電気電子計測の基本事項について学習し,電気電子の計測器および計測法の原理や仕組みを理解し,説明することができる.具体的な目標は以下の通りである.
(1)測定方法の種類,誤差,単位について理解し,説明できる.
(2)代表的な電気計器の種類や動作原理について理解し,それを使った測定ができる.
(3)電圧・電流・抵抗の測定法を理解し,応用できる.
(4)電力・インピーダンスの測定法を理解し,測定ができる.
(5)波形計測,周波数の測定器の原理について理解し,測定ができる.
(6)磁気の測定法を理解し,測定ができる.
(7)計測の立場からエネルギーと環境問題について問題意識を持つ。
概要:
電気計測は電気技術者として、必要な基礎的計器について述べ、計測に関する基本的な知識及び測定器の構造・動作原理・使用法等について講義する。また、本講義は、3年から5年生の電子通信工学実験で取り扱う各種電気量の測定法またについても講義する。
授業の進め方・方法:
回路図・数式を用いた原理の説明のあと、演習・アクティブラーニングを用いて理解を深めるようにしたい。
注意点:
本教科は、電子通信工学実験Ⅰ,Ⅱ,Ⅲや卒業研究などで必要な実験に関する基本的な知識と技術を習得する科目であり,基礎からしっかり学習してほしい.また,本科目の学習内容は,無線従事者国家試験(第1,2級陸上無線技術士)の範囲である.
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
測定・測定の重要性、計測について授業する。 |
測定・測定の重要性、計測について理解できる。
|
2週 |
測定法・測定方式の種類について授業する。 |
測定法・測定方式の種類について理解できる。
|
3週 |
測定の誤差と補正について原因・統計処理・測定の精度について授業する。 |
測定の誤差と補正について原因・統計処理・測定の精度について理解できる。
|
4週 |
測定器の感度と分解能・近似誤差・誤差伝搬・有効数字について授業する。 |
測定器の感度と分解能・近似誤差・誤差伝搬・有効数字について理解できる。
|
5週 |
単位と基準・メートル条約について授業する。
|
単位と基準・メートル条約について理解できる。
|
6週 |
基本単位・組み立て単位・単位のトレーサビリティについて授業する。 |
基本単位・組み立て単位・単位のトレーサビリティについて理解できる。
|
7週 |
指示計器の分類・校正・誤差について授業する。 |
指示計器の分類・校正・誤差について理解できる。
|
8週 |
中間試験 |
前期中間までの内容を理解できる。
|
2ndQ |
9週 |
可動コイル計器の特徴・原理について授業する。 |
可動コイル計器の特徴・原理について授業する。
|
10週 |
可動鉄片・整流計器・熱電計器について授業する。 |
可動鉄片・整流計器・熱電計器について理解できる。
|
11週 |
電位差計について授業する。 |
電位差計について理解できる。
|
12週 |
標準電池・定電圧ダイオードなどの電圧標準器について授業する。 |
標準電池・定電圧ダイオードなどの電圧標準器について理解できる。
|
13週 |
抵抗器の種類・カラーコードについて授業する。 |
抵抗器の種類・カラーコードについて理解できる。
|
14週 |
抵抗の測定として抵抗計、ホィートストンブリッジについて授業する。 |
抵抗の測定として抵抗計、ホィートストンブリッジについて理解できる。
|
15週 |
低抵抗の測定・四端子抵抗器について授業する。 |
低抵抗の測定・四端子抵抗器について理解できる。
|
16週 |
定期試験 |
前期定期試験までの内容を理解できる。
|
後期 |
3rdQ |
1週 |
高抵抗の測定・漏れ電流と遮蔽、三端子抵抗測定法について授業する。 |
高抵抗の測定・漏れ電流と遮蔽、三端子抵抗測定法について理解できる。
|
2週 |
コイルと自己インダクタンス・相互インダクタンスについて授業する。 |
コイルと自己インダクタンス・相互インダクタンスについて理解できる。
|
3週 |
コンデンサと静電容量・静電正接について授業する。 |
コンデンサと静電容量・静電正接について理解できる。
|
4週 |
三端子コンデンサ・四端子コンデンサ静電遮蔽について授業する。 |
三端子コンデンサ・四端子コンデンサ静電遮蔽について理解できる。
|
5週 |
交流ブリッジについて授業する。 |
交流ブリッジについて理解できる。
|
6週 |
標準インダクタ・キャパシタについて授業する。 |
標準インダクタ・キャパシタについて理解できる。
|
7週 |
直流電力の測定について授業する。 |
直流電力の測定について理解できる。
|
8週 |
中間試験 |
後期中間試験までの内容を理解できる。
|
4thQ |
9週 |
三電流計法・三電圧計法について授業する。 |
三電流計法・三電圧計法について理解できる。
|
10週 |
電力量計について授業する。 |
電力量計について理解できる。
|
11週 |
周波数の標準、交流の発生について授業する。 |
周波数の標準、交流の発生について理解できる。
|
12週 |
波形・位相・スペクトル・ひずみの測定について授業する。 |
波形・位相・スペクトル・ひずみの測定について理解できる。
|
13週 |
磁界の測定について授業する。 |
磁界の測定について理解できる。
|
14週 |
電力の発電について授業する。 |
電力の発電について理解できる。
|
15週 |
エネルギーと環境問題について授業する。 |
エネルギーと環境問題について理解できる。
|
16週 |
定期試験 |
学年で学習した内容を理解できる。
|
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 電気回路 | 電荷と電流、電圧を説明できる。 | 2 | |
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。 | 2 | |
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。 | 2 | |
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。 | 2 | |
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。 | 2 | |
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。 | 2 | |
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。 | 2 | |
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。 | 2 | |
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。 | 2 | |
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。 | 2 | |
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。 | 2 | |
相互誘導を説明し、相互誘導回路の計算ができる。 | 2 | |
理想変成器を説明できる。 | 2 | |
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。 | 2 | |
RL直列回路やRC直列回路等の単エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。 | 2 | |
RLC直列回路等の複エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。 | 2 | |
電磁気 | 電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。 | 2 | |
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。 | 2 | |
ガウスの法則を説明でき、電界の計算に用いることができる。 | 1 | |
導体の性質を説明でき、導体表面の電荷密度や電界などを計算できる。 | 1 | |
誘電体と分極及び電束密度を説明できる。 | 1 | |
静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。 | 2 | |
コンデンサの直列接続、並列接続を説明し、その合成静電容量を計算できる。 | 2 | |
磁性体と磁化及び磁束密度を説明できる。 | 1 | |
電子回路 | ダイオードの特徴を説明できる。 | 2 | |
バイポーラトランジスタの特徴と等価回路を説明できる。 | 2 | |
FETの特徴と等価回路を説明できる。 | 2 | |
利得、周波数帯域、入力・出力インピーダンス等の増幅回路の基礎事項を説明できる。 | 2 | |
トランジスタ増幅器のバイアス供給方法を説明できる。 | 2 | |
演算増幅器の特性を説明できる。 | 2 | |
電子工学 | 電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。 | 2 | |
エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。 | 2 | |
金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。 | 2 | |
電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。 | 2 | |
電力 | 三相交流における電圧・電流(相電圧、線間電圧、線電流)を説明できる。 | 2 | |
電源および負荷のΔ-Y、Y-Δ変換ができる。 | 2 | |
対称三相回路の電圧・電流・電力の計算ができる。 | 2 | |
直流機の原理と構造を説明できる。 | 2 | |
電力システムの構成およびその構成要素について説明できる。 | 1 | |
交流および直流送配電方式について、それぞれの特徴を説明できる。 | 1 | |
計測 | 計測方法の分類(偏位法/零位法、直接測定/間接測定、アナログ計測/ディジタル計測)を説明できる。 | 4 | |
精度と誤差を理解し、有効数字・誤差の伝搬を考慮した計測値の処理が行える。 | 4 | |
SI単位系における基本単位と組立単位について説明できる。 | 4 | |
計測標準とトレーサビリティの関係について説明できる。 | 4 | |
指示計器について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法を説明できる。 | 4 | |
倍率器・分流器を用いた電圧・電流の測定範囲の拡大手法について説明できる。 | 4 | |
A/D変換を用いたディジタル計器の原理について説明できる。 | 4 | |
電圧降下法による抵抗測定の原理を説明できる。 | 4 | |
ブリッジ回路を用いたインピーダンスの測定原理を説明できる。 | 4 | |
有効電力、無効電力、力率の測定原理とその方法を説明できる。 | 4 | |
電力量の測定原理を説明できる。 | 4 | |
オシロスコープの動作原理を説明できる。 | 4 | |