計算機工学I

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 2019
授業科目 計算機工学I
科目番号 TE1203 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 情報通信エレクトロニクス工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 浜辺 隆二「論理回路入門」森北出版
担当教員 石橋 孝昭

到達目標

①計算機内部の情報を2進数や16進数で表現・処理できる.
②論理値の概念を理解し,論理式の取り扱いができる.
③論理関数表現(簡単化を含む)とMIL記号による表現との相互変換ができる.
④組合せ回路の設計法を理解し,加算器や比較器などの具体的な回路を自在に設計できる.
⑤順序回路の設計法を理解し,状態遷移表・回路図による表現ができる.
⑥カウンタなどの具体的な順序回路を設計できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
ディジタルの概念 ・2進数 ・16進数 ・負数の表現 ・符号体系ディジタルとアナログの違いについてすべて説明できる. 2進数,16進数,負数の表現,符号体系についてすべて説明し,計算できる.ディジタルとアナログの違いについて説明できる. 2進数,16進数,負数の表現,符号体系について説明し,計算できる.ディジタルとアナログの違いについて説明できない. 2進数,16進数,負数の表現,符号体系について説明できず,計算できない.
正論理と負論理 ・各種論理ゲート ・ブール代数 ・ド・モルガンの定理正論理と負論理についてすべて説明できる. 各種論理ゲートについてすべて説明でき,ブール代数やド・モルガンの定理を用いて論理式を記述できる.正論理と負論理について説明できる. 各種論理ゲートについて説明でき,ブール代数やド・モルガンの定理を用いて論理式を記述できる.正論理と負論理について説明できない. 各種論理ゲートについて説明できず,ブール代数やド・モルガンの定理を用いて論理式を記述できない.
・真理値表 ・論理式 ・カルノー図 ・簡単化 ・エンコーダ等の代表的な組合わせ回路エンコーダ等の代表的な組み合わせ論理回路の機能についてすべて説明でき,真理値表,論理式、カルノー図,簡単化を用いた設計をすべてできる.エンコーダ等の代表的な組み合わせ論理回路の機能について説明でき,真理値表,論理式、カルノー図,簡単化を用いた設計をできる.エンコーダ等の代表的な組み合わせ論理回路の機能について説明できず,真理値表,論理式、カルノー図,簡単化を用いた設計ができない.
・フリップフロップ ・特性方程式 ・状態遷移表 ・代表的な順序回路JKフリップフロップ等の代表的なフリップフロップの動作についてすべて説明できる.カウンタ等の代表的な順序回路を,状態遷移表や特性方程式を用いてすべて設計できる.JKフリップフロップ等の代表的なフリップフロップの動作について説明できる.カウンタ等の代表的な順序回路を,状態遷移表や特性方程式を用いて設計できる.JKフリップフロップ等の代表的なフリップフロップの動作について説明できない.カウンタ等の代表的な順序回路を,状態遷移表や特性方程式を用いて設計できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
計算機のハードウェアに関する知識の入門として計算機内部で使用される論理回路を扱い,組合せ回路と順序回路の設計法および解読法を講義する.
評価は年4回の定期試験と実習点(講義中の課題,実験演習)で評価する.定期試験(80%),実習点(20%)を総合して目標達成とする.
授業の進め方・方法:
講義では,計算機内部における情報の表現法,論理演算,組合せ回路の設計法及び順序回路の設計法を具体的に解説する.更に、理解を深めるための手助けとして講義の間に演習を行う.
注意点:
授業時間数は90分×45とする。この科目では、レポート課題などで45時間の自学自習を課す。本科目は,電気電子・通信・情報・制御の基礎となる科目であり,ディジタル技術者・情報処理技術者の多くの資格試験に関連する科目である.質問は,講義中はもちろん,教員室,電子メールなどでも受け付ける.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 2進数・10進数・16進数 2進数・10進数・16進数を理解できる.
基数変換の計算ができる.
2週 NOT回路 NOT回路の動作を理解できる.
論理回路記号と真理値表を理解できる.
3週 AND回路 AND回路の動作を理解できる.
論理回路への入力回路を作製できる.
4週 OR回路 OR回路の動作を理解できる.
論理回路への出力回路を作製できる.
5週 XOR回路 XOR回路の動作を理解できる.
多入力のXOR回路の入出力関係を理解できる.
6週 NAND回路・NOR回路 NAND回路・NOR回路の動作を理解できる.
正論理と負論理を理解できる.
7週 組合せ回路の設計 組合せ回路を設計できる.
加法標準形と乗法標準形を理解できる.
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 実技試験 ロジックICを用いた電子回路の実装ができる.
10週 簡単化 ブール代数を用いて簡単化できる.
カルノー図を用いて簡単化できる.
11週 完全系 完全系を理解できる.
時間最適化と空間最適化を理解できる.
12週 冗長項を用いた簡単化 冗長項を用いて簡単化できる.
クワイン・マクラスキー法で簡単化できる.
13週 加算器 半加算器と全加算器を理解できる.
8ビット加算器を設計できる.
14週 減算器 補数を用いた2 進数の引き算を理解できる.
減算器を設計できる.
15週 前期定期試験
16週 実技試験 ロジックICを用いた電子回路の実装ができる.
後期
3rdQ
1週 比較器・コンパレータ 比較器を理解できる.
比較器を利用した回路を作製できる.
2週 エンコーダ・デコーダ エンコーダとデコーダの動作を理解できる.
エンコーダとデコーダを利用した回路を作製できる.
3週 マルチプレクサ・デマルチプレクサ マルチプレクサとデマルチプレクサを理解できる.
多重通信の回路を設計できる.
4週 フリップフロップ フリップフロップを理解できる.
フリップフロップを作製できる.
5週 特性方程式と応用方程式 特性方程式と応用方程式を理解できる.
特性方程式と応用方程式を用いてフリップフロップを作製できる.
6週 順序回路の設計 順序回路の設計ができる.
簡単な順序回路を作製できる.
7週 リング発振器 リング発振器を理解できる.
リング発振器を利用した回路を作製できる.
8週 後期中間試験
4thQ
9週 実技試験 ロジックICを用いた電子回路の実装ができる.
10週 レジスタ・シフトレジスタ・ジョンソンカウンタ レジスタ・シフトレジスタ・ジョンソンカウンタを理解できる.
レジスタ・シフトレジスタ・ジョンソンカウンタを利用した回路を作製できる.
11週 非同期式・同期式カウンタ 非同期式・同期式カウンタを理解できる.
非同期式・同期式カウンタを利用した回路を作製できる.
12週 分周器 分周器を理解できる.
分周器を利用した回路を作製できる.
13週 BCD カウンタ BCD カウンタを理解できる.
BCD カウンタを利用した回路を作製できる.
14週 7セグメントLEDデコーダ 7セグメントLEDデコーダを理解できる.
7セグメントLEDデコーダを利用した回路を作製できる.
15週 後期定期試験 ロジックICを用いた電子回路の実装ができる.
16週 実技試験 ロジックICを用いた電子回路の実装ができる.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。2前9,前16,後9,後16
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。2前9,前16,後9,後16
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。2前9,前16,後9,後16
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。2前9,前16,後9,後16
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。2前9,前16,後9,後16
情報リテラシー情報リテラシー論理演算と進数変換の仕組みを用いて基本的な演算ができる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7
専門的能力分野別の工学実験・実習能力電気・電子系分野【実験・実習能力】電気・電子系【実験実習】論理回路の動作について実験結果を考察できる。4前9,前16,後9,後16
ディジタルICの使用方法を習得する。4前9,前16,後9,後16

評価割合

筆記試験実技試験合計
総合評価割合8020100
基礎的能力601070
専門的能力201030