信号処理

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 信号処理
科目番号 TE1503 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 情報通信エレクトロニクス工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 森本義廣,村上純“基礎から応用までのラプラス変換・フーリエ解析”日新出版
担当教員 大田 一郎

到達目標

1.信号処理解析法の目的と手法の考え方を理解し,ディジタル信号をコンピュータ上で取り扱うことができる.
2.ラプラス変換やフーリエ変換を理解し,ディジタル信号を用いた処理演算ができる.
3.ディジタルフィルタを理解し,コンピュータプログラミング演習によって処理演算ができる.
4.音響信号処理,画像処理などに関する非線形信号処理の演算を理解できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
信号処理の概念信号の表現方法や関数の直交性を全て説明でき,これらを用いた計算とプログラミングが全てできる.信号の表現方法や関数の直交性を説明でき,これらを用いた基本的な計算とプログラミングができる.信号の表現方法や関数の直交性を説明できず,これらを用いた計算とプログラミングができない.
ラプラス変換とフーリエ変換ラプラス変換とフーリエ変換を全て説明でき,これらを用いた計算とプログラミングが全てできる.ラプラス変換とフーリエ変換を説明でき,これらを用いた基本的な計算とプログラミングができる.ラプラス変換とフーリエ変換を説明できず,これらを用いた計算とプログラミングができない.
ディジタルフィルタディジタルフィルタを全て説明でき,これらを用いた計算とプログラミングが全てできる.ディジタルフィルタを説明でき,これらを用いた基本的な計算とプログラミングができる.ディジタルフィルタを説明できず,これらを用いた計算とプログラミングができない.
非線形信号処理非線形信号処理を全て説明でき,これらを用いた計算とプログラミングが全てできる.非線形信号処理を説明でき,これらを用いた基本的な計算とプログラミングができる.非線形信号処理を説明できず,これらを用いた計算とプログラミングができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
自然界のアナログ情報を計算機で処理するために必要なディジタル信号処理の取扱法についてコンピュータ処理技術とともに解説する.はじめに,アナログ信号からディジタル信号に変換するときの注意点を述べ,離散フーリエ変換などはコンピュータを用いたディジタル処理法などの演習を交えて学習し,その数学的意味,物理的意味を講義する.また入出力信号を解析する伝達関数について述べ,音声処理や画像処理の設計技術について理解する.
授業の進め方・方法:
本授業内容はディジタル技術者・情報処理技術者の多くの資格試験に関連する科目である.ディジタル信号処理を道具として十分使いこなせるように,コンピュータを利用した実習も実施する.四半期分の授業項目に関する自学学習用課題は放課後や家庭で行い,各定期試験前にそのレポートを提出するものとする.
注意点:
90分の授業に対して放課後・家庭で90分程度の自学自習が求められます.
年間総合評価が60点に満たない場合は,再提出したレポートや再評価試験にて評価します.再評価でも60点に満たない場合は単位を認定できません.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 信号処理の概念 各種信号の表現方法を理解できる.
2週 自己相関と相互相関 統計量を知り,相関を理解できる.
3週 自己相関と相互相関の演習 自己相関と相互相関の計算をコンピュータで実現できる.
4週 ラプラス変換 ラプラス変換の概念と性質を理解できる.
5週 ラプラス変換の計算演習 ラプラス変換の計算ができる.
6週 ラプラス変換の応用 過渡現象を含めた電気回路の特性をラプラス変換で求めることができる.
7週 ラプラス変換の応用演習 過渡現象を含めた電気回路の特性をラプラス変換で求めることができる.
8週 中間試験
2ndQ
9週 関数の直交性 三角関数の直交性を理解し証明できる.
10週 フーリエ級数展開 フーリエ級数展開の概念と性質を理解できる.
11週 フーリエ級数展開の計算演習 フーリエ級数展開の計算ができる.
12週 フーリエ級数展開による波形作成演習 フーリエ級数展開を用いてコンピュータで信号を作成できる.
13週 複素フーリエ級数展開 複素フーリエ級数展開の概念と性質を理解できる.
14週 複素フーリエ級数展開の計算演習 複素フーリエ級数展開の基本的な計算ができる.
15週 前期定期試験
16週 答案返却とまとめ これまでの総括を行う.
後期
3rdQ
1週 フーリエ変換 フーリエ変換の概念と性質を理解できる.
2週 フーリエ変換の計算演習 フーリエ変換の計算ができる.
3週 離散フーリエ変換とZ変換・標本化定理 離散フーリエ変換とZ変換・標本化定理の概念と性質を理解できる.
4週 離散フーリエ変換とZ変換の計算演習 離散フーリエ変換とZ変換の基本的な計算ができる.
5週 離散フーリエ変換とZ変換による解析演習 離散フーリエ変換とZ変換を用いてコンピュータで信号を解析できる.
6週 各種スペクトルの解析演習 振幅・位相・パワースペクトルを周波数を明確にしてコンピュータで解析できる.
7週 畳み込み積分 畳み込み積分の概念と特徴を理解できる.
8週 中間試験
4thQ
9週 窓関数 窓関数の概念と特徴を理解できる.
10週 窓関数の演習 窓関数の効果についてコンピュータで確認する.
11週 時間領域と周波数領域のフィルタ フィルタの概念と特徴を理解できる.
12週 フィルタの演習 フィルタの作成方法と特徴についてコンピュータで確認する.
13週 非線形信号処理 非線形信号処理の概念と特徴を理解できる.
14週 制御理論 制御理論と信号を用いて制御する方法を理解できる.
15週 後期定期試験
16週 答案返却とまとめ 本科目の総括を行う.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野制御伝達関数を用いたシステムの入出力表現ができる。4前6,前7,後14
ブロック線図を用いてシステムを表現することができる。4前6,前7,後14
システムの過渡特性について、ステップ応答を用いて説明できる。4前6,前7,後14
システムの定常特性について、定常偏差を用いて説明できる。4後14
システムの周波数特性について、ボード線図を用いて説明できる。4後2,後14
フィードバックシステムの安定判別法について説明できる。4後14

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合8020100
基礎的能力501060
専門的能力301040