国語・国語演習

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 平成28年度 (2016年度)
授業科目 国語・国語演習
科目番号 0019 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 共通教育科(熊本) 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材 新編 国語総合 大修館書店(代表著作者 北原保雄)
担当教員 草野 美智子

到達目標

日本語に関する技能や言語感覚を育成することで、円滑な社会生活を送ることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
書く力自分の意見(主張)に対して、理由(根拠)が書ける。説得力を持たせるために、データ・先行研究、引用を駆使できる。自分の考えと引用を区別する。冗長な文章にならないために、一文の長さに気をつける。序論・本論・結論など文章の構成や何を伝えるのか方向性を考えて書く。文体を統一する。誤字・脱字がない。参考文献を書く。インターネットは、閲覧日とURLを明記する。自分の意見(主張)に対して、理由(根拠)が書ける。説得力を持たせるために、データ・先行研究、引用するときがある。自分の考えと引用を区別する。冗長な文章にならないために、一文の長さに気をつける。序論・本論・結論など文章の構成や何を伝えるのか方向性を考えて書く。文体を統一する。誤字・脱字がない。参考文献を書く。インターネットは、閲覧日とURLを明記する。自分の意見(主張)に対して、理由(根拠)が明確に書けない。データ・先行研究、引用の使い方が適切でない。自分の考えと引用を区別しない。一文が長く冗長な文章になっている。序論・本論・結論など論文の構成や何を伝えるのか方向性が曖昧である。文体が統一されていない。誤字・脱字がある。参考文献を示さない。インターネットは、閲覧日とURLを明記しない。
話す力聴衆を見渡しながら、視線を合わせることができる。さまざまな説明の方法や手段を駆使し、わかりやすく伝え、意見の異なる相手との相互理解を得ることができる。短く簡潔な文でわかりやすい語彙と表現を用いて話す。ゆっくりした口調で会場の広さに応じた声の大きさで、相手の理解度に応じて話す。自分の考えや意見を積極的に伝えようとする熱意にあふれている。一方的にならずに、相手からの質問や反論に適切に回答して、対話や議論を展開できる。自分の体験やこれまでの知識を駆使して具体性に話して、説得力を増して話す。時々は聴衆を見渡しながら、視線を合わせることができる。わかりやすく伝え、意見の異なる相手との相互理解を得ることができる。比較的短く簡潔な文でわかりやすい語彙と表現を用いて話す。比較的ゆっくりした口調で会場の広さに合わせた声の大きさで、時々相手の様子を見ながら話す。発表の機会を勉強ととらえ自分の意見や考えを述べる。相手からの質問に適切に回答する。これまでの知識を駆使して具体的に話す。聴衆と視線を合わせることなく、下を見て発表原稿ばかり読んで朗読になっている。何を話すかまとまっておらず、内容が伝わらない。早口であったり会場の後ろまで聞こえない小声で話す。相手の理解とは関係なく一方的に話す。発表の機会があっても逃げようとする。質問が出ても適当に答えるか、答えられない。話が具体的でない。
読む力文章全体に目を通し、どんなことが書かれているか、分からない用語を調べながら読む。書かれている内容をそのまま鵜呑みにせず、批判的に疑問を持ちながら読む。キーワードやキーセンテンスを見つけて読む。段落間のつながりを考えながら読む。著者の最も伝えたいこと(主張とそれを裏付ける根拠)を意識して読む。よく通る声で感情をこめながら朗読できる。文章に目を通し、どんなことが書かれているかを意識しながら読む。書かれている内容をまずは正確に読む。繰り返し出てくる言葉をキーワードやキーセンテンスととらえて読む。前後の段落間のつながりを考えながら読む。著者の最も伝えたいこと(主張とそれを裏付ける根拠)を抜き出す形で読む。範読に従って正しく読める。教科書を忘れる。自分から読もうとせずに、板書に依存する。分からない用語をチェックしない。書かれている内容をそのまま鵜呑みにし、疑問を持たない。キーワードやキーセンテンスを見出すことなく漫然と読む。段落間のつながりを考えない。著者の最も伝えたいこと(主張とそれを裏付ける根拠)を自分から見いだせない。声がくぐもって発声が明瞭でない。漢字の読み間違いがある。
聞く力顔を挙げて相手の話を最後まで傾聴して、十分に理解した上で、さまざまな視点から考えることができる。相槌やうなずきを入れて相手が話しやすい雰囲気を作る。メモを取りながら、内容への質問や意見、疑問点を考えながら聴く。以前のメモを振り返って、今日の話と関連付けられるように聴く。多様な意見や考えを柔軟に受け入れて視野を広げる態度で聴く。相手の話を最後まで聴き、意図や気持ちなどまで理解できる。好意的な表情を浮かべて相手が話しやすい雰囲気を作る。メモを取る。様々な意見があることを受け入れる。相手の話を最後まで聴かずに、勝手な判断をしたり、鵜呑みにして、理解できていない。下を向いて話を聴こうとする積極的な姿勢が見られない。メモを取らない。自分の意見に固執して他人の考えを聴こうとしない。

学科の到達目標項目との関係

本科(準学士課程)での学習・教育到達目標 1-1 説明 閉じる
本科(準学士課程)での学習・教育到達目標 4-4 説明 閉じる

教育方法等

概要:
この授業では、皆さんが社会人となり、職場や地域、家庭等で、円滑なコミュニケーションを行う際に必要な技能や感覚、態度について取り扱う。
授業の進め方・方法:
教科書による授業が中心となる。日本語による「読む」「書く」「聴く」「話す」の全領域について、精読を通して内容を的確に読みとり、語彙力を高め、理解する力を養う。教員と学生、学生同士のインタラクティブな活動により、考察力、表現力、コミュニケーション能力も磨く。国語Ⅰの授業内容に国語演習Ⅰを含むものとする。

注意点:
3単位科目 90時間の授業。国語はすべての教科の基本となるため、積極的に取り組むこと。課題は期日までに確実に提出すること。分からない点は、分かるまで授業中や後で質問をする。授業内容に関連する日常現象や出来事について触れたときには、自主的に内容を調べる。習った内容について、日常生活の中で当てはまる場面がないか注意して観察する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 イントロダクション
図書館ガイダンス
国語学習の概要について理解する。
2週 随想「ワンダフル・プラネット!」①  ・主旨を正確に理解する。
・語句の意味を的確に捉える。
・筆者の経験を、自分の体験に置き換えて考える。
3週 随想「ワンダフル・プラネット!」② ・主旨を正確に理解する。
・語句の意味を的確に捉える。
・筆者の経験を、自分の体験に置き換えて考える。
4週 評論「季節の言葉と出会う」① ・筆者の考えを叙述に即して的確に読み取る。
・「季語」の意味を読み取る。
・「うつろう」ことに敏感な日本人の感性を読み取る。
5週 評論「季節の言葉と出会う」② ・筆者の考えを叙述に即して的確に読み取る。
・「季語」の意味を読み取る。
・「うつろう」ことに敏感な日本人の感性を読み取る。
6週 小説「子供たちの晩餐」① ・登場人物の心理の変化を読み取る。
・作品の構成・展開を正しくとらえる。
7週 小説「子供たちの晩餐」② ・登場人物の心理の変化を読み取る。
・作品の構成・展開を正しくとらえる。
8週 漢文入門
訓読、書き下し文、「守株」「推敲」
・訓点の用法を理解し、訓読できるようになる。
・訓点に従って故事成語の訓読文を正確に書き下し文にする。
・故事成語の意味を理解する。
2ndQ
9週 中間試験 授業の総括をし、試験を行う。
10週 答案返却
評論「何のために『働く』のか」①
・筆者の考えを叙述に即して的確に読み取る。
・接続詞の働きや指示語の内容を正確に理解する。
・筆者の考える「一人前になる」「アテンション」の意味を理解する。
11週 評論「何のために『働く』のか」② ・筆者の考えを叙述に即して的確に読み取る。
・接続詞の働きや指示語の内容を正確に理解する。
・筆者の考える「一人前になる」「アテンション」の意味を理解する。
12週 小説『羅生門』① ・主人公の心の変化を読み取る。
・作品の構成を理解する。
・主人公の心理変化と行動を把握する。
・近代を代表する作家の表現技術について考察する。
・グループ活動で劇にして上演する。
13週 小説『羅生門』② ・主人公の心の変化を読み取る。
・作品の構成を理解する。
・主人公の心理変化と行動を把握する。
・近代を代表する作家の表現技術について考察する。
・グループ活動で劇にして上演する。
14週 小説『羅生門』③ ・主人公の心の変化を読み取る。
・作品の構成を理解する。
・主人公の心理変化と行動を把握する。
・近代を代表する作家の表現技術について考察する。
・グループ活動で劇にして上演する。
15週 定期試験 授業の総括をし、試験を行う。
16週 答案返却 試験結果を返却し、誤答への理解を深め、異議に応じる。
後期
3rdQ
1週 調べもの学習発表① ・課題を調査し、人前でわかりやすく発表する。
2週 調べもの学習発表② ・課題を調査し、人前でわかりやすく発表する。
3週 小説『夢十夜』 ・文章に描かれた人物、情景、心情などを表現に即して読み取る。
・冒頭の一文の位置づけと、作品の構造を理解する。
・寓意について読み取る。
・作者や日本の近代文学についての理解を深める。
4週 評論「政治の本質」① ・論理の展開をたどり、筆者の主張をつかむ。
・「選択」する、「マクロな政治」と「ミクロな政治」の違いについて理解する。
・筆者が主張する「政治の本質」について理解する。
5週 評論「政治の本質」② ・論理の展開をたどり、筆者の主張をつかむ。
・「選択」する、「マクロな政治」と「ミクロな政治」の違いについて理解する。
・筆者が主張する「政治の本質」について理解する。
6週 唐詩①
・近体詩の形式、きまり等を理解し、作者の意図を理解する。
・決まりに則って、詩を創作する。
7週 唐詩② ・近体詩の形式、きまり等を理解し、作者の意図を理解する。
・決まりに則って、詩を創作する。
8週 中間試験 授業の総括をし、試験を行う。
4thQ
9週 答案返却
評論「ボランティアという名の『無償財』」
・筆者の考えを叙述に即して的確に読み取り、ボランティアについての理解を深める。
10週 「いたずら~大人たちへの挑戦」① 筆者の論理性をもったアプローチを理解し、内容を読み解くとともに、人生観や価値観を育む。
11週 「いたずら~大人たちへの挑戦」② 筆者の論理性をもったアプローチを理解し、内容を読み解くとともに、人生観や価値観を育む。
12週 十八史略「鶏鳴狗盗」「臥薪嘗胆」① ・句法に注意しながら口語訳し、出来事の経緯や登場人物の役割を的確に読み取る。
・さまざまな人物像を通して、人間の生き方について考えを深める。
・劇にして上演する。
13週 十八史略「鶏鳴狗盗」「臥薪嘗胆」② ・句法に注意しながら口語訳し、出来事の経緯や登場人物の役割を的確に読み取る。
・さまざまな人物像を通して、人間の生き方について考えを深める。
・劇にして上演する。
14週 十八史略「鶏鳴狗盗」「臥薪嘗胆」③ ・句法に注意しながら口語訳し、出来事の経緯や登場人物の役割を的確に読み取る。
・さまざまな人物像を通して、人間の生き方について考えを深める。
・劇にして上演する。
15週 定期試験 授業の総括をし、試験を行う。
16週 答案返却 試験結果を返却し、誤答への理解を深め、異議に応じる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学国語国語論理的な文章を読み、論理の構成や展開の把握にもとづいて論旨を客観的に理解し、要約し、意見を表すことができる。また、論理的な文章の代表的構成法を理解できる。2前1,前2,前7
代表的な文学作品を読み、人物・情景・心情の描写ならびに描写意図などを理解して味わうとともに、その効果について説明できる。2前2
文章を客観的に理解し、人間・社会・自然などについて考えを深め、広げることができる。2前2,前7
文学作品について、鑑賞の方法を理解できる。また、代表的な文学作品について、日本文学史における位置を理解し、作品の意義について意見を述べることができる。2前2
鑑賞にもとづく批評的な文章の執筆や文学的な文章(詩歌、小説など)の創作をとおして、感受性を培うことができる。3
読書習慣の形成をとおして感受性を培い、新たな言葉やものの見方を習得して自らの表現の向上に生かすことができる。3
現代日本語の運用、語句の意味、常用漢字、熟語の構成、ことわざ、慣用句、同音同訓異義語、単位呼称、対義語と類義語等の基礎的知識についての理解を深め、その特徴を把握できる。また、それらの知識を適切に活用して表現できる。2
代表的な古文・漢文を読み、言葉や表現方法の特徴をふまえて人物・情景などを理解し、人間・社会・自然などについて考えを深めたり広げたりすることができる。2
古文・漢文について、音読・朗読もしくは暗唱することにより、特有のリズムや韻などを味わうことができる。2
代表的な古文・漢文について、日本文学史および中国文学史における位置を理解し、作品の意義について意見を述べることができる。また、それらに親しもうとすることができる。2
教材として取り上げた作品について、用いられている言葉の現代の言葉とのつながりや、時代背景などに関する古文・漢文の基礎的知識を習得できる。2
情報の収集や発想・選択・構成の方法を理解し、論理構成や口頭によるものを含む表現方法を工夫して、科学技術等に関する自らの意見や考えを効果的に伝えることができる。また、信頼性を重視して情報を分析し、図表等を適切に活用・加工してコミュニケーションに生かすことができる。3
他者の口頭によるものを含む表現について、客観的に評価するとともに建設的に助言し、多角的な理解力、柔軟な発想・思考力の涵養に努めるとともに、自己の表現の向上に資することができる。3
相手の意見を理解して要約し、他者の視点を尊重しつつ、建設的かつ論理的に自らの考えを構築し、合意形成にむけて口頭によるコミュニケーションをとることができる。また、自らのコミュニケーションスキルを改善する方法を習得できる。3
社会で使用される言葉を始め広く日本語を習得し、その意味や用法を理解できる。また、それらを適切に用い、社会的コミュニケーションとして実践できる。3

評価割合

試験発表合計
総合評価割合8020100
基礎的能力8020100
専門的能力000