電子通信工学実験II

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 電子通信工学実験II
科目番号 TE1410 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 情報通信エレクトロニクス工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材 電子通信工学実験Ⅱ
担当教員 芳野 裕樹,松田 豊稔,新谷 洋人,入江 博樹,大木 真

到達目標

専門科目の座学で得られた知識を実験に活用できる。技術者として必要な実験技術を学び、実践できる。PBL (Problem Based Learning) を通して創造的、協調的なものづくりができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
情報、通信、エレクトロニクスに関する基本的な理解情報、通信、エレクトロニクスに関する基本的な働きを完全に理解し、関連ソフトを正確に利用することができる。情報、通信、エレクトロニクスに関する基本的な働きを理解し、関連ソフトを利用することができる。情報、通信、エレクトロニクスに関する基本的な働きを理解できない。
実験方法の理解と機器の取り扱い実験の方法を完全に理解し、使用する測定機器を正確に取り扱うことができる。実験の方法を理解し、使用する測定機器を取り扱うことができる。実験の方法を理解できず、測定機器を扱うことができない。
与えられた課題を解決する能力与えられた課題を完全に解決し、それを応用、発展、改善することができる。与えられた課題を解決することができる。与えられた課題を解決することができない。
結果の処理、グラフの書き方、報告書のまとめ方結果の処理、グラフの書き方を完全に理解し、報告書として的確にまとめることができる。結果の処理、グラフの書き方を理解し、報告書としてまとめることができる。結果の処理、グラフの書き方を理解しておらず、報告書としてまとめることができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
電気・電子系分野の知識を講義と連動した実験・実習を通して理解するとともに、模範に沿って確実に実験を遂行し、データを整理し考察ができることを基本的な目的とする。
1.レポートをきちんと作れる能力を養う(吟味・考察,プレゼン) 
2.基本的な実験装置を取扱う能力を養う(選ぶことまで含めて・機材と測定法) 
3.基本的な理論を理解しながら測定する力を身につける。
授業の進め方・方法:
実験ノートのグラフ、計算、有効数値などをチェックするとともに、吟味・考察、まとめ、研究事項が適切に行われているかを評価する。PBLにおいては、仕様書と出来上がった作品を評価する一方、グループの構成員による相互評価も行う。また、PBL実験では発表会を行う。ローテーション実験はレポート100点、PBLでは仕様書および相互評価80点、プレゼンテーション20点とする。この科目の評価は、ローテーション実験 50%、PBL 50% で総合して評価する。60%以上の得点率で目標達成とみなす。レポートの提出期限に遅れたものは1週間につき20点減点する。
注意点:
電子回路学、電子工学、電気磁気学、プログラミング、計算機工学などで学習した理論を有機的に関連づけて実験を行い、問題解決能力を養うことが大切である。
授業時間数は120とする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 物理、化学、情報、工学についての基礎的原理や現象を、実験を通じて理解できる。
基礎的原理や現象を理解するための実験手法、実験手順、実験データ処理法等について理解する。
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の取扱いに慣れ、安全に実験を行うことができる。
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の進め方について理解し、実践できる。
実験テーマの内容を理解し、実験・測定結果の妥当性評価や考察等について論理的な説明ができる。
実験ノートの記述、及び実験レポートの作成の方法を理解し、実践できる。
2週 スペクトラムアナライザ
スペクトラムアナライザの動作原理を理解し、TV放送波の周波数スペクトル分布を測定することができる。
3週 オペアンプⅡ オペアンプ(Operational Amplifier,演算増幅器)を用いた簡単な応用回路(コンパレータ,ボルテージホロワ,積分回路)の実験ができ,オペアンプの用途を理解できる.
4週
低周波発振器
低周波発振器の原理を理解し説明できる。
5週 パルス回路 振幅操作回路やのこぎり波発生回路の動作原理を理解し説明できる。
6週 ホール効果  ホール素子に流れる電流,磁束密度およびホール電圧の関係(ホール効果)を説明できる.また,ホール効果の応用として,ホール素子を内蔵したホールICを用いてモータの回転数を計測できる.
7週 過渡現象 過渡現象の原理を理解し説明できる。
8週 AM変復調 AM変復調器の原理を説明でき、特性を測定できる。
2ndQ
9週 フィルタ フィルタのFETの動作原理を説明でき、特性を測定できる。
10週 ネットワークアナライザ ネットワークアナライザの動作原理を理解し、高周波回路の通過・反射電力の周波数特性を測定することができる。
11週 安定化電源 安定化電源の動作原理を説明でき、説明できる
12週 伝送線路 伝送線路における信号伝送の仕組みを説明でき、伝搬速度,特性インピーダンス、波長短縮率を測定できる。
13週 FM変復調
FM変復調器の原理を説明でき、特性を測定できる。
14週 PBL実験1 情報系/ネットワーク系関連事項についてのグループワークに取り組み、制作物の設計、製作、評価、および必要となる知識や情報の収集/調査を行うことができる。
15週 予備日
16週 予備日
後期
3rdQ
1週 PBL実験2 情報系/ネットワーク系関連事項についてのグループワークに取り組み、制作物の設計、製作、評価、および必要となる知識や情報の収集/調査を行うことができる。
2週 PBL実験3 情報系/ネットワーク系関連事項についてのグループワークに取り組み、制作物の設計、製作、評価、および必要となる知識や情報の収集/調査を行うことができる。
3週 PBL実験4 情報系/ネットワーク系関連事項についてのグループワークに取り組み、制作物の設計、製作、評価、および必要となる知識や情報の収集/調査を行うことができる。
4週 PBL実験5 情報系/ネットワーク系関連事項についてのグループワークに取り組み、制作物の設計、製作、評価、および必要となる知識や情報の収集/調査を行うことができる。
5週 PBL実験6 情報系/ネットワーク系関連事項についてのグループワークに取り組み、制作物の設計、製作、評価、および必要となる知識や情報の収集/調査を行うことができる。
6週 PBL実験7 情報系/ネットワーク系関連事項についてのグループワークに取り組み、制作物の設計、製作、評価、および必要となる知識や情報の収集/調査を行うことができる。
7週 PBL実験8 情報系/ネットワーク系関連事項についてのグループワークに取り組み、制作物の設計、製作、評価、および必要となる知識や情報の収集/調査を行うことができる。
8週 PBL実験発表会準備 情報系/ネットワーク系関連事項についてのグループワークに取り組み、制作物の設計、製作、評価、および必要となる知識や情報の収集/調査を行うことができる。
4thQ
9週 PBL実験発表会 PBL実験で行った内容をわかりやすくまとめ、発表できる。
10週 PBL実験9 エレクトロニクス系関連事項についてのグループワークに取り組み、制作物の設計、製作、評価、および必要となる知識や情報の収集/調査を行うことができる。
11週 PBL実験10 エレクトロニクス系関連事項についてのグループワークに取り組み、制作物の設計、製作、評価、および必要となる知識や情報の収集/調査を行うことができる。
12週 PBL実験11 エレクトロニクス系関連事項についてのグループワークに取り組み、制作物の設計、製作、評価、および必要となる知識や情報の収集/調査を行うことができる。
13週 PBL実験12 通信系関連事項についてのグループワークに取り組み、制作物の設計、製作、評価、および必要となる知識や情報の収集/調査を行うことができる。
14週 PBL実験13 通信系関連事項についてのグループワークに取り組み、制作物の設計、製作、評価、および必要となる知識や情報の収集/調査を行うことができる。
15週 PBL実験14 通信系関連事項についてのグループワークに取り組み、制作物の設計、製作、評価、および必要となる知識や情報の収集/調査を行うことができる。
16週 卒業研究発表会聴講 5年生の卒業研究発表会を聴講し、その研究内容を理解できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,後1
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3前16
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3前16
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3前16
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。4
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。4
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。4
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。4
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。4
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。4
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。4
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。4
瞬時値を用いて、交流回路の計算ができる。4
フェーザ表示を用いて、交流回路の計算ができる。4
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。4
RL直列回路やRC直列回路等の単エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。4
RLC直列回路等の複エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。4
電子回路変調・復調回路の特性、動作原理を説明できる。4
制御伝達関数を用いたシステムの入出力表現ができる。3
ブロック線図を用いてシステムを表現することができる。3
システムの過渡特性について、ステップ応答を用いて説明できる。3
システムの定常特性について、定常偏差を用いて説明できる。3
システムの周波数特性について、ボード線図を用いて説明できる。3
フィードバックシステムの安定判別法について説明できる。3
分野別の工学実験・実習能力電気・電子系分野【実験・実習能力】電気・電子系【実験実習】電圧・電流・電力などの電気諸量の測定が実践できる。4
抵抗・インピーダンスの測定が実践できる。4
オシロスコープを用いて実際の波形観測が実施できる。4
電気・電子系の実験を安全に行うための基本知識を習得する。4

評価割合

レポート発表合計
総合評価割合955100
ローテーション実験50050
PBL実験45550