計算機工学II

科目基礎情報

学校	熊本高等専門学校	開講年度	令和03年度 (2021年度)
授業科目	計算機工学II
科目番号	TE1305	科目区分	専門 / 必修
授業形態	授業	単位の種別と単位数	履修単位: 2
開設学科	情報通信エレクトロニクス工学科	対象学年	3
開設期	通年	週時間数	2
教科書/教材	福田 和宏 著，電子部品ごとの制御を学べる! Arduino 電子工作 実践講座，ソーテック社
担当教員	葉山 清輝

到達目標

マイコンがどのように使われているかを理解し，基本的なデジタル入出力回路とアナログ入出力回路が説明できる．簡単なプログラムにより，デジタル，アナログの信号処理を行なうことができる．
タイマー割込み，外部割込みなど割り込みを使った処理の概念を理解し，簡単な処理プログラムが書ける．通信方法を理解し，マイコン間の通信を使ったプログラムを作成できる．

ルーブリック

	理想的な到達レベルの目安	標準的な到達レベルの目安	未到達レベルの目安
マイコンの基礎	マイコンがどのように使われているかを理解し，基本的なデジタル入出力回路とアナログ入出力回路が説明できる．プログラムにより，高度なデジタル，アナログの信号処理を行なうことができる．	マイコンがどのように使われているかを理解し，基本的なデジタル入出力回路とアナログ入出力回路が説明できる．簡単なプログラムにより，デジタル，アナログの信号処理を行なうことができる．	マイコンがどのように使われているかを理解していない．基本的なデジタル入出力回路とアナログ入出力回路が説明できない．デジタル，アナログの信号処理を行なうプログラムが作成できない．
各種電子部品の取り扱い	スイッチ，LEDなどを使った入出力回路を理解し，高度な処理プログラムが書ける．	スイッチ，LEDなどを使った入出力回路を理解し，簡単な処理プログラムが書ける．	スイッチ，LEDなどを使った入出力回路が理解できない．
各種センサの取り扱い	各種センサーを使った入出力回路を理解し，高度な処理プログラムが書ける．	各種センサーを使った入出力回路を理解し，簡単な処理プログラムが書ける．	各種センサーを使った入出力回路が理解できない．
マイコンの応用	タイマー割込み，外部割込みなど割り込みを使った処理の概念を理解し，高度な処理プログラムが書ける．複数の通信方法を理解し，用途に適した通信方式を使ったシステムを作ることができる．	タイマー割込み，外部割込みなど割り込みを使った処理の概念を理解し，簡単な処理プログラムが書ける．通信方法を理解し，マイコン間の通信を使ったプログラムを作成できる．	タイマー割込み，外部割込みなど割り込みを使った処理の概念が理解できない．マイコン間の通信を行なうプログラムが作成できない．

教育方法等

概要:

この科目の前期で市販の小規模な計算機であるマイコンを使った学習と演習を行う．各種センサを用いて具体的にマイコンによる入出力制御の学習を行う．

授業の進め方・方法:

実際にマイクロコンピュータ（マイコン）を用いた演習を主に学習を用い，「マイコンを使った簡単な信号の入出力とプログラミングができる」「マイコンを使って外部機器の制御ができる」ようになるよう授業を進める．後期後半にはマイコンを使った総合的な演習を行う．試験期毎に学習した内容について評価する．中間試験は課題により評価する場合がある．試験では基礎的問題から応用問題までを出題する．適宜課題を出し，レポートを提出させる．4回の試験期の評価平均を年間総合評価とする．

注意点:

規定授業時間数：60
マイコンとPCを使った演習が主なので、授業中に気を抜かないように説明をよく聞きながら受講するように．質問は授業中でも電子メール（[e-mail]）でも随時受け付ける．

授業の属性・履修上の区分

ICT 利用

授業計画

		週	授業内容	週ごとの到達目標
前期
	1stQ
		1週	ガイダンス	本授業の概要，学習の進め方，本科目の評価法などの全体的ガイダンスを行う．
		2週	Arduinoの準備	AVRマイコンを使った開発環境であるArduinoの環境構築ができる．
		3週	Arduinoのインターフェースと入出力（1）	Arduinoを使ったデジタル信号の入出力ができる．
		4週	Arduinoのインターフェースと入出力（2）	Arduinoを使ったアナログ信号の入出力ができる．
		5週	LED(発光ダイオード)（１）	LEDを使った出力ができる．
		6週	LED(発光ダイオード)（２）	マトリクスLEDを使った出力ができる．
		7週	スイッチ・ボタンとボリューム（１）	Arduinoでスイッチ・ボタンとボリュームによる入力を学ぶ．
		8週	スイッチ・ボタンとボリューム（２）	Arduinoでスイッチ・ボタンとボリュームによる入力ができる．
	2ndQ
		9週	中間試験
		10週	各種センサー（１）	Arduinoを使ったセンサー入力について学ぶ．
		11週	各種センサー（2）	Arduinoを使ったセンサー入力について学ぶ．
		12週	各種センサー（3）	Arduinoを使ったセンサー入力について学ぶ．
		13週	各種センサー（4）	Arduinoを使ったセンサー入力ができる．
		14週	復習（前期）
		15週	定期試験
		16週	答案返却
後期
	3rdQ
		1週	数字や文字などを表示するデバイスの制御（1）	数字や文字などを表示するデバイスの制御を学ぶ．
		2週	数字や文字などを表示するデバイスの制御（2）	数字や文字などを表示するデバイスの制御を学ぶ．
		3週	数字や文字などを表示するデバイスの制御（3）	数字や文字などを表示するデバイスの制御ができる
		4週	ブザー回路	ブザー回路について学び音声出力できる．
		5週	Arduinoによる通信と外部機器の制御（１）	Arduinoを使った外部機器の制御を学ぶ．
		6週	Arduinoによる通信と外部機器の制御（２）	Arduinoを使った外部機器の制御を学ぶ．
		7週	Arduinoによる通信と外部機器の制御（３）	Arduinoを使った外部機器の制御ができる．
		8週	中間試験
	4thQ
		9週	ArduinoによるWebアクセス（１）	ArduinoによるWebアクセスを学ぶ．
		10週	ArduinoによるWebアクセス（２）	ArduinoによるWebアクセスができる．
		11週	Arduinoによる演習（1）	ArduinoによるIoTやロボット制御について学ぶ．
		12週	Arduinoによる演習（２）	ArduinoによるIoTやロボット制御についてより深く学ぶ．
		13週	Arduinoによる演習（３）	ArduinoによるIoTやロボット制御を構築できる．
		14週	復習（後期）
		15週	定期試験
		16週	答案返却

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類		分野	学習内容	学習内容の到達目標	到達レベル	授業週
基礎的能力	工学基礎	情報リテラシー	情報リテラシー	情報を適切に収集・処理・発信するための基礎的な知識を活用できる。	3	前4
				論理演算と進数変換の仕組みを用いて基本的な演算ができる。	3	前4
				コンピュータのハードウェアに関する基礎的な知識を活用できる。	3	後13
専門的能力	分野別の専門工学	電気・電子系分野	計測	A/D変換を用いたディジタル計器の原理について説明できる。	3	前8
		情報系分野	計算機工学	整数・小数をコンピュータのメモリ上でディジタル表現する方法を説明できる。	2	後1
				基数が異なる数の間で相互に変換できる。	2	後1
				基本的な論理演算を行うことができる。	2	後2
				基本的な論理演算を組合わせて、論理関数を論理式として表現できる。	2	後2
				論理式の簡単化の概念を説明できる。	2	後2
				コンピュータを構成する基本的な要素の役割とこれらの間でのデータの流れを説明できる。	2	後4
				プロセッサを実現するために考案された主要な技術を説明できる。	2	後4
				入出力を実現するために考案された主要な技術を説明できる。	2	前3
	分野別の工学実験・実習能力	電気・電子系分野【実験・実習能力】	電気・電子系【実験実習】	論理回路の動作について実験結果を考察できる。	3	後13
				ディジタルICの使用方法を習得する。	3	後13

評価割合

	試験	課題	合計
総合評価割合	70	30	100
基礎的能力	35	15	50
専門的能力	35	15	50
分野横断的能力	0	0	0