国語III

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 国語III
科目番号 LK1301 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 情報通信エレクトロニクス工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 『改訂版 現代文B』(数研出版)
担当教員 中島 哲哉,教務係 (または非常勤講師),伊藤 利明

到達目標

①論理的な文章(評論)の構成や展開を的確にとらえ、要約することができる。また、筆者の考えに対して、自分の意見を分かりやすく述べることができる。
②文学的な文章(小説、詩)に描かれた人物やものの見方を表現に即して読み取り、自分の意見を分かりやすく述べることができる。
③代表的な古典に描かれた、ものの見方を正しく理解し、自分の意見を分かりやすく述べることができる。
④基礎的な日本語表現(手紙の書き方)について正しく理解し、それらを適切に用いることができる。
⑤高等学校3年生レベル(漢字検定準2級~2級程度)の漢字を読み書きする能力や語彙力を身につけている。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1論理的な文章(評論)の構成や展開を的確にとらえ、要約することができる。また、筆者の考えに対して、自分の意見を分かりやすく述べることができる。論理的な文章(評論)の構成や展開をとらえ、要約することができる。また、筆者の考えに対して、自分の意見を述べることができる。論理的な文章(評論)の構成や展開をとらえ、要約することができない。また、筆者の考えに対して、自分の意見を述べることができない。
評価項目2文学的な文章(小説、詩)に描かれた人物やものの見方を表現に即して読み取り、自分の意見を分かりやすく述べることができる。文学的な文章(小説、詩)に描かれた人物やものの見方を読み取り、自分の意見を述べることができる。文学的な文章(小説、詩)に描かれた人物やものの見方を読み取ることができない。また、自分の意見を述べることができない。
評価項目3代表的な古典に描かれた、ものの見方を正しく理解し、自分の意見を分かりやすく述べることができる。代表的な古典に描かれた、ものの見方を理解し、自分の意見を述べることができる。代表的な古典に描かれた、ものの見方を理解することができない。また、自分の意見を分かりやすく述べることができない。
評価項目4基礎的な日本語表現(手紙の書き方)について正しく理解し、それらを適切に用いることができる。基礎的な日本語表現(手紙の書き方)について理解し、それらを用いることができる。基礎的な日本語表現(手紙の書き方)について理解できない。また、それらを用いることができない。
評価項目5高等学校3年生レベル(漢字検定準2級~2級程度)の漢字を読み書きする能力や語彙力を身につけている。高等学校3年生レベル(漢字検定準2級~2級程度)の漢字を読み書きする能力や語彙力をある程度身につけている。高等学校3年生レベル(漢字検定準2級~2級程度)の漢字を読み書きする能力や語彙力を身につけていない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本授業では、2年次の「国語Ⅱ」よりも高度な文章(近現代の評論や小説、詩、古文など)を主体的に学ぶことを通して、読解力、論理的思考力、豊かな感性を養う。また、技術者・社会人に求められる日本語運用能力(コミュニケーション能力)を身につけるため、定期的に漢字・語彙力テストを実施するとともに、国語表現分野の学習(レポート作成、プレゼンテーション、手紙の書き方など)もあわせて行う。「国語」はすべての科目の基本となるため、授業には積極的に参加し、課題や演習にも真摯に取り組んでほしい。
授業の進め方・方法:
【授業の進め方と授業内容・方法】
授業は教科書を用いた講義形式を基本とするが、教員との質疑応答や受講者間での意見交流の機会を設けることで、理解や思考を深められるよう配慮する。また、コミュニケーションペーパー(あるいはWebClassのアンケート)に感想や質問を記入してもらい、翌週の授業冒頭でフィードバックすることで、受講生と教員との双方向性を確保する。なお、授業計画は学習状況や受講者の理解度を踏まえて、事前に周知を行ったうえで変更する場合がある。

【成績評価方法】
①試験(中間・定期):80%
②小テスト・レポート・演習:20%
の割合で算出し、総合評価60%以上を合格とする。

【合格の対象としない欠席条件】
3分の1以上の欠課
注意点:
【準備物】
教科書、ノート、辞書(電子辞書も可)、A4クリアファイル(配付資料、返却された小テスト・レポートなどを保管するため)

【受講上の注意点・アドバイスなど】
①配付されたプリント類を整理すること。
②必ず予習・復習を行うこと。また、漢字・語彙の学習を継続して行うこと。
③自分なりの考えや問題意識を持ち、それを積極的に表明しようと努めること。
④疑問は放置せず、辞書や情報機器で調べたり、教員に質問したりして解決すること。
⑤授業内容に関連する参考図書を紹介するので、興味・関心を持って触れてみること。
⑥「リベラルアーツ」関連科目で学んだこと、身につけた力を積極的に活用すること。

【教員とのコミュニケーション方法】
コミュニケーションペーパー、WebClass、メール(アドレスは別途通知)、直接対話(授業、オフィスアワーなど)

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 前期ガイダンス
評論読解の基礎知識
前期の授業内容について理解し、学習計画・目標を立てることができる。
評論を論理的に読解する方法について理解することができる。
2週 評論「環境と心の問題」(河野哲也)① 文章中に出てくる難解な語句の意味を調べ、理解することができる。
文章を読み、全体の構成や論理の展開を的確にとらえることができる。
3週 評論「環境と心の問題」(河野哲也)② 筆者の主張を正しく読み取り、文章を要約することができる。
4週 評論「環境と心の問題」(河野哲也)③ 筆者の主張を批判的に検討し、自分の考えを他者に分かりやすく伝えることができる。
5週 評論「環境と心の問題」(河野哲也)④
小説「赤い繭」(安部公房)①
文章中に出てくる難解な語句の意味を調べ、理解することができる。
文章を読み、全体の構成や場面の展開を的確にとらえることができる。
6週 小説「赤い繭」(安部公房)② 文章の描写から登場人物の心情を読み取ることができる。
小説の表現技法とその効果について理解することができる。
7週 小説「赤い繭」(安部公房)③ 時代背景を踏まえて作品の主題を考察し、自分の考えを他者に分かりやすく伝えることができる。
8週 中間試験 1~7週までの授業内容を網羅した試験を行い、到達目標に対する達成度を確認する。
2ndQ
9週 答案返却・解説
国語表現「手紙の書き方」①
試験を振り返り、不正解だった箇所はその理由を説明することができる。
手紙の書き方について理解することができる。
10週 国語表現「手紙の書き方」② 場面に応じた適切な手紙を書くことができる。
11週 国語表現「手紙の書き方」③ 場面に応じた適切な手紙を書くことができる。
12週 評論「知識社会という幻想」(西垣通)① 文章中に出てくる難解な語句の意味を調べ、理解することができる。
文章を読み、全体の構成や論理の展開を的確にとらえることができる。
13週 評論「知識社会という幻想」(西垣通)② 筆者の主張を正しく読み取り、文章を要約することができる。
14週 評論「知識社会という幻想」(西垣通)③ 筆者の主張を批判的に検討し、自分の考えを他者に分かりやすく伝えることができる。
15週 定期試験 9~14週までの授業内容を網羅した試験を行い、到達目標に対する達成度を確認する。
16週 答案返却・解説
前期のまとめ
試験を振り返り、不正解だった箇所はその理由を説明することができる。
前期の授業内容を振り返り、自分の目標到達度を把握することができる。
後期
3rdQ
1週 後期ガイダンス
プレゼンテーションの基礎知識
後期の授業内容について理解し、学習計画・目標を立てることができる。
プレゼンテーションの方法について理解することができる。
2週 国語表現「プレゼンテーション」 プレゼンテーションによって自分の思いや考えを分かりやすく他者に伝えることができる。
3週 評論「文学のふるさと」(坂口安吾)① 文章中に出てくる難解な語句の意味を調べ、理解することができる。
文章を読み、全体の構成や論理の展開を的確にとらえることができる。
4週 評論「文学のふるさと」(坂口安吾)② 筆者の主張を正しく読み取り、文章を要約することができる。
5週 評論「文学のふるさと」(坂口安吾)③ 筆者の主張を批判的に検討し、自分の考えを他者に分かりやすく伝えることができる。
6週 古文『伊勢物語』①※ 文章を読み、登場人物の関係を理解することができる。また、登場人物の心情や人間像をとらえることができる。
7週 古文『伊勢物語』②※ 和歌の修辞技法について理解し、文章中に出てくる和歌を正しく解釈することができる。
8週 中間試験 1~7週までの授業内容を網羅した試験を行い、到達目標に対する達成度を確認する。
4thQ
9週 答案返却・解説
詩を鑑賞するための基礎知識
試験を振り返り、不正解だった箇所はその理由を説明することができる。
詩を鑑賞するための基礎知識(表現技法など)ついて理解することができる。
10週 詩「永訣の朝」(宮沢賢治)① 詩を鑑賞し、その特徴や表現技法・効果について指摘することができる。
11週 詩「永訣の朝」(宮沢賢治)② 詩の主題を考察し、自分の考えを他者に分かりやすく伝えることができる。
12週 小説「檸檬」(梶井基次郎)① 文章中に出てくる難解な語句の意味を調べ、理解することができる。
文章を読み、全体の構成や場面の展開を的確にとらえることができる。
13週 小説「檸檬」(梶井基次郎)② 文章の描写から登場人物の心情を読み取ることができる。
小説の表現技法とその効果について理解することができる。
14週 小説「檸檬」(梶井基次郎)③ 時代背景を踏まえて作品の主題を考察し、自分の考えを他者に分かりやすく伝えることができる。
15週 定期試験 9~14週までの授業内容を網羅した試験を行い、到達目標に対する達成度を確認する。
16週 答案返却・解説
後期のまとめ
1年間の振り返り
試験を振り返り、不正解だった箇所はその理由を説明することができる。
後期の授業内容を振り返り、自分の目標到達度を把握することができる。
1年間の学びを踏まえて、次年度の目標を立てることができる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学国語国語論理的な文章(論説や評論)の構成や展開を的確にとらえ、要約できる。2
論理的な文章(論説や評論)に表された考えに対して、その論拠の妥当性の判断を踏まえて自分の意見を述べることができる。2
文学的な文章(小説や随筆)に描かれた人物やものの見方を表現に即して読み取り、自分の意見を述べることができる。2
常用漢字の音訓を正しく使える。主な常用漢字が書ける。2
類義語・対義語を思考や表現に活用できる。2
社会生活で使われている故事成語・慣用句の意味や内容を説明できる。2
専門の分野に関する用語を思考や表現に活用できる。2
実用的な文章(手紙・メール)を、相手や目的に応じた体裁や語句を用いて作成できる。2
報告・論文の目的に応じて、印刷物、インターネットから適切な情報を収集できる。2
収集した情報を分析し、目的に応じて整理できる。2
報告・論文を、整理した情報を基にして、主張が効果的に伝わるように論理の構成や展開を工夫し、作成することができる。2
作成した報告・論文の内容および自分の思いや考えを、的確に口頭発表することができる。2
課題に応じ、根拠に基づいて議論できる。2
相手の立場や考えを尊重しつつ、議論を通して集団としての思いや考えをまとめることができる。2
新たな発想や他者の視点の理解に努め、自分の思いや考えを整理するための手法を実践できる。2
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。2
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。2
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。2
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。2
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。2
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。2
他者の意見を聞き合意形成することができる。2
合意形成のために会話を成立させることができる。2
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。2
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。2
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。2
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。2
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。2
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。2
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。2
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる2
複数の情報を整理・構造化できる。2
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。2
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。2
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。2
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。2
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。2
事実をもとに論理や考察を展開できる。2
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。2
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。2
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。2
目標の実現に向けて計画ができる。2
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。2
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。2
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。2
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。2
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。2
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。2
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。2
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。2
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。2
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている2

評価割合

試験小テスト・レポート・演習合計
総合評価割合8020100
基礎的能力801090
専門的能力000
分野横断的能力01010