥の取り扱いを理解できる。
10週 疲労き裂進展と疲労寿命推定 疲労き裂進展と疲労寿命推定が理解できる。
11週 低サイクル疲労特性 低サイクル疲労特性の特徴を理解できる。
12週 実働応力下の疲労特性 累積損傷則による評価,疲労限度線での評価が理解できる。
13週 脆性破壊 破壊靭性値と応力拡大係数による脆性破壊評価が理解できる。
14週 応力腐食割れ 応力腐食割れを理解して,説明できる。
15週 破壊強度論 破壊強度論について発表を行い,説明が行える。
16週 前期期末試験

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合50500000100
基礎的能力0000000
専門的能力50500000100
分野横断的能力0000000