リベラルアーツ実践 I

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 リベラルアーツ実践 I
科目番号 0030 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 共通教育科(八代) 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 特に指定しない。適宜配布する。
担当教員 時松 雅史,池田 翼,道園 達也,小林 幸人,川尾 勇達

到達目標

①科学技術がもたらす社会や環境・人間への影響を理解し、課題を把握することができる。
②外国語による講義受講やコミュニケーションを体験することによって、グローバルエンジニアに求められる国際的・共生的な視点を持つことができる。
③一般科目・専門科目の複数の分野に渡る知識を総合し、問題解決に向けた方策を検討することができる。
④社会協働やグループ活動・ディスカッションで求められるコミュニケーションスキルの基礎を身に着けたうえで、自分の特性を発揮することができる。
⑤批判的思考(クリティカル・シンキング)と分析的思考について理解し,自分の問題に置き換えて応用することができる。また、そのような思考に基づいた文章作成ができる。
⑥分野横断的能力(リテラシー・コンピテンシー)に関する自分の特性の経年的変化を把握することができ、その開発に向けて目標を立てることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
①科学技術がもたらす影響 科学技術がもたらす社会や環境・人間への影響を理解し、課題を把握することができる。 科学技術がもたらす社会や環境・人間への影響を理解できる。科学技術がもたらす社会や環境・人間への影響を理解することができない。
②外国語によるコミュニケーション外国語による講義受講やコミュニケーションを体験することによって、グローバルエンジニアに求められる国際的・共生的な視点を持つことができる。外国語による講義受講やコミュニケーションを能動的に体験することができる。外国語による講義受講やコミュニケーションを能動的に体験することができない。
③複数の分野に渡る知識の統合一般科目・専門科目の複数の分野に渡る知識を総合し、問題解決に向けた方策を検討することができる。一般科目・専門科目の複数の分野に渡る知識を組み合わせることができる。一般科目・専門科目の複数の分野に渡る知識を組み合わせることができない。
④コミュニケーションスキルの基礎社会協働やグループ活動・ディスカッションで求められるコミュニケーションスキルの基礎を身に着けたうえで、自分の特性を発揮することができる。社会協働やグループ活動・ディスカッションで求められるコミュニケーションスキルの基礎を理解することができる。社会協働やグループ活動・ディスカッションで求められるコミュニケーションスキルの基礎を理解することができない。
⑤批判的思考と分析的思考批判的思考(クリティカル・シンキング)と分析的思考について理解し、自分の問題に置き換えて応用することができる。また、そのような思考に基づいた文章作成ができる。批判的思考(クリティカル・シンキング)と分析的思考について理解することができる。また、そのような思考に基づいた文章作成ができる。批判的思考(クリティカル・シンキング)と分析的思考について理解することができない。
⑥分野横断的能力の把握分野横断的能力(リテラシー・コンピテンシー)に関する自分の特性の経年的変化を把握することができ、その開発に向けて目標を立てることができる。分野横断的能力(リテラシー・コンピテンシー)に関する自分の特性の経年的変化を把握することができる。分野横断的能力(リテラシー・コンピテンシー)に関する自分の特性の経年的変化を把握することができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
「リベラルアーツ」関連科目においては、答えが与えられていない問いに対して、新たな解を探求する力を育成する。そのためには、アカデミックスキルやジェネリックスキルに関する知識を有している必要があり、また、必要な情報を組み合わせて利活用する能力、ものごとを分析して論理的・批判的に考察する能力、解を得る過程や解を共有する際に必要な表現力・協働力・コミュニケーション力が求められる。これらの能力を開発し実践的に定着させていくために、当科目では現代社会が抱える具体的な課題を題材として、複数の分野の知識を統合し具体的な解決策を提案する体験学習を行う。また、グローバルエンジニアに求められる国際的・共生的な視点や態度を身に着けるため、外国語を用いての講座受講やディスカッションも実施する。
授業の進め方・方法:
複数の教員がオムニバス方式で行う。授業の内容とその方法は、各担当者のシラバスによって実施される。評価の方法は、「学習内容の振り返り」の時間に記入する振り返りシートの記入内容により評価する。また、授業中の取り組み状況を評価に加える場合もある。
注意点:
学生諸君の主体的な活動を前提とした科目です。難しく考えずに積極的な授業参加をお願いします。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 自分の分野横断能力(生きる力)を見極める
≪担当:≫
1年次前期の自己点検結果を照査し、自分自身の変化を振り返る。また、今後の自己開発に向けて具体的なプランを立てる。
2週 批判的な思考方法(クリティカル・シンキング)を身に着ける
≪担当:≫
クリティカル・シンキングの具体的な考え方について理解する。また、自分の問題に置き換えて実際に問いを立ててみることで、その技法を実践する。
3週 分析的な思考方法を身に着ける
≪担当:≫
各種フレームワークなどの、分析的思考の具体的な考え方について理解する。また、具体的な問題を対象として、その技法を実践する。
4週 外国語による講義を受講する
≪担当:外国人講師≫
既習の分野を外国語にて受講することで、母語以外でのコミュニケーションを経験する。また、母語での表現との相違点や、それに伴う発見について表現する。
5週 世界が抱える諸問題について情報収集する
≪担当:≫
持続可能な開発目標(SDGs)の背景と概要について調べ、理解する。169のターゲットから任意の一つを選択し、集中的に情報を収集・整理し、状況と課題を洗い出す。
6週 これまでに得た知識を統合・活用する
≪担当:≫
上記の課題解決に向けて、これまでに学習した一般科目や自分の専門分野の知識を組み合わせることで、解決法を提案する。
7週 外国語によるスピーチを聞く
≪担当:外国人講師≫
持続可能な開発目標(SDGs)に関して、外国人講師による外国語での意見表明を聴講し、内容を吟味する。また、文化的背景の違いによる視点の多様性について理解する。
8週 学習内容の振り返り 本時までの学習内容をまとめ、自分の取り組みを振り返る。
2ndQ
9週 外国語でディスカッションをする
≪担当:英語科?≫
これまでに検討してきたSDGsの解決策について、同じカテゴリのターゲットを選択した学生同士で意見発表、内容の吟味をする。その際に外国語を用いることで、外国語での発表・ディスカッションを経験する。
10週 外国語を交えたプレゼンテーションの準備をする
≪担当:≫
前回のディスカッションを踏まえた、グループごとに口頭での発表の準備を行う。発表の際はサマリーを冒頭に外国語にて表現する。
11週 外国語を交えたプレゼンテーションをする:前半
≪担当:≫
前週の内容を踏まえて実際にプレゼンテーションをしてみる。発表の際にはグループのメンバー全員が、進行役や英語でのサマリー発表役など、何かしらの役割を担う。
12週 外国語を交えたプレゼンテーションをする:後半
≪担当:≫
前週の内容を踏まえて実際にプレゼンテーションをしてみる。発表の際にはグループのメンバー全員が、進行役や英語でのサマリー発表役など、何かしらの役割を担う。
13週 論理的な文章で表現する:前半
≪担当:国語科?≫
これまで検討を重ねてきたSDGsの解決案について、論理的な文章で表現をする。そのために、論理的に文章を構築する手法について理解する。
14週 論理的な文章で表現する:後半
≪担当:国語科?≫
実際に文章にて表現する。グループ内でメンバーの文章を吟味し、修正を施す。
15週 自分の分野横断能力(生きる力)を点検する
≪担当:≫
半年間での分野横断能力の変化を検証する。本科目で学んだスキルを活用して、今後の向上への取り組みを検討する。
16週
後期
3rdQ
1週
2週
3週
4週
5週
6週
7週
8週
4thQ
9週
10週
11週
12週
13週
14週
15週
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。2
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。2
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。2
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。2
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。2
他者の意見を聞き合意形成することができる。2
合意形成のために会話を成立させることができる。2
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。2
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。2
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。2
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。2
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。2
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。2
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。2
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる2
複数の情報を整理・構造化できる。2
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。2
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。2
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。2
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。2
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。2
事実をもとに論理や考察を展開できる。2
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。2
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。2
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。2
目標の実現に向けて計画ができる。2
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。2
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。2
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。2
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。2
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。2
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。2
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。2
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。2
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。2
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている2
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。2
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。2
自身の将来のありたい姿(キャリアデザイン)を明確化できる。2
その時々で自らの現状を認識し、将来のありたい姿に向かっていくために現状で必要な学習や活動を考えることができる。2
キャリアの実現に向かって卒業後も継続的に学習する必要性を認識している。2
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業や大学等でどのように活用・応用されるかを説明できる。2
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。2
企業人として活躍するために自身に必要な能力を考えることができる。2
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。2

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合00001000100
基礎的能力0000000
専門的能力0000000
分野横断的能力00001000100