歴史総合I

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 歴史総合I
科目番号 LK2203 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 情報通信エレクトロニクス工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 岡崎勝世ほか7名著「明解 世界史A」帝国書院
担当教員 伊藤 利明

到達目標

1.古代諸文明について理解し、説明できる
2.封建社会について理解し、説明できる
3.一体化に向かう世界について理解し、説明できる
4.西欧の工業化とアジア諸国の動揺について理解し、説明できる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)未到達レベルの目安(不可)
古代の諸文明の理解人類の誕生からアジア・アフリカ・ヨーロッパ・アメリカの古代文明について、深く理解し、詳しく説明できる。人類の誕生からアジア・アフリカ・ヨーロッパ・アメリカの古代文明についての概略を理解し、だいたい説明できる。人類の誕生からアジア・アフリカ・ヨーロッパ・アメリカの古代文明について、ほとんど理解しておらず、説明できない。
封建社会の理解封建社会の成立と各国の諸相について、深く理解し、詳しく説明できる。封建社会の成立と各国の諸相についての概略を理解し、だいたい説明できる。封建社会の成立と各国の諸相について、ほとんど理解しておらず、説明できない。
アジア諸国の繁栄とヨーロッパ諸国の世界進出の理解モンゴル帝国以後のアジア諸大国の繁栄や大航海時代から始まるヨーロッパ諸国の世界進出など、一体化に向かう世界について、深く理解し、詳しく説明できる。モンゴル帝国以後のアジア諸大国の繁栄や大航海時代から始まるヨーロッパ諸国の世界進出など、一体化に向かう世界についての概略を理解し、だいたい説明できる。モンゴル帝国以後のアジア諸大国の繁栄や大航海時代から始まるヨーロッパ諸国の世界進出など、一体化に向かう世界について、ほとんど理解しておらず、説明できない。
欧米の工業化とアジア諸国の動揺の理解アメリカ独立革命やフランス革命などを初めとする革命の波の広がりと産業革命がもたらした社会変動など、西欧の工業化とアジア諸国の動揺について、深く理解し、詳しく説明できる。アメリカ独立革命やフランス革命などを初めとする革命の波の広がりと産業革命がもたらした社会変動など、西欧の工業化とアジア諸国の動揺についての概略を理解し、だいたい説明できる。アメリカ独立革命やフランス革命などを初めとする革命の波の広がりと産業革命がもたらした社会変動など、西欧の工業化とアジア諸国の動揺について、ほとんど理解しておらず、説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 3年次での日本史との関連で、古代から近代までの世界史の基礎的知識の習得を主眼におく。社会体制の変遷や東洋と西洋の歴史の発展の共通点・相違点について学ぶ。なお、近現代の日本史に関わる世界史は、3年次の日本史の授業で扱う。
授業の進め方・方法:
 授業は、中学校で習った基礎知識をもとに、担当教員は授業内容のスライドを投影しながら説明し、学生はそれを見聞きしながら、配布するプリントの空欄箇所を穴埋めし、必要に応じてメモをとっていく。また、学生は、授業内容を確認し、習得していくために、毎回課す課題テストを提出する。
この授業の目的は以下の点である。
1.世界史に関する興味・関心を高める。
2.他国や諸地域の歴史的事象について造詣を深め、歴史的思考力を養う。
3.国際社会で主体的に生きる民主的・平和的なエンジニアとしての教養を身につける。
注意点:
 国際社会で主体的に生きる民主的・平和的なエンジニアを養成するための科目であり、コアカリキュラムの学習内容である「人間活動と社会」・「文化と社会」・「自己と社会」・「社会の仕組みと公正な社会」・「科学技術と人間」・「国際社会と国際平和」を網羅するものである。
 各期の評価は、各定期試験の成績を8割、授業ごとの課題テストを2割として積算し、平均して評価する。同様に、総合評価は、各定期試験の成績と課題テストを同様の割合で積算し、平均して評価する。総合評価で60%以上を得点すれば目標達成とみなす。各定期試験(追試験を含む)を受験しなかった場合の当該試験の評価は、0点とする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
地上に現れた人類と文明
先史時代から歴史時代へ入っていく過程で誕生した古代諸文明について、その特徴を理解し説明できる。
2週 中国に生まれる統一国家
- 秦の統一 -
中国文明の成立から秦の統一過程について、その特徴を理解し説明できる。
3週 漢の成立と三国時代 秦の滅亡から漢王朝の成立や周辺の遊牧民の活動、三国時代と中国の再統一の過程について、その特徴を理解し説明できる。
4週 東アジアの国際的な大王朝 魏晋南北朝時代の分裂時代を経て、隋が中国を再統一し、唐の成立・発展によって東アジア文化圏が成立する過程、また五代十国時代を経て宋が成立する過程について、その特徴を理解し説明できる。
5週 北方民族の中国支配と南アジアの古代王朝 中国を支配した北方民族やモンゴル帝国について、また、インドの古代王朝の成立過程について、その特徴を理解し説明できる。
6週 南アジアの文明と外来文化を吸収した東南アジア インドで誕生した諸宗教とそれを保護した古代王朝の成立、また、インドや中国文化の影響を受けて成立した東南アジアの古代国家について、その特徴を理解し説明できる。
7週 西アジア・北アフリカの文明 文明の十字路としての西アジアの地理的・文化的位置と、メソポタミアやエジプトに栄えたオリエント文明について、その特徴を理解し説明できる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 答案返却
イスラームの成立と拡大・分裂
ムハンマドによるイスラームの創始とイスラーム王朝の拡大・分裂について、その特徴を理解し、説明できる。
10週 古代ギリシアのポリスの成立とギリシア文明 古代ギリシアのポリスの成立過程とヨーロッパ文明の源流であるギリシア文明について、その特徴を理解し説明できる。
11週 ヘレニズム時代 アレクサンドロス大王の東方遠征によって成立したマケドニア帝国と、その結果誕生したヘレニズム文化について、その特徴を理解し説明できる。
12週 共和政ローマと帝政ローマ及びキリスト教の成立 都市国家ローマの成立と発展、共和政から「内乱の1世紀」を経て帝政へ変わる過程、及びイエスが創始したキリスト教の成立について、その特徴を理解し説明できる。
13週 ローマ文化とキリスト教の発展及び封建社会の成立 ローマ文化の特徴と迫害を経てローマ帝国の国教となったキリスト教の発展、また、ゲルマン民族の大移動及びフランク王国の成立・発展、その中で成立した封建社会のしくみについて、その特徴を理解し説明できる。
14週 ビザンツ帝国の発展とローマ教皇権の伸張 ビザンツ帝国(東ローマ帝国)の発展と東西教会の分裂、及びローマ教皇権の伸張と十字軍の派遣、その後の社会変化について、その特徴を理解し説明できる。
15週 議会のはじまりと王権の伸張及び南北アメリカの文明 イギリスでの議会の成立過程と英仏百年戦争とバラ戦争後の王権の伸張、及び南北アメリカの文明について、その特徴を理解し説明できる。
16週 定期試験
後期
3rdQ
1週 答案返却
モンゴル帝国後に興った諸大国
モンゴル帝国崩壊後に発展したティムール帝国やオスマン帝国、モスクワ大公国について、その特徴を理解し説明できる。
2週 イスラーム諸王国の繁栄 インドをイスラーム化したムガル帝国の発展と衰退の過程、及びイランに栄えたシーア派のイスラーム国サファヴィー朝の繁栄について、その特徴を理解し説明できる。
3週 明の発展と清の建国 漢人王朝の明の成立と発展、征服王朝の清の建国について、その特徴を理解し説明できる。
4週 清の統治政策と交易で結びつく東アジア 少数民族の満州族が大多数の漢民族を支配する統治政策、及び琉球王国の中継貿易や日本の対外政策の変化などについて、その特徴を理解し説明できる。
5週 ルネサンスと宗教改革及び大航海時代 中世ヨーロッパのルネサンスや宗教改革が起こった背景と社会的・文化的意義について、及びスペイン・ポルトガルによる大航海時代の幕開けと古代アメリカ文明の崩壊について、その特徴を理解し説明できる。
6週 ヨーロッパの新たな国際秩序 大航海時代の幕開けとともに始まった社会の変化、スペインの繁栄と没落、三十年戦争とその後の新しい国際秩序について、その特徴を理解し説明できる。
7週 ヨーロッパ諸国の絶対主義時代及びイギリスの市民革命 ヨーロッパ諸国の絶対主義時代の専制君主の政策と、イギリスで起こった市民革命の結果確立した立憲君主政について、その特徴を理解し説明できる。
8週 アジア・アメリカへ進出するヨーロッパ及びアメリカの独立革命 ヨーロッパ諸国(特にイギリス)の海外進出と大西洋三角貿易について、及びアメリカの独立革命の経緯と意義・限界について、その特徴を理解し説明できる。
4thQ
9週 中間試験
10週 答案返却
フランス革命
旧体制を打倒したフランス革命の勃発から終焉までの過程について、その特徴を理解し説明できる。
11週 ナポレオンのヨーロッパ支配からウィーン体制へ ナポレオン戦争のヨーロッパ各地への影響と、ナポレオン没落後の反動的なウィーン体制について、その特徴を理解し説明できる。
12週 国民国家の成立及び大西洋を越えて広がる革命の波、産業革命 フランス革命後、国民国家の成立として現れる社会の変化、及びフランス革命の精神の中南米への波及によって起こるラテンアメリカ諸国の独立とアメリカの外交方針の転換、さらにイギリスから始まる産業革命と資本主義の成立について、その特徴を理解し説明できる。
13週 資本主義の発展と社会主義運動の発生及び
ナショナリズムの高揚
資本家が社会を主導する勢力となっていく過程や労働問題の発生と社会主義運動の勃興、及びフランスの二月革命後の「諸国民の春」という諸国で起こった革命や統一運動・独立運動を支えたナショナリズムの高揚について、理解し説明できる。
14週 「世界の工場」イギリス及びフランス第二帝政とイタリア・ドイツの統一 「世界の工場」と呼ばれたイギリスの世界進出と国際分業体制の確立、及びナポレオン3世によるフランスの第二帝政、サルデーニャ王国によるイタリア統一、鉄血宰相ビスマルクによるドイツ統一、オーストリア=ハンガリー帝国の成立について、その特徴を理解し説明できる。
15週 ロシアの改革と「東方問題」及びアメリカ南北戦争と戦後の発展 アレクサンドル2世のもとで行われたロシアの近代化を理解し、ロシアの南下政策で生じた「東方問題」へのヨーロッパ列強の介入、及びアメリカの南北戦争の過程とその後の第2次産業革命によって「世界の工場」となったアメリカの発展について、その特徴を理解し説明できる。
16週 オスマン帝国の弱体化、侵略に抵抗するイスラーム諸国、ムガル帝国の崩壊とインド大反乱 オスマン帝国内での独立運動と列強の干渉により帝国の解体過程と帝国内での改革の動き、及びイスラーム諸国の列強に対する抵抗運動と植民地化の過程、さらにイギリス領インド帝国の成立過程とインド人の抵抗運動について、その特徴を理解し説明できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学社会地理歴史的分野世界の資源、産業の分布や動向の概要を説明できる。3
民族、宗教、生活文化の多様性を理解し、異なる文化・社会が共存することの重要性について考察できる。3
近代化を遂げた欧米諸国が、19世紀に至るまでに、日本を含む世界を一体化していく過程について、その概要を説明できる。3
帝国主義諸国の抗争を経て二つの世界大戦に至る日本を含む世界の動向の概要を説明し、平和の意義について考察できる。3
工学基礎グローバリゼーション・異文化多文化理解グローバリゼーション・異文化多文化理解それぞれの国の文化や歴史に敬意を払い、その違いを受け入れる寛容さが必要であることを認識している。3
様々な国の生活習慣や宗教的信条、価値観などの基本的な事項について説明できる。3
異文化の事象を自分たちの文化と関連付けて解釈できる。3
それぞれの国や地域の経済的・社会的な発展に対して科学技術が果たすべき役割や技術者の責任ある行動について説明できる。2

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力8000008
専門的能力6400002084
分野横断的能力8000008