数学II(基礎数学線形代数)

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 数学II(基礎数学線形代数)
科目番号 LK1204B 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 共通教育科(熊本) 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材 高遠節夫ほか「新 基礎数学」大日本図書/高遠節夫ほか「新 線形代数 問題集」大日本図書
担当教員 石田 明男

到達目標

1.図形と式…・線分の長さ、直線の方程式に関して理解できる。楕円、双曲線、放物線の図形的な意味、接線の意味や、不等式の表す領域の図示に関して理解できる。
2.数列…・等差数列、等比数列、その他の数列の一般項やその和に関して理解できる。また、数学的帰納法を理解できる。
3.場合の数…・場合の数、順列、組合せ、二項定理に関して理解できる。
4.ベクトル…・ベクトル(平面、空間)の定義と演算、成分表示、内積の定義と応用、ベクトルの図形への応用(内分・外分点の座標、2直線が平行・直交するための条件を含む)に関して理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1・線分の長さ、直線の方程式に関して理解し応用できる。 ・楕円、双曲線、放物線の図形的な意味、接線の意味や、不等式の表す領域の図示に関して理解し応用できる。・線分の長さ、直線の方程式を求めることができる。 ・楕円、双曲線、放物線の方程式、接線の方程式を求めたり、グラフをかくことができる。 ・不等式の表す領域を図示できる。・線分の長さを求める ことや、直線の方程式を求めることができない。 ・楕円、双曲線、放物線の方程式を求めること、接線の方程式を求めることや、不等式の表す領域を図示することができない。
評価項目2・等差数列、等比数列、その他の数列の一般項やその和に関して理解し応用できる。 ・数学的帰納法を理解し応用できる。・等差数列、等比数列、その他の数列の一般項やその和を求めることができる。 ・数学的帰納法を用いて証明ができる。・等差数列、等比数列の一般項やその和を求めること、Σ記号を用いて数列の和を計算すること、漸化式から一般項を求めることや、数学的帰納法を利用することができない。
評価項目3・場合の数、順列、組合せ、二項定理に関して理解し応用できる。・場合の数、順列、組合せを求めることができる。 ・二項定理を適用できる。・場合の数、順列、組合せを求めること、二項定理を利用することができない。
評価項目4・平面上のベクトルの定義と演算、成分表示、内積の定義と応用、ベクトルの図形への応用(内分・外分点の座標、2直線が平行・直交するための条件)、線形独立、線形従属に関して理解し応用できる。 ・平面上及び空間上のベクトルの演算、成分表示、内積の計算ができる。 ・内分・外分点の座標を求めることができる。 ・2直線が平行・直交するための条件を利用できる。 ・ベクトル方程式を利用して図形の方程式を求めることができる。・平面上及び空間上のベクトルの演算、成分表示による計算、内積の計算、ベクトルの図形への応用ができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
1年次開講の数学Iの履修を前提としている。また3年次開講の微分積分、線形代数の基礎科目となる。
まず、数学の基礎をなす事柄として、1年次で学んだ内容に加え、座標平面における直線や2次曲線、離散数学の基礎となる場合の数、数列を取り上げる。
また後期には、線形代数と呼ばれる分野の基礎となる「ベクトル」について学習する。ベクトルは工学や自然科学の様々なところに応用されている。
授業の進め方・方法:
基本的に以下のような演習主体の授業とする。
(1)前回の授業内容の小テスト及びその解説(20分程度)
(2)授業プリントを用いた授業内容の解説(20分程度)
(3)演習プリントを用いた問題演習及びレポート提出(50分程度)
問題を解いてみてわからないところは、学生同士の教えあいや担当者へ質問することにより、自ら積極的に解決することを推奨する。
注意点:
数学II(微分積分)と合わせて6単位科目であり、規定授業時数は180時間である。
数学II(基礎数学線形代数)の評価は、試験(60%)、小テスト(20%)、レポート(20%)で行い、60%以上で目標達成とする。
なお、到達目標を達成できなかった学生に対しては、再学習を課し、その後、再度到達度を確認するための試験を実施することがある。
数学IIの評価は、微分積分と基礎数学線形代数の評価を総合的に判断し、行う。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 2点間の距離と内分点 2点間の距離と内分点、外分点の座標を求められる。
2週 直線の方程式 直線の方程式を計算できる。
2直線間の平行、垂直関係を調べられる。
3週 円の方程式 円の方程式を求められる。
4週 いろいろな2次曲線(1) 楕円の性質を理解し、方程式を求められる。
双曲線の性質を理解し、方程式を求められる。
放物線の性質を理解し、方程式を求められる。
5週 いろいろな2次曲線(2) 楕円の性質を理解し、方程式を求められる。
双曲線の性質を理解し、方程式を求められる。
放物線の性質を理解し、方程式を求められる。
6週 2次曲線の接線 2次曲線の接線を求められる。
7週 不等式と領域 不等式の表す領域を図示することでできる。
基本的な線形計画法を理解する。
8週 図形と式のまとめ 図形と式の理解できていない部分を理解できる。
2ndQ
9週 中間試験 中間試験
10週 数列、等差数列 数列の定義が理解できる。
等差数列の性質を理解し、一般項を求められる。
等差数列の和を計算できる。
11週 等比数列、いろいろな数列 等比数列の性質を理解し、一般項を求められる。
等比数列の和を計算できる。
Σ記号を用いて数列の和を計算することができる。
12週 漸化式と数学的帰納法 漸化式と数学的帰納法について理解できる。
階差数列などのその他の数列の性質を理解し、一般項、総和の計算ができる。
13週 場合の数 場合の数の積の法則、和の法則を理解し、場合の数を求めることができる。
14週 順列、組合せ 順列について理解し、計算ができる。
階乗の性質を理解し、重複順列の計算ができる。
組合せについて理解し、計算ができる。
15週 定期試験 定期試験
16週 答案返却 答案返却
後期
3rdQ
1週 いろいろな順列 同じものを含む順列、円順列などの順列について理解し、計算ができる。
2週 二項定理 二項定理・多項定理について理解し、2項の展開式の係数を求められる。
3週 ベクトル、ベクトルの演算 ベクトルとスカラーの違いや基本となる用語について理解する。ベクトルの演算(加法、スカラー積)について理解し、それら性質を用いた計算が行える。
4週 ベクトルの成分 ベクトルの成分表示を理解し、ベクトルの大きさが求められる。
5週 ベクトルの内積 ベクトルの内積について図形的に理解し、成分による計算も行えるようになる。
6週 ベクトルの平行と垂直 ベクトルの平行・垂直条件について理解し、利用することができる。
7週 ベクトルの図形への応用 位置ベクトルについて理解し、図形へ応用できる。
8週 直線のベクトル方程式、円のベクトル方程式 方向ベクトル、法線ベクトルを理解し、直線のベクトル方程式を求められる。
円のベクトル方程式を求めることができる。
4thQ
9週 中間試験 中間試験
10週 平面のベクトルの線形独立・線形従属 ベクトルの線形結合、平面ベクトルの線形独立・線形従属について理解し、図形に応用できる。
11週 空間座標、ベクトルの成分 空間座標でのベクトルの概念を理解し、成分表示を含めた、空間ベクトルの演算が行える。
12週 ベクトルの内積、直線の方程式 空間ベクトルの内積の計算ができる。
空間座標における方向ベクトルと法線ベクトルを理解し、直線の方程式を求めることができる。
13週 平面の方程式、球面の方程式 空間座標における方向ベクトルと法線ベクトルを理解し、平面の方程式、球面の方程式を求めることができる。
14週 空間のベクトルの線形独立・線形従属 空間ベクトルの線形独立・線形従属について理解し、図形に応用できる。
15週 定期試験 定期試験
16週 答案返却 答案返却

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学2点間の距離を求めることができる。2前1
内分点の座標を求めることができる。2前1
通る点や傾きから直線の方程式を求めることができる。2前2
2つの直線の平行・垂直条件を利用して、直線の方程式を求めることができる。2前2
簡単な場合について、円の方程式を求めることができる。2前3
積の法則と和の法則を利用して、簡単な事象の場合の数を数えることができる。2前13
簡単な場合について、順列と組合せの計算ができる。2前14
等差数列・等比数列の一般項やその和を求めることができる。2前10,前11
総和記号を用いた簡単な数列の和を求めることができる。2前12
ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。2後3
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。2後4,後11
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。2後5,後12
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。2後6
空間内の直線・平面・球の方程式を求めることができる(必要に応じてベクトル方程式も扱う)。2後12,後13

評価割合

試験小テストレポート合計
総合評価割合602020100
基礎的能力602020100
専門的能力0000