国語IV

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 国語IV
科目番号 LK401 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 共通教育科(熊本) 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 後期:1
教科書/教材 自主作成プリント配布 補助教材
担当教員 草野 美智子

到達目標

将来性のある専門技術者養成の学校にあって、実践的な言語運用能力を育成するとともに、働くことの意味や、技術が与える社会的な影響などを考えることで、技術に関わる「自己」の存在を表現できるようにする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
書く力自分の意見(主張)に対して、理由(根拠)が書ける。説得力を持たせるために、データ・先行研究、引用を駆使できる。自分の考えと引用を区別する。冗長な文章にならないために、一文の長さに気をつける。序論・本論・結論など文章の構成や何を伝えるのか方向性を考えて書く。文体を統一する。誤字・脱字がない。参考文献を書く。インターネットは、閲覧日とURLを明記する。テクニカルライティングの狙いとやり方を熟知して、書くことができる。自分の意見(主張)に対して、理由(根拠)が書ける。説得力を持たせるために、データ・先行研究、引用するときがある。自分の考えと引用を区別する。冗長な文章にならないために、一文の長さに気をつける。序論・本論・結論など文章の構成や何を伝えるのか方向性を考えて書く。文体を統一する。誤字・脱字がない。参考文献を書く。インターネットは、閲覧日とURLを明記する。テクニカルライティングのやり方を知って書くことができる。自分の意見(主張)に対して、理由(根拠)が明確に書けない。データ・先行研究、引用の使い方が適切でない。自分の考えと引用を区別しない。一文が長く冗長な文章になっている。序論・本論・結論など論文の構成や何を伝えるのか方向性が曖昧である。文体が統一されていない。誤字・脱字がある。参考文献を示さない。インターネットは、閲覧日とURLを明記しない。テクニカルライティングのやり方にそった書き方ができない。
話す力聴衆を見渡しながら、視線を合わせることができる。さまざまな説明の方法や手段を駆使し、わかりやすく伝え、意見の異なる相手との相互理解を得ることができる。短く簡潔な文でわかりやすい語彙と表現を用いて話す。ゆっくりした口調で会場の広さに応じた声の大きさで、相手の理解度に応じて話す。自分の考えや意見を積極的に伝えようとする熱意にあふれている。一方的にならずに、相手からの質問や反論に適切に回答して、対話や議論を展開できる。自分の体験やこれまでの知識を駆使して具体性に話して、説得力を増して話す。時々は聴衆を見渡しながら、視線を合わせることができる。わかりやすく伝え、意見の異なる相手との相互理解を得ることができる。比較的短く簡潔な文でわかりやすい語彙と表現を用いて話す。比較的ゆっくりした口調で会場の広さに合わせた声の大きさで、時々相手の様子を見ながら話す。発表の機会を勉強ととらえ自分の意見や考えを述べる。相手からの質問に適切に回答する。これまでの知識を駆使して具体的に話す。聴衆と視線を合わせることなく、下を見て発表原稿ばかり読んで朗読になっている。何を話すかまとまっておらず、内容が伝わらない。早口であったり会場の後ろまで聞こえない小声で話す。相手の理解とは関係なく一方的に話す。発表の機会があっても逃げようとする。質問が出ても適当に答えるか、答えられない。話が具体的でない。
読む力文章全体に目を通し、どんなことが書かれているか、分からない用語を調べながら読む。書かれている内容をそのまま鵜呑みにせず、批判的に疑問を持ちながら読む。キーワードやキーセンテンスを見つけて読む。段落間のつながりを考えながら読む。著者の最も伝えたいこと(主張とそれを裏付ける根拠)を意識して読む。よく通る声で感情をこめながら朗読できる。文章に目を通し、どんなことが書かれているかを意識しながら読む。書かれている内容をまずは正確に読む。繰り返し出てくる言葉をキーワードやキーセンテンスととらえて読む。前後の段落間のつながりを考えながら読む。著者の最も伝えたいこと(主張とそれを裏付ける根拠)を抜き出す形で読む。範読に従って正しく読める。自分から読もうとせずに、板書に依存する。分からない用語をチェックしない。書かれている内容をそのまま鵜呑みにし、疑問を持たない。キーワードやキーセンテンスを見出すことなく漫然と読む。文章の構成を考えない。著者の最も伝えたいこと(主張とそれを裏付ける根拠)を自分から見いだせない。声がくぐもって発声が明瞭でない。漢字の読み間違いがある。
聴く力顔を挙げて相手の話を最後まで傾聴して、十分に理解した上で、さまざまな視点から考えることができる。相槌やうなずきを入れて相手が話しやすい雰囲気を作る。メモを取りながら、内容への質問や意見、疑問点を考えながら聴く。以前のメモを振り返って、今日の話と関連付けられるように聴く。多様な意見や考えを柔軟に受け入れて視野を広げる態度で聴く。相手の話を最後まで聴き、意図や気持ちなどまで理解できる。好意的な表情を浮かべて相手が話しやすい雰囲気を作る。メモを取る。様々な意見があることを受け入れる。相手の話を最後まで聴かずに、勝手な判断をしたり、鵜呑みにして、理解できていない。下を向いて話を聴こうとする積極的な姿勢が見られない。メモを取らない。自分の意見に固執して他人の考えを聴こうとしない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
①就職や進学にあたって「自己」を確立し、書くこと・話すことを通じて、「自己」を的確に伝えることができるようにする。②人間・社会・自然に関する多様な情報を知り、それらに対する自分の考えをまとめ、表現できるようにする。③読み、書く、話す、聞く際の約束事を知り、実際の言語生活に生かせるようにする。
授業の進め方・方法:
日本語による「読む」「書く」「聴く」「話す」の全領域について、語彙力を高め、内容を的確に理解し、伝える力を養う。教員と学生、学生同士のインタラクティブな活動を多くし、考察力、表現力、コミュニケーション能力を磨く。
注意点:
1単位科目 30時間の授業。学修単位となる。30時間の授業と15時間の自学自習をもって1単位とする。国語はすべての教科の基本となるため、積極的に取り組むこと。授業中に出題する自学自習用課題は平常点となるため、期日までに確実に提出すること。話し合いやロールプレイなどのインタラクティブな活動が多いため、積極的に参加する。授業内容に関連する時事問題や社会現象に触れたときには、自主的に内容を調べ、社会への関心を高め、考察を言語化しておく。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 キャリアインタビュー発表① テーマに従ってインタビューを行い、成果を発表する。
2週 キャリアインタビュー発表② テーマに従ってインタビューを行い、成果を発表する。
3週 人前で話す(2人でトーク番組構成)① ・相手とのやり取りを交えながら自分の考えを話す。
・相手の話を傾聴し、話題を引き出す。
4週 人前で話す(2人でトーク番組構成)② ・相手とのやり取りを交えながら自分の考えを話す。
・相手の話を傾聴し、話題を引き出す。
5週 グループディスカッション① テーマにそって話し合いをし、結論を発表する。
6週 グループディスカッション② テーマにそって話し合いをし、結論を発表する。
7週 グループディスカッション③ テーマにそって話し合いをし、結論を発表する。
8週 中間試験 授業の総括をし、試験を行う。
4thQ
9週 人生鳥瞰図作成 人生鳥瞰図を作成し、自己を客観視する。
10週 人生鳥瞰図発表 人生鳥瞰図に従って、夢を語る。
11週 社会人マナー 基本的な社会人マナーについて学ぶ。
12週 面接での質問事項に答える① 「面接」の目的や種類、実施時の注意点や面接官の着眼ポイントを学ぶ。
13週 面接での質問事項に答える② 「面接」の目的や種類、実施時の注意点や面接官の着眼ポイントを学ぶ。
14週 面接での質問事項に答える③ 「面接」の目的や種類、実施時の注意点や面接官の着眼ポイントを学ぶ。
15週 定期試験 授業の総括をし、試験を行う。
16週 答案返却 試験結果を返却し、誤答への理解を深め、異議に応じる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学国語国語論理的な文章を読み、論理の構成や展開の把握にもとづいて論旨を客観的に理解し、要約し、意見を表すことができる。また、論理的な文章の代表的構成法を理解できる。3後1
文章を客観的に理解し、人間・社会・自然などについて考えを深め、広げることができる。3
読書習慣の形成をとおして感受性を培い、新たな言葉やものの見方を習得して自らの表現の向上に生かすことができる。3
現代日本語の運用、語句の意味、常用漢字、熟語の構成、ことわざ、慣用句、同音同訓異義語、単位呼称、対義語と類義語等の基礎的知識についての理解を深め、その特徴を把握できる。また、それらの知識を適切に活用して表現できる。3
情報の収集や発想・選択・構成の方法を理解し、論理構成や口頭によるものを含む表現方法を工夫して、科学技術等に関する自らの意見や考えを効果的に伝えることができる。また、信頼性を重視して情報を分析し、図表等を適切に活用・加工してコミュニケーションに生かすことができる。3
他者の口頭によるものを含む表現について、客観的に評価するとともに建設的に助言し、多角的な理解力、柔軟な発想・思考力の涵養に努めるとともに、自己の表現の向上に資することができる。3
相手の意見を理解して要約し、他者の視点を尊重しつつ、建設的かつ論理的に自らの考えを構築し、合意形成にむけて口頭によるコミュニケーションをとることができる。また、自らのコミュニケーションスキルを改善する方法を習得できる。3
社会で使用される言葉を始め広く日本語を習得し、その意味や用法を理解できる。また、それらを適切に用い、社会的コミュニケーションとして実践できる。3

評価割合

試験発表合計
総合評価割合8020100
基礎的能力8020100
専門的能力000