情報工学理論

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 情報工学理論
科目番号 TE1411 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 情報通信エレクトロニクス工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 小川英一“マルチメディア時代の情報理論”コロナ社
担当教員 石橋 孝昭

到達目標

情報量の基礎を理解するとともに,符号や圧縮,誤り訂正などについて理解できる.また,身近な情報理論技術について理解できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
情報量自己情報量,相互情報量,エントロピーの全てを説明でき,これらを用いた計算が全てできる.自己情報量,相互情報量,エントロピーを説明でき,これらの基本的な計算ができる.自己情報量,相互情報量,エントロピーの説明ができず,これらを用いた計算ができない.
符号化情報源符号化,通信路符号化,伝送路符号化の全てを説明でき,これらを用いた符号化が全てできる.情報源符号化,通信路符号化,伝送路符号化を説明でき,これらの基本的な符号化ができる.情報源符号化,通信路符号化,伝送路符号化の説明ができず,これらを用いた符号化ができない.
誤り検出・訂正パリティ検査符号やハミング符号によるに誤り検出・訂正の全てを説明でき,これらを用いた実用的な符号化が全てできる.パリティ検査符号やハミング符号によるに誤り検出・訂正を説明でき,これらを用いた基本的な符号化ができる.パリティ検査符号やハミング符号によるに誤り検出・訂正を説明できず,これらを用いた符号化ができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
コンピュータやインターネットで利用されている情報理論について解説する.また,どのような分野でどのような技術を用いられているかについて,身近なディジタル機器や通信技術と関連させて解説する.
※実務との関係
この科目は電子通信機器の運用や修理を担当していた教員が、その経験を活かし、電子回路の設計手法や通信工学について講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
本授業内容は情報関連分野の多くの技術や理論に関連する科目である.四半期分の授業項目に関する自学学習用課題は放課後や家庭で行い,各定期試験前にそのレポートを提出するものとする.
注意点:
規定授業時数は30時間です.この科目では,1単位あたり30時間の自学自習が求められます.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 情報理論 情報理論の概要を理解できる.
2週 エンコーダ,デコーダ,パリティチェック エンコーダとデコーダとパリティチェックの回路を論理回路で設計できる.
3週 自己情報量とエントロピー 確率を用いて情報量を理解し,情報量の大きさとエントロピーを理解できる.
4週 情報源符号化 情報源符号化を理解し,固定長符号化や可変長符号化ができる.
5週 符号の条件と性質 符号の木などを用いて符号の条件や性質を調べることができる.
6週 ハフマン符号化と拡大情報源 ハフマン符号化や拡大情報源を理解し,平均符号長の短い符号化ができる.
7週 データの圧縮 データの圧縮方法を理解し,ファックスやテキストのデータ圧縮方法を理解できる.
8週 中間試験
2ndQ
9週 通信路符号化 通信路符号化の概要を理解できる.
10週 符号空間と誤り検出・訂正能力 符号空間を知り,符号間のハミング距離を用いて,誤り検出・訂正能力を計算できる.
11週 ハミング符号と巡回検査符号 ハミング符号と巡回検査符号の概要を知り,符号化の計算ができる.
12週 誤り検出回路と誤り訂正回路 誤り検出回路と誤り検出回路を論理回路で設計できる.
13週 伝送路符号化 伝送路符号化の概要を理解できる.
14週 ベースバンド信号とディジタル変調 ベースバンド信号とディジタル変調方式の概要と性質を理解できる.
15週 定期試験
16週 答案返却とまとめ 本科目の総括を行う.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。3
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。3
行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。2
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。2

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合8020100
基礎的能力501060
専門的能力301040