数学III

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 数学III
科目番号 0095 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 共通教育科(八代) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材 高専テキストシリーズ 線形代数 森北出版 および 高専テキストシリーズ 微分積分2 森北出版
担当教員 東田 洋次,久保田 智

到達目標

1.行列と線形変換に関する基本的な性質の問題が解ける。
  (項目)行列/逆行列/連立2元1次方程式/線形変換/合成変換/逆変換/直交変換
2.平面上の曲線のいろいろな表し方(媒介変数・極座標)とさまざまな微分積分法について学び、これらに関する基本的な問題を取り扱うことができる。
  (項目)媒介変数表示/極方程式/接線の方程式/曲線で囲まれる図形の面積/曲線の長さ
3.定積分の値を数値計算によって近似的に求めることができる。基本的な広義積分の値を求めることができる。また、マクローリンの定理について学び、基本的な関数のマクローリン展開を
求めることができる。
  (項目)数値計算/広義積分お/高次導関数/べき級数/マクローリン展開
4.簡単な1階および2階の微分方程式を解くことができる。
  (項目)変数分離形/線形微分方程式/斉次2階線形微分方程式/非斉次2階線形微分方程式

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 行列と線形変換に関する基本的な性質の問題が解ける。到達目標の項目に関する問題に対して8割以上を正答することができる。到達目標の項目に関する問題に対して6割以上を正答することができる。到達目標の項目に関する問題に対して6割未満の正答しかない。
評価項目2 平面上の曲線のいろいろな表し方(媒介変数・極座標)とさまざまな微分積分法について学び、これらに関する基本的な問題を取り扱うことができる。到達目標の項目に関する問題に対して8割以上を正答することができる。到達目標の項目に関する問題に対して6割以上を正答することができる。到達目標の項目に関する問題に対して6割未満の正答しかない。
評価項目3 3.定積分の値を数値計算によって近似的に求めることができる。基本的な広義積分の値を求めることができる。また、マクローリンの定理について学び、基本的な関数のマクローリン展開を 求めることができる。到達目標の項目に関する問題に対して8割以上を正答することができる。到達目標の項目に関する問題に対して6割以上を正答することができる。到達目標の項目に関する問題に対して6割未満の正答しかない。
簡単な1階および2階の微分方程式を解くことができる。到達目標の項目に関する問題に対して8割以上を正答することができる。到達目標の項目に関する問題に対して6割以上を正答することができる。到達目標の項目に関する問題に対して6割未満の正答しかない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本科目では、数学Ⅱ(微積分)で学んだ微分積分の基礎を踏まえ、さらに進んだ内容を含んだ微分積分と微分方程式、および数学Ⅱ(ベクトル)で学んだベクトルの延長である行列と1次変換を取り扱う。
また、多変数の微分積分学(4年)および行列式と行列の応用(4年)を学ぶための基礎となる。
授業の進め方・方法:
(授業方針)本講義は教科書を中心に進め、次の達成目標に関する解説と演習を行う。また、適宜授業内容を確認するための試験を実施する。数学Ⅲの前半の微分積分と微分方程式、および後半の行列と1次変換における基本的な知識の修得と簡単な計算ができるようになることを目標とする。
(評価方法)4回の定期試験の成績(80%)と、適宜実施する試験の成績(20%)によって目標項目の達成度を評価する。評価の低い学生に対しては、再評価を行うこともある。
注意点:
(学習方法)講義で取扱った授業内容は、教科書や問題集等を解くことにより復習を行う。また、次回の講義に該当する箇所について、教科書を一読し予習してくる。
(連絡事項)基本問題を何回も正確に解くことが大切です。また、講義や演習に関する質問は、数学科全員で対応しています。放課後を利用し気軽に声をかけてください。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 行列
行列の和・差、実数倍
□行列の定義に関する問題
□行列の和差及び実数倍に関する計算問題
2週 行列の積 □行列の積に関する計算問題
□正方行列の累乗に関する計算問題
□転置行列に関する問題
3週 逆行列
連立2元1次方程式
□正方行列の逆行列の定義に関する問題
□2次正方行列の逆行列を求める問題
□2元連立1次方程式を解く問題
4週 線形変換とその表現行列 □線形変換の定義に関する問題
□線形変換による像に関する問題
5週 いろいろな線形変換 □直線や点に関する対称変換の表現行列に関する問題
□原点のまわりに回転にする変換の表現行列に関する問題
6週 合成変換と逆行列 □合成変換の表現行列を求める問題
□逆変換の表現行列を求める問題
7週 直交行列と直交変換 □直交行列に関する問題
8週 (前期中間試験) 評価項目1
2ndQ
9週 曲線の媒介変数表示 □媒介変数表示で表される曲線に関する問題
10週 媒介変数表示と微分法 □媒介変数表示で表される曲線上の接線を求める問題
11週 媒介変数と積分法 □媒介変数表示で表される曲線と直線で囲まれる図形の面積を求める問題
□媒介変数表示で表される曲線の線分の長さを求める問題
12週 媒介変数と積分法 □曲線の長さを求める問題
13週 極座標と極方程式 □極座標と直交座標に関する問題
□極方程式で表される曲線に関する問題
14週 極方程式と積分法 □極方程式で表される曲線と直線によって囲まれる図形の面積を求める問題
□極方程式で表される曲線の線分の長さを求める問題
15週 数値積分
広義積分
□数値計算(台形公式)に関する問題
□広義積分に関する問題
16週 (前期末試験) 評価項目2
後期
3rdQ
1週 高次導関数 □高次導関数を求める問題
2週 べき級数 □収束半径を求める問題
3週 テイラーの定理とテイラー展開 □べき級数展開に関する問題
4週 テイラーの定理とテイラー展開 □べき級数展開に関する問題
5週 マクローリン展開と関数の近似 □マクローリン展開に関する問題
6週 マクローリン展開と関数の近似 □オイラーの公式に関する問題
7週 微分方程式 □微分方程式の意味に関する問題
8週 (後期中間試験) 評価項目3
4thQ
9週 変数分離形 □変数分離形の微分方程式を解く問題
10週 線形微分方程式 □1階線形微分方程式を解く問題
11週 線形微分方程式 □1階線形微分方程式を解く問題
12週 斉次2階線形微分方程式 □定数係数斉次2階線形微分方程式を解く問題
13週 非斉次2階線形微分方程式 □定数係数2階線形微分方程式を解く問題
14週 非斉次2階線形微分方程式 □定数係数2階線形微分方程式を解く問題
15週 2階線形微分方程式の応用
16週 (後期末試験) 評価項目4

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。3前1
行列の和・差・数との積の計算ができる。3前1
行列の積の計算ができる。3前2
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。3前3
線形変換の定義を理解し、線形変換を表す行列を求めることができる。3前4
合成変換や逆変換を表す行列を求めることができる。3前6
平面内の回転に対応する線形変換を表す行列を求めることができる。3前5
2次の導関数を利用して、グラフの凹凸を調べることができる。3後1
関数の媒介変数表示を理解し、媒介変数を利用して、その導関数を求めることができる。3前9,前10
簡単な場合について、曲線の長さを定積分で求めることができる。3前12
微分方程式の意味を理解し、簡単な変数分離形の微分方程式を解くことができる。3後7
基本的な変数分離形の微分方程式を解くことができる。3後9
簡単な1階線形微分方程式を解くことができる。3後11
定数係数2階斉次線形微分方程式を解くことができる。3後12

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力80000020100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000