数値力学解析法

科目基礎情報

学校 佐世保工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 数値力学解析法
科目番号 0084 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 複合工学専攻 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 石川, 青木, 日比:解析塾秘伝有限要素法の作り方, 日刊工業新聞社, 2014.
担当教員 貞弘 晃宜

到達目標

1. 非線型方程式・常微分方程式・偏微分方程式により記述される力学的課題に対し、適切な数値解法を選び、そのプログラムを作成することで、数値解を得ることができる。(A-4)
2. 積分法や逆行列と固有値計算により解くことのできる力学的課題に対し、適切な数値解法を選び、そのプログラムを作成することで、その数値解を得ることができる。(A-4)
3. 実験等で得られた数値と適切なデータ補間法を用いたプログラムを作成することで、データのない区間の値の推定ができる。(A-4)
4. 有限要素法の基礎的な数理について理解し、そのプログラムが作成できる。(A-4)
5. 四角形二次要素を用い、等価節点力・応力・節店応力の計算を追加する処理を加えた実用的な有限要素法についてその有効性を理解し、実際のプログラムを作成することで、材料力学の問題に対する数値解を得ることができる。(A-4)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 (到達目標1)自らの設定する問題を非線型方程式・常微分方程式・偏微分方程式により記述される力学的課題と捕らえ、その数値解を得ることができる。非線型方程式・常微分方程式・偏微分方程式により記述される力学的課題に対し、適切な数値解法を選び、そのプログラムを作成することで、数値解を得ることができる。非線型方程式・常微分方程式・偏微分方程式により記述される力学的課題に対し、適切な数値解法を選択できない。
評価項目2 (到達目標2)自らの設定する問題を積分法や逆行列と固有値計算により解くことのできる力学的課題と捕らえ、その数値解を得ることができる。積分法や逆行列と固有値計算により解くことのできる力学的課題に対し、適切な数値解法を選び、そのプログラムを作成することで、その数値解を得ることができる。積分法や逆行列と固有値計算により解くことのできる力学的課題に対し、適切な数値解法を選択できない。
評価項目3 (到達目標3)自らが実験で得たデータを用いて、データ補完法の有用性を示すことができる。実験等で得られた数値と適切なデータ補間法を用いたプログラムを作成することで、データのない区間の値の推定ができる。データ補間法とは何か理解していない。
評価項目4 (到達目標4) 自らの設定する問題を基礎的な有限要素法により解き、解を得ることできる。有限要素法の基礎的な数理について理解し、そのプログラムが作成できる。有限要素法とは何か理解していない。
評価項目5 (到達目標5)自らの設定する問題に対して、四角形二次要素を用いた実用的有限要素法による結果と基礎的有限要素法による結果を比較し、四角形二次要素を用いる有効性を示せる。 四角形二次要素を用い、等価節点力・応力・節店応力の計算を追加する処理を加えた実用的な有限要素法についてその有効性を理解し、実際のプログラムを作成することで、材料力学の問題に対する数値解を得ることができる。 四角形二次要素を用いた有限要素法の有効性を理解していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
様々な機械分野における力学的課題に対し、その解を求める数値計算法を学び、代表例に対してプログラムを作成することで理解を深める。後半には有限要素法について学び、実際のプログラム作成と実問題への適用をおこなう。
授業の進め方・方法:
予備知識:(1)本科情報処理I の内容, (2)本科一般物理・機械力学・流体力学・熱力学の内容, (3)本科材料力学の内容
講義室:ICT2
授業形式:講義と演習
学生が用意するもの:USBメモリ
注意点:
評価方法:下記評価割合により 60点以上を合格とする。
自己学習の指針:レポートや授業中演習の完成(目安としてあわせて4時間以上)に積極的に取り組むこと。試験前にはレポート内容や授業中の演習内容を理解できていること。
オフィスアワー:木曜日 16:00-17:00

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 シラバスの説明, MaTX について MaTX をもちいた基礎的なプログラムの作成と実行ができる。
2週 MaTX プログラミング MaTX の型、関数の作成法について理解しそれらを利用したプログラムが作成できる。
3週 ニュートン法による、せきを通る流量の計算 ニュートン法をもちいて非線形方程式数値解を求めることができる。
4週 ラグランジュ補間多項式による応力ひずみ線図の補間 ラグランジュ補間多項式をもちいてデータの補間ができる。
5週 固有値計算による固有振動数の計算 固有値を計算する方法を理解し、その計算ができる。
6週 数値積分法による慣性モーメントの計算 数値積分法をもちいて与えられた関数の積分値を計算できる。
7週 ルンゲ=クッタ法によるダイナミクスの計算 ルンゲ=クッタ法をもちいて常微分方程式の解が計算ができる。
8週 弛緩法による炉内の温度分布の計算 弛緩法用いて偏微分方程式の解の計算できる。
2ndQ
9週 有限要素法(1)概要とトラスの強度計算 有限要素法の概要について理解し、簡単な計算ができる。
10週 有限要素法(2)基礎数理 有限要素法の基礎的な数理について理解する。
11週 有限要素法(3)三角形一次要素 三角形一次要素をもちいたプログラムを作成する。
12週 有限要素法(4)四角形一次要素 四角形一次要素をもちいたプログラムを作成する。
13週 有限要素法(5)四角形二次要素 四角形二次要素をもちいたプログラムを作成する。
14週 有限要素法(6)片持ち梁による要素定式化の違いの考察 要素定式化の違いについて考察し、ロッキングについて理解する。
15週 有限要素法(7)前処理・後処理と穴あき平板の計算 等価節点力・応力・節点応力の計算を追加し、ここまで学習したFEMの総まとめができる。
16週 後期試験

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合5050100
基礎的能力000
専門的能力5050100
分野横断的能力000