応用数学I

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 応用数学I
科目番号 TE1401 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 情報通信エレクトロニクス工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 高遠節夫他「新微分積分II」「新微分積分II問題集」(大日本図書)/高遠節夫ほか「はじめて学ぶベクトル空間」(大日本図書)
担当教員 石田 明男

到達目標

1.偏微分…2変数関数、偏微分に関する基本概念を理解し、基本的な計算ができる。
2.2重積分…2重積分に関する基本概念を理解し、基本的な計算ができる。
3.変数の変換と重積分…極座標などの2変数関数の変数変換に関する基本概念を理解し、2重積分の変数変換や広義積分、曲面積などの基本的な計算ができる。
4.ベクトル空間…ベクトル空間に関する基本概念を理解し、基本的な計算や証明ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目12変数関数について理解し応用できる。 偏微分係数、偏導関数について理解し応用できる。 偏導関数を用いて、基本的な2変数関数の極値を求めることができる。 高次偏導関数について理解し応用できる。2変数関数の定義域を不等式やグラフで表すことができる。 偏微分係数、偏導関数の基本的な計算ができる。 合成関数の偏微分法を利用して、偏導関数を求めることができる。 高次偏導関数の基本的な計算ができる。 偏導関数を用いて、基本的な2変数関数の極値を求めることができる。2変数関数の定義域を不等式やグラフで表すことができない。 偏微分係数、偏導関数の基本的な計算ができない。 高次偏導関数の基本的な計算ができない。 基本的な2変数関数の極値を求めることができない。
評価項目22重積分について理解し応用できる。2重積分を累次積分に直して求めることができる。 2重積分を用いて、簡単な立体の体積を求めることができる。2重積分を累次積分に直して求めることができない。 2重積分を用いて、簡単な立体の体積を求めることができない。
評価項目3極座標変換や変数変換について理解し応用できる。極座標に変換することによって2重積分を求めることができる。 変数変換を用いて、簡単な立体の体積を求めることができる。極座標に変換することによって2重積分を求めることができない。 変数変換を用いて、簡単な立体の体積を求めることができない。
評価項目4数ベクトル空間や線形写像について理解し応用できる。数ベクトル空間や線形写像に関する基本的な計算や証明ができる。数ベクトル空間や線形写像に関する基本的な計算や証明ができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
3年次までに既習の内容、特に微分積分、線形代数の内容は理解していることを前提として、工学や自然科学の様々なところで応用されている数学の内容を学習する。
具体的には、偏微分、重積分、ベクトル空間を取り上げる。
授業の進め方・方法:
前回の内容の小テストを行い、その後、教科書の単元に従い、基本事項を解説し、問題演習を行う。
また、授業中に理解不足である部分は、家庭学習などの自学や授業担当者などに質問して次回の授業までに必ず理解しておくこと。
注意点:
本科目は2単位科目であり、規定授業時数は60時間である。
評価は、定期試験や授業中に実施する小テスト(80%)、授業レポート(20%)で行い、60%以上で目標達成とする。
なお、到達目標を達成できなかった学生に対しては、再学習を課し、その後、再度到達度を確認するための試験を実施することがある。
年間総合評価が60点に満たない場合は、再提出したレポートや再評価試験にて評価する。再評価でも60点に満たない場合は単位を認定しない。
本科目の到達度レベルは、標準的な学生が30時間の自学自習を要するものとする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 2変数関数と偏導関数 2変数関数の定義域について理解し、不等式やグラフで表すことができる。偏導関数について理解し、計算ができる。
2週 合成関数の微分法 合成関数の微分法について理解し、計算ができる。
3週 高次偏導関数 高次偏導関数について理解し、計算ができる。
4週 2変数関数の極大・極小 2変数関数の極大・極小について理解し、計算ができる。
5週 陰関数の微分法 陰関数の微分法について理解し、計算ができる。
6週 条件つき極値問題 条件つき極値問題について理解し、計算ができる。
7週 包絡線 包絡線について理解し、計算ができる。
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 答案返却
10週 2重積分の定義 2重積分の定義について理解し、計算ができる。
11週 2重積分の計算 2重積分の計算について理解し、計算ができる。
12週 積分順序の変更 積分順序の変更について理解し、計算ができる。
13週 極座標による2重積分 極座標による2重積分について理解し、計算ができる。
14週 変数変換 変数変換について理解し、計算ができる。
15週 前期定期試験
16週 答案返却
後期
3rdQ
1週 前期期末の復習 2重積分の復習を行う。
2週 広義積分 広義積分について理解し、計算ができる。
3週 曲面積の計算 曲面積の計算について理解し、計算ができる。
4週 平均と重心 平均と重心について理解し、計算ができる。
5週 ベクトル、行列の復習(1) ベクトル、行列の復習を行い、それぞれの演算ができる。
6週 ベクトル、行列の復習(2) ベクトル、行列の復習を行い、それぞれの演算ができる。
7週 後期中間の復習 2重積分についての復習を行い、基本的な計算ができる。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 答案返却
10週 数ベクトル空間と基底 数ベクトル空間と基底について理解し、ベクトルの組が数ベクトル空間の基底であることを証明できる。
11週 内積と正規直交基底 n次元のベクトルの内積を計算できる。
数ベクトル空間の正規直行基底が作ることができる。
12週 線形変換と線形写像 線形変換と線形写像の表現行列を求めることができる。
13週 部分空間 数ベクトル空間の部分空間について理解し、基底や次元を求めることができる。
14週 後期期末の復習 数ベクトル空間についての復習を行い、基本的な計算や証明ができる。
15週 後期定期試験
16週 答案返却

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。3後9
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。3後9
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。3後9
線形変換の定義を理解し、線形変換を表す行列を求めることができる。3後16
合成変換や逆変換を表す行列を求めることができる。3後16
平面内の回転に対応する線形変換を表す行列を求めることができる。3後16
2変数関数の定義域を理解し、不等式やグラフで表すことができる。3前8
合成関数の偏微分法を利用して、偏導関数を求めることができる。3前8
簡単な関数について、2次までの偏導関数を求めることができる。3前8
偏導関数を用いて、基本的な2変数関数の極値を求めることができる。3前8
2重積分の定義を理解し、簡単な2重積分を累次積分に直して求めることができる。3前16
極座標に変換することによって2重積分を求めることができる。3前16
2重積分を用いて、簡単な立体の体積を求めることができる。3前16

評価割合

試験、小テスト課題合計
総合評価割合8020100
基礎的能力8020100
専門的能力000
分野横断的能力000