有機化学特論

科目基礎情報

学校 佐世保工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 有機化学特論
科目番号 0071 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 複合工学専攻 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 有機化学問題集、川瀬・谷・樋口著、三共出版
担当教員 平山 俊一

到達目標

1.有機化合物に体系的名称を与えることができる。(A3)
2.分子構造論が理解できる。(A3)
3.置換・付加・脱離・転位反応が説明できる。(A3)
4.人名反応について理解し、反応機構が書ける。(A3)
5.合成反応がデザインできる。(A3)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 (到達目標1)複雑な有機化合物について、IUPAC命名法に基づいて命名することができる。主要な有機化合物について、IUPAC命名法に基づいて命名することができる。有機化合物について、IUPAC命名法に基づいて命名することができない。
評価項目2 (到達目標2)軌道概念を理解し、共有結合・混成軌道の形成について説明ができる。共有結合とイオン結合の違い、3種の混成軌道の違いが説明できる。共有結合とイオン結合の違い、3種の混成軌道の違いが説明できない。
評価項目3 (到達目標3、4)様々な人名反応について反応機構を書くことができる。主要な人名反応について反応機構を書くことができる。主要な人名反応について反応機構を書くことができない。
評価項目4 (到達目標5)複雑な有機化合物を合成するための反応をデザインすることができる。簡単な有機化合物を合成するための反応をデザインすることができる。簡単な有機化合物を合成するための反応をデザインすることができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A-3 説明 閉じる
JABEE b 説明 閉じる
JABEE d-2 説明 閉じる
JABEE e 説明 閉じる

教育方法等

概要:
これまでに学習した「有機化学」を体系的に学び直し、分子構造論の基礎を学習する。
授業の進め方・方法:
予備知識:本科での有機化学・理論有機化学。基本的な有機反応とその機構が理解できていること。
講義室:物質工学科棟ゼミ室
授業形式:講義、演習
学生が用意するもの:
注意点:
評価方法:試験(中間、定期)により評価し、60点以上を合格とする。
自己学習の指針:予習では本科で使用した教科書も合わせて読み、問題を予め解いておくこと。復習では講義中に 扱えなかった演習問題を解き、理解すること。本科で使用した教科書も合わせて復習し、十分な自主学習を行うこと。なお講義時間の2倍以上の自己学習時間を確保すること(課題、試験のための学習時間を含む)。
オフィスアワー:水曜日 16:00~17:00 金曜日 16:00~17:00
※到達目標の( )内の記号はJABEE学習・教育到達目標

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 化学結合、オクテット則と形式電荷および共鳴構造、原子軌道、分子軌道、混成軌道 イオン結合・共有結合、σ結合・π結合、混成軌道について説明できる。
2週 構造式と化学式:表記法、化合物命名法および官能基、イオン結合性と共有結合性、分極と極性に基づく現象 有機化合物が命名できる。
3週 異性体、沸点と融点、結合解離エネルギーと反応性、反応速度 分子構造の違いから物性の違いが説明できる。
4週 化学平衡、酸と塩基、共役現象およびその性質、さまざまな相互作用に基づく現象 酸・塩基の定義(ブレンステッド・ローリー、ルイス)を説明できる。
5週 有機分子の安定性:燃焼熱・生成熱・水素化熱、立体ひずみと環ひずみ、構造異性体と立体異性体 有機化合物のひずみ、各種異性体について説明できる。
6週 立体配座、絶対配置(R-S表記)、Fischer投影式 アルカンの立体配座異性体および反応について説明できる。R配置とS配置を四面体表示で書くことができる。
7週 エナンチオマーとジアステレオマー(ラセミ体とメソ体)、R-S表記以外の立体配座,比旋光度 エナンチオマー・ジアステレオマー・メソ化合物・ラセミ体を説明できる。
8週 中間試験 前半の問題を解くことができる。
2ndQ
9週 遷移状態と反応中間体、立体的効果、電子的効果、溶媒効果、置換基効果 一置換ベンゼンの求電子置換反応における配向性を説明できる。
10週 電子構造:σ結合とπ結合、共役系の分子軌道:最高占有軌道と最低非占有軌道 HOMO-LUMO相互作用が説明できる。
11週 芳香族性、Woodward-Hoffmann則:フロンティア軌道論 芳香族性と反芳香族性の違いが説明できる。
12週 紫外可視吸収スペクトル、質量分析、赤外吸収スペクトル、核磁気共鳴スペクトル NMRスペクトルを読むことができる。
13週 置換反応,脱離反応、付加反応 ハロゲン化アルキルのSN1、SN2、E1、E2反応機構を書くことができる。
14週 求電子置換反応、転位反応、カルボニル化合物と含窒素(硫黄)有機化合物の反応 アルデヒドおよびケトンの合成法を説明できる。カルボニル基の反応性を説明できる。アミンの合成法と反応について説明することができる。
15週 酸化と還元、Diels-Alder反応、電子環状反応と光化学反応、天然物合成 各種ペリ環状反応について反応機構を書くことができる。
16週 期末試験 後半の問題を解くことができる。

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力0000000
専門的能力10000000100
分野横断的能力0000000