電子計測

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 電子計測
科目番号 TE1303 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 情報通信エレクトロニクス工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 (1)「電気・電子計測」阿部武雄、村山実、森北出版 (2)「はじめての応用数学ーラプラス変換・フーリエ変換編ー」小坂敏文、吉本定伸、近代科学社 (3)その他適宜補足資料を配布
担当教員 入江 博樹

到達目標

(1)測定方法の種類、誤差、単位について説明できる。
(2)代表的な電気計器の種類や動作原理を説明できる。
(3)電圧・電流・電力の測定法について説明できる。
(4)インピーダンスの測定法を説明できる。
(5)オシロスコープの原理を説明できる。
(6)磁気の測定法について説明できる。
(7)ディジタル計測の原理を説明できる。
(8)フーリエ級数の計算ができ、スペクトル測定について説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
測定方法の種類、誤差、単位について説明できる。直接測定と間接測定、偏位法・零位法・置換法について相違点を説明的にきる。誤差の要因と有効数字について説明できる。SI単位系について説明できる。直接測定と間接測定、偏位法・零位法・置換法について区別できる。誤差の要因と有効数字、SI単位系についておおむね説明できる。直接測定と間接測定、偏位法・零位法・置換法、有効数字、SI単位系について用語を知っている。
代表的な電気計器の種類や動作原理を説明できる。可動コイル形計器、可動鉄片形計器、電流力形計器、熱電形計器、静電形計器、誘導形計器について、動作原理及び特徴を説明できる。可動コイル形計器、可動鉄片形計器、電流力形計器、熱電形計器、静電形計器、誘導形計器の要点を説明できる。可動コイル形計器、可動鉄片形計器、電流力形計器、熱電形計器、静電形計器、誘導形計器について用語を知っている。
電圧・電流・電力の測定法について説明できる。分流器、倍率器の原理を説明でき計算ができる。有効電力、無効電力、皮相電力、力率について説明できる。またそれらの測定について説明できる。分流器、倍率器の計算ができる。有効電力、無効電力、皮相電力、力率について要点を説明できる。分流器、倍率器、有効電力、無効電力、皮相電力、力率について用語を知っている。
インピーダンスの測定法を説明できる。電圧降下法、ホイートストンブリッジ、LCRメータについて原理を説明し、問題を解くことができる。電圧降下法、ホイートストンブリッジ、LCRメータについて要点を説明し、問題を解くことができる。電圧降下法、ホイートストンブリッジ、LCRメータについて用語を知っている。
オシロスコープの原理を説明できる。磁針による測定、ホール素子による測定、鉄損、核磁気共鳴について原理を説明できる。磁針による測定、ホール素子による測定、鉄損、核磁気共鳴について要点をできる。磁針による測定、ホール素子による測定、鉄損、核磁気共鳴について用語を知っている。
磁気の測定法について説明できる。標本化、量子化などディジタル化について説明できる。標本化定理について説明できる。ディジタル電圧計など、ディジタル計測器の原理について説明できる。標本化、量子化などディジタル化について要点を説明できる。標本化定理の式を知っている。ディジタル電圧計など、ディジタル計測器の原理について要点を説明できる。標本化、量子化、標本化定理などの用語を知っている。
ディジタル計測の原理を説明できる。時間波形の計測を理解し、アナログオシロスコープ及びディジタルオシロスコープの原理を説明できる。時間波形の計測を理解し、アナログオシロスコープ及びディジタルオシロスコープの要点を説明できる。アナログオシロスコープ及びディジタルオシロスコープの要素技術の用語を知っている。
フーリエ級数の計算ができ、スペクトル測定について説明できる。方形波および三角波の実フーリエ級数展開、及び、複素フーリエ級数展開ができる。また、振幅スペクトル及び位相スペクトルを求めることができる。方形波の実フーリエ級数展開、及び、複素フーリエ級数展開ができる。また、振幅スペクトルを求めることができる。方形波および三角波の実フーリエ級数展開のみ求めることができる。スペクトルに関する用語を知っている。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本教科は、電子通信工学実験や卒業研究などで必要な実験に関する計測の基本事項を学習するものであり、電気回路を扱うエンジニアとして不可欠の内容を含むので、基礎からしっかり学習してほしい。また,本科目の学習内容は,無線従事者国家試験(第1,2級陸上無線技術士)の範囲である。
授業の進め方・方法:
質問を受付けながら板書による説明と問題演習によって進める。適宜レポートを課す。
注意点:
電気回路学の基本事項を多く含むため、単に問題を解くために暗記するのではなく、内容を理解する必要がある。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 科目・評価法の説明、及び計測の基礎 測定法の分類と、平均値・分散について理解する。
2週 誤差の伝搬と丸め誤差 誤差の伝搬と丸め誤差について理解する。
3週 単位系と標準 単位系、トレーサビリティ、標準器について理解する。
4週 電気・電子計測の基礎1 指示計器の分類と可動コイル形計器、可動鉄片形計器、電流力計形計器、整流形計器、熱電形計器について理解する。
5週 電気・電子計測の基礎2 静電形計器、誘導形計器、及び、測定範囲の拡大方法について理解する。
6週 直流・低周波の測定 電圧・電流の測定について理解する。
7週 電力の測定 有効電力、無効電力、皮相電力、3相電力とその測定について理解する。
8週 問題演習 電力に関する問題演習
2ndQ
9週 中間試験() 前期の内容の確認
10週 中間試験の答案返却と復讐 中間試験までの内容の確認
11週 抵抗・インピーダンスの測定1 電圧降下法、ホイートストンブリッジ、ダブルブリッジについて理解する。
12週 抵抗・インピーダンスの測定2 交流ブリッジ、LCRメータ、Qメータについて理解する。
13週 問題演習 ブリッジに関する問題演習
14週 磁界の測定 磁界測定、ホール素子、核磁気共鳴について理解する。また、鉄損の測定について理解する。
15週 期末試験 期末試験
16週 期末試験の答案返却と前期のまとめ 期末試験の答案返却と前期のまとめ
後期
3rdQ
1週 周波数・位相の測定 周波数及び位相の測定法について理解する。
2週 ディジタル計器 AD変換の概要(標本化、量子化)と各ディジタル計器について理解する。
3週 波形の観測 オシロスコープについて理解する。
4週 応用計測1 雑音測定、電界計測、センサによる測定、ポテンショメータについて理解する。
5週 応用計測2 力の計測、温度計測、光強度計測について理解する。
6週 応用計測3 遠隔測定について理解する。
7週 中間試験 前期の内容の確認
8週 中間試験の答案返却と復讐 中間試験までの内容の確認
4thQ
9週 実フーリエ級数の公式 実フーリエ球数の公式の意味と使い方を理解する。
10週 実フーリエ級数の問題例 実フーリエ級数の簡単な問題の解き方を理解する
11週 複素フーリエ級数の公式 複素フーリエ級数の意味と公式の使い方を理解する。
12週 複素フーリエ級数の問題例 複素フーリエ級数の簡単な問題の解き方を理解する。
13週 振幅スペクトルと位相スペクトル スペクトルの概念、及び、位相について理解する。
14週 スペクトラムアナライザ スペクトラムアナライザについて理解する。また、歪計測について理解する。
15週 期末試験 期末試験
16週 期末試験の答案返却と後期のまとめ 期末試験の答案返却と後期のまとめ

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。3
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。3
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。3
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。3
電磁気磁界中の電流に作用する力を説明できる。3
ローレンツ力を説明できる。3
電磁誘導を説明でき、誘導起電力を計算できる。3
電子回路変調・復調回路の特性、動作原理を説明できる。2
電子工学金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。2
計測計測方法の分類(偏位法/零位法、直接測定/間接測定、アナログ計測/ディジタル計測)を説明できる。4
精度と誤差を理解し、有効数字・誤差の伝搬を考慮した計測値の処理が行える。4
SI単位系における基本単位と組立単位について説明できる。4
計測標準とトレーサビリティの関係について説明できる。4
指示計器について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法を説明できる。4
倍率器・分流器を用いた電圧・電流の測定範囲の拡大手法について説明できる。4
A/D変換を用いたディジタル計器の原理について説明できる。4
電圧降下法による抵抗測定の原理を説明できる。4
ブリッジ回路を用いたインピーダンスの測定原理を説明できる。4
有効電力、無効電力、力率の測定原理とその方法を説明できる。4
電力量の測定原理を説明できる。4
オシロスコープの動作原理を説明できる。4

評価割合

試験課題レポート小テスト合計
総合評価割合702010100
基礎的能力0000
専門的能力702010100
分野横断的能力0000