保健体育I(保健)

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 保健体育I(保健)
科目番号 LK1106B 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 共通教育科(熊本) 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 現代高等保健体育
担当教員 髙橋 恭平

到達目標

個人及び社会生活における健康・安全について理解を深めるようにし,生涯を通じて自らの健康を適切に管理し,改善していく資質や能力を育てる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
健康現代の健康に関する課題を認識した上で自身の心身と向き合うことはもちろん,他者の心身にも配慮することが出来る。現代の健康に関する課題を認識した上で自身の心身と向き合うことが出来る。現代の健康に関する課題を認識するのみで,自身の心身の健康に落とし込むことが出来ない。
交通安全現代の交通社会に関する課題を認識した上で,これからは自身が加害者にもなり得ることを想定し,それを説明することが出来る。現代の交通社会に関する課題を認識した上で,これからは自身が加害者にもなり得ることを想定することが出来る。現代の交通社会に関する課題を認識するのみに留まり,これからは自身が加害者にもなり得ることを想定することが出来ない。
応急手当身近で起こり得る様々な緊急事態を想定することが出来,それに備え,臨機応変に適切な対応が出来る。身近で起こり得る様々な緊急事態を想定することが出来る。身近で起こり得る様々な緊急事態を想定することが出来ない。
思春期・結婚生活現在,自身が思春期であることを認識した上で心身の変化と向き合い,また,家族計画の意義や人工妊娠中絶の心身への影響も理解・想像出来る。現在,自身が思春期であることを認識,また,家族計画の意義や人工妊娠中絶の心身への影響も理解出来る。現在,自身が思春期であることを認識出来ず,また,家族計画の意義や人工妊娠中絶の心身への影響も理解出来ない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
「保健」は,健康・安全に関する基礎的・基本的な内容を体系的に学習することにより,健康問題を認識し,これを科学的に思考・判断し,適切に対処できるようにすることをねらいとしており,生涯を通じて健康で安全な生活を送るための基礎を培う上で中心的な役割を担っている。したがって,実生活において,「保健」で身に付けた知識及び資質や能力を生かして課題解決などに取り組むことが出来るよう努めて欲しい。そのために,健康に関する興味・関心や課題解決への意欲を高めるとともに,知識を活用する学習活動も取り入れ,思考力・判断力等を育成していく。
授業の進め方・方法:
教科書を網羅した上で,学習する単元と関連したトピックスを紹介したりして,学習内容を身近に感じてもらうよう努める。その他,人体模型及びAEDのトレーニングキットを用いた心肺蘇生の実習や人工妊娠中絶について考えるグループワーク課題を準備している。
注意点:
学生参加型の授業形態です。全体に対して問い掛けることが多いので、積極的な発言(態度)を心掛けて下さい。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 オリエンテーション 授業内容や評価方法を把握し,次回以降の授業に備える。
2週 国民の健康水準と疾病構造の変化 我が国の死亡率,平均寿命,受療率など各種の指標を通して健康水準の動向を取り上げ,科学技術の発達や社会経済の発展に伴って健康水準が向上してきたこと,さらに,疾病構造が変化してきたことを理解できる。
3週 健康の考え方と成り立ち 健康水準の向上,疾病構造の変化に伴い,個人や集団の健康についての考え方も変化している。このことを,疾病や症状の有無を重視する健康の考え方や,生活の質や生きがいを重視する健康の考え方などを例として理解できる。
4週 健康に関する意志決定や行動選択 健康を保持増進するには,適切な意志決定や行動選択が必要であり,それらには個人の知識,価値観,心理状態,及び人間関係などを含む社会環境が関連していることを理解できる。
5週 健康に関する環境づくり ヘルスプロモーションの考え方に基づき,健康を保持増進するには,環境づくりが重要であることを理解できるようにする。その際,健康を保持増進するための環境には,自然環境,
及び政策や制度,地域活動などの様々な社会環境があることを理解できる。
6週 生活習慣病と日常の生活行動 生活習慣病を予防し,健康を保持増進するには,適切な食事,運動,休養及び睡眠など,調和のとれた健康的な生活を実践することが必要であることを理解できる。
7週 喫煙,飲酒と健康 喫煙,飲酒は,生活習慣病の要因となり健康に影響があることを理解できる。また,喫煙や飲酒による健康課題を防止するには,正しい知識の普及,健全な価値観の育成などの個人への働きかけ,及び法的な整備も含めた社会環境への適切な対策が必要であることを理解できる。
8週 前期中間試験(筆記試験)
2ndQ
9週 薬物乱用と健康 コカイン,MDMAなどの麻薬,覚せい剤,大麻など,薬物の乱用は,心身の健康,社会の安全などに対して様々な影響を及ぼすので,決して行ってはならないことを理解できる。
また,薬物乱用を防止するには,正しい知識の普及,健全な価値観や規範意識の育成などの個人への働きかけ,及び法的な規制や行政的な対応など社会環境への対策が必要であることを理解できる。
10週 感染症とその予防 感染症は,時代や地域によって自然環境や社会環境の影響を受け,発生や流行に違いが見られることを理解できる。その際,交通網の発達により短時間で広がりやすくなっていること,また,新たな病原体の出現,感染症に対する社会の意識の変化等によって,エイズ,結核などの新興感染症や再興感染症の発生や流行が見られることを理解できる。
11週 欲求と適応機制 精神機能は,主として大脳によって統一的・調和的に営まれていることを理解できる。また,人間には様々な欲求があり,欲求が満たされない時には,不安,緊張,悩みなどの精神の変化が現れるとともに,様々な適応機制が働き,精神の安定を図ろうとすることを理解できる。
12週 心身の相関 人間の精神と身体は密接な関連をもっていることを,身体的変化が精神に及ぼす影響と精神的変化が身体に及ぼす影響との両面から理解できる。また,この心身の相関には,主として自律神経系及び内分泌系の多くの器官がかかわっていることを理解できる。
13週 ストレスへの対処 人間が生きていく上で,ストレスを感じること自体は自然なことであり,また,適度なストレスは精神発達上必要なものであるが,過度のストレスは心身に好ましくない影響をもたらすことがあることを理解できる。
14週 自己実現 人間の欲求の高次なものの一つとして,自分自身を高め,もてる力を最大限に発揮したいという自己実現の欲求があり,また,その充足が精神の健康と深くかかわっていることを理
解できる。
15週 交通事故の現状 我が国における道路交通事故の状況を知り,具体的な事例を適宜取り上げ,事故には,車両の特性,当事者の行動や規範を守る意識,周囲の環境などが関連していることを理解できる。
16週 前期期末試験(筆記試験)
後期
3rdQ
1週 交通社会で必要な資質と責任 交通事故を防止するには,自他の生命を尊重するとともに,自分自身の心身の状態や車両の特性などを把握すること及び個人の適切な行動が必要であることを理解できる。また,交通事故には責任や補償問題が生じることを理解できる。
2週 安全な社会づくり 事故のない安全な社会づくりには,環境の整備が重要であり,特に交通事故を防止するには,法的な整備,施設設備の充実,車両の安全性の向上などの対策が必要であることを理解できる。
3週 応急手当の意義 適切な応急手当は,傷害や疾病の悪化を防いだり,傷病者の苦痛を緩和したりすることを理解できる。また,自他の生命や身体を守り,不慮の事故災害に対応できる社会をつくるには,一人一人が適切な連絡・通報や運搬も含む応急手当の手順や方法を身に付けるとともに,自ら進んで行う態度を養うことが必要であることを理解できる。
4週 日常的な応急手当 日常生活で起こる傷害や,熱中症などの疾病の際には,それに応じた体位の確保・止血・固定などの基本的な応急手当の手順や方法があることを実習を通して理解できる。
5週 心肺蘇生法 心肺停止状態においては,急速に回復の可能性が失われつつあり,速やかな気道確保,人工呼吸,胸骨圧迫,AED(自動体外式除細動器)の使用などが必要であることを理解できる。
6週 心肺蘇生法(実技講習) 気道確保,人工呼吸,胸骨圧迫などの原理や方法について,実習を
通して理解できる。
7週 心肺蘇生法(実技試験)
8週 後期中間試験(筆記試験)
4thQ
9週 思春期と健康 思春期における心身の発達や健康課題について特に性的成熟に伴い,心理面,行動面が変化することについて理解できる。また,これらの変化に対応して,自分の行動への責任感や異性を尊重する態度が必要であること,及び性に関する情報等への適切な対処が必要であることを理解できる。
10週 結婚生活と健康 健康な結婚生活について,心身の発達や健康状態など保健の立場から理解できる。その際,受精,妊娠,出産とそれに伴う健康課題について理解できるとともに,家族計画の意義や人工妊娠中絶の心身への影響などについても理解できる。また,結婚生活を健康に過ごすには,自他の健康への責任感,良好な人間関係や家族や周りの人からの支援,及び母子への健康診査の利用などの保健・医療サービスの活用が必要なことを理解できる。
11週 人工妊娠中絶(課題提供) 新型出生前検査を理解できる。
12週 人工妊娠中絶(レポート作成) 新型出生前検査のニーズが高まっている背景を理解できる。
13週 人工妊娠中絶(グループワーク) 作成したレポートを元に自身の意見を述べたり他者の意見を聞いたりしながら,理解を深めることができる。
14週 人工妊娠中絶(発表会1) グループでまとめた内容を大勢の前で発表することができると共に,他グループの発表を聴講し,自身のグループの意見との比較検討をすることができる。
15週 人工妊娠中絶(発表会2) 同上。
16週 後期期末試験(筆記試験)

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能相手の意見を聞き、自分の意見を伝えることで、円滑なコミュニケーションを図ることができる。2
相手を理解した上で、説明の方法を工夫しながら、自分の意見や考えをわかりやすく伝え、十分な理解を得ている。2
集団において、集団の意見を聞き、自分の意見も述べ、目的のために合意形成ができる。2
目的達成のために、考えられる提案の中からベターなものを選び合意形成の上で実現していくことができ、さらに、合意形成のための支援ができる。2

評価割合

筆記試験授業態度心肺蘇生発表合計
総合評価割合7551010100
基礎的能力7551010100