ネットワーク工学

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 ネットワーク工学
科目番号 TE1504 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 情報通信エレクトロニクス工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 三輪 賢一,[改訂4版]TCP/IPネットワーク ステップアップラーニング,技術評論社/K-SEC高学年共通教材
担当教員 永田 和生

到達目標

1. LANの基礎について理解し説明できる。
2. インターネットの基礎について理解し説明できる。
3. TCP/IPの仕組みと動作原理について理解し説明できる。
4. 無線LANとそれに関わるセキュリティ技術について理解し説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1LANの基礎と動作原理、OSI参照モデル、基礎的な用語を用いてわかりやすく論理的に説明することができる。 LANの基礎と基本的な用語および動作原理、OSI参照モデル、インターネットの基本的な用語について、概略を端的に説明できる。 LANの基礎と基本的な用語および動作原理、インターネットの基本的な用語について、概略を説明できない。
評価項目2LANからインターネットへの発展、IPv4のアドレス体系、TCP/IPの基本的な通信手順について、基礎的な用語を用いてわかりやすく論理的に説明することができる。 インターネットの基本的な通信手順や用語について、概略を端的に説明できる。 インターネットの基本的な通信手順や用語について、概略を説明できない。
評価項目3TCPおよびUDPの通信手順、パケット構造、ルーティングの動作原理、アプリケーションでのTCP/IP通信の実際について、基礎的な用語を用いてわかりやすく論理的に説明することができる。 TCPおよびUDPの通信手順、パケット構造、ルーティングの動作原理、アプリケーションでのTCP/IP通信の実際について、概略を端的に説明できる。 TCPおよびUDPの通信手順、パケット構造、ルーティングの動作原理、アプリケーションでのTCP/IP通信の実際について、概略を説明できない。
評価項目4"無線LANの基礎と動作原理についてわかりやすく論理的に説明することができる。 インターネットを利用する上で注意すべきセキュリティ事項についてわかりやすく説明できる。" "無線LANの基礎と動作原理について概略を端的に説明できる。 インターネットを利用する上で注意すべきセキュリティ事項について概略を端的に説明できる。" "無線LANの基礎と動作原理について概略を説明できない。 インターネットを利用する上で注意すべきセキュリティ事項について概略を説明できない。"

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
LAN(Local Area Network)の基礎から、インターネットでの通信の仕組みについて学習し、実際にインターネットの一部となるネットワークを構成できる知識と能力を身に付ける。

※実務との関係
この科目は企業でネットワーク管理者を担当していた教員が、その経験を活かし、TCP/IPによるネットワークの設計手法等について講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
講義と演習を組み合わせて行う。講義中、学習のための道具としてスマートフォンやタブレット端末、ノートパソコンなどを活用することを推奨する。
比較的読みやすい教科書になっているので、講義前日までに予習していることを前提として講義を実施する。講義中に板書した内容は、すべてWebClassから閲覧できるようにする。講義時間中はメモを取りながら「聞く」ことと「理解する」ことに集中してほしい。
注意点:
本科目は情報通信エレクトロニクス工学科の情報通信系専門科目にあり、4年次の「ウェブコミュニケーション」での学習内容と関連がある。卒業研究(情報通信系テーマ)に取り組むための基礎となる科目である。
わからないことがあれば遠慮なく質問してほしい。手段は教員室来訪の他、電子メール、Facebook、Twitterなどの宛先を通知するので、いずれを用いても構わない。放課後はパソコン室を開放しているので、自主的に演習を行ってほしい。

本科目では、年間30時間の放課後・家庭での自学自習が課せられます。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス、インターネットの基礎(1) 「インターネットとは何か?」を説明できる。
2週 インターネットの基礎(2) インターネットの歴史、成り立ちについて説明できる。
3週 インターネットの基礎(3) インターネットの基礎的な用語について説明できる。
MACアドレスの各部の意味を説明できる。
4週 RFC、OSI参照モデル
RFCの流れについて説明できる。
OSI参照モデルの必要性と意義について説明できる。
5週 OSI参照モデル:物理層 OSI参照モデルの物理層で定義されている事項と、代表的な装置について説明できる。
6週 OSI参照モデル:データリンク層 OSI参照モデルのデータリンク層で定義されている事項と、代表的な装置について説明できる。
7週 OSI参照モデル:ネットワーク層 OSI参照モデルのネットワーク層で定義されている事項と、代表的な装置について説明できる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 OSI参照モデル:ネットワーク層、プレゼンテーション層、アプリケーション層 OSI参照モデルの左記の層で定義されている事項と働きについて説明できる。
10週 イーサネット規格:ケーブル、ネットワークトポロジ イーサネットで使用されるケーブルについて、コネクタや内部構造を説明できる。
ネットワークトポロジの概念について説明できる。各種ネットワークトポロジの名称と特徴を説明できる。「冗長化」という言葉の意味を説明できる。
11週 イーサネット規格:LANとCSMA/CD イーサネットによるLANの概念を説明できる。
CSMA/CDによるメディア共有通信の原理について説明できる。
イーサネットフレームの構成について説明できる。
12週 無線LAN(1) 下記の事項について理解し、説明できる。
・無線LANのモード ・無線LANの規格
13週 無線LAN(2) 下記の事項について理解し、説明できる。
・無線LANの通信範囲と速度 ・無線LANにおける干渉 ・無線LANのセキュリティ
14週 前期中間試験以降の項目についての総まとめ 前期中間試験以降の項目についての問題を解くことができる。
15週 定期試験
16週 定期試験答案返却
後期
3rdQ
1週 IP(Internet Protocol) (1) IPv4アドレスとクラスについて説明できる。
2週 IP(Internet Protocol) (2) IPv4におけるサブネットについて説明できる。
特別なIPv4アドレス(ネットワークアドレス、ブロードキャストアドレスなど)について説明できる。
IPv4アドレスについて説明できる。
3週 IP(Internet Protocol) (3) ルータを用いたサブネットを超えた通信の手順について説明できる。
ARPについて説明できる。
4週 IP(Internet Protocol) (4)
DHCPの動作原理について説明できる。
5週 IP(Internet Protocol) (5) IPv4におけるデータの流れとカプセル化について説明できる。
IPヘッダの各フィールドの働きを説明できる。
6週 TCP(Transmission Control Protocol) (1) TCPとUDPの違いについて簡単に説明できる。
TCPにおける「信頼できる通信」の確保方法の概要について説明できる。
データリンク層の規格からTCPのMSSを求めることができる。
7週 TCP(Transmission Control Protocol) (2) TCPヘッダの各フィールドの働きを知り、説明できる。
TCPにおけるポート番号について説明できる。
TCPにおける3ウェイハンドシェイクや再送制御について説明できる。
8週 中間試験
4thQ
9週 TCP(Transmission Control Protocol) (3) TCPによる再送処理、順序制御について説明できる。
TCPにおけるウィンドウ制御や輻輳制御について説明できる。
10週 UDP(User Datagram Protocol)
ルーティング(1)
UDPの原理と利用範囲について説明できる。
ルーティングの必要性と仕組みについて説明できる。
11週 ルーティング(2) ルーティングの動作原理について説明できる。
12週 インターネットの仕組み サーバクライアントモデルについて説明できる。
サーバのOSやリソースについて説明できる。
ドメインの原理とDNSの仕組みについて説明できる。
13週 ネットワークセキュリティ(1) 下記の事項について理解し、説明できる。
・情報セキュリティの基礎
・ネットワークによるセキュリティ対策
14週 ネットワークセキュリティ(2) 下記の事項について理解し、説明できる。
・脅威の種類と対策
・基本的なネットワーク管理ツール/コマンド
15週 定期試験
16週 答案返却

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎情報リテラシー情報リテラシー情報を適切に収集・処理・発信するための基礎的な知識を活用できる。3前1
コンピュータのハードウェアに関する基礎的な知識を活用できる。3前4
情報伝達システムやインターネットの基本的な仕組みを把握している。3前2,前3
情報セキュリティの必要性および守るべき情報を認識している。3後13,後14
個人情報とプライバシー保護の考え方についての基本的な配慮ができる。3後13,後14
インターネット(SNSを含む)やコンピュータの利用における様々な脅威を認識している3後13,後14
インターネット(SNSを含む)やコンピュータの利用における様々な脅威に対して実践すべき対策を説明できる。3後13,後14

評価割合

試験小テストレポート合計
総合評価割合70300100
基礎的能力0000
専門的能力70300100
分野横断的能力0000