電子通信工学実験III

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 電子通信工学実験III
科目番号 TE1506 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 情報通信エレクトロニクス工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材 令和04年度 電子通信工学実験Ⅲ
担当教員 角田 功,西山 英治,永田 和生,高倉 健一郎,入江 博樹

到達目標

1.実験を通じて,情報通信,電子回路,電子工学に関する基本的な働きを理解し,関連ソフトを利用することができる.
2.実験の基本的な方法を理解し,使用する測定機器の取り扱いや実験技術を身に付けることができる.
3.与えられた課題について,一定の制約条件下で目的を達成するデザイン能力を身に付けることができる.
4.測定データの処理,グラフの書き方を理解し,報告書としてまとめることができる.

ルーブリック

評価項目理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1情報通信,電子回路,電子工学に関する基本的な働きの理解と関連ソフトの利用実験を通じて,情報通信,電子回路,電子工学に関する基本的な働きを完全に理解し,関連ソフトを正確に利用することができる.実験を通じて,情報通信,電子回路,電子工学に関する基本的な働きを理解し,関連ソフトを利用することができる.実験を通じて,情報通信,電子回路,電子工学に関する基本的な働きを理解することが難しく,関連ソフトを殆ど利用することができない.
評価項目2実験の基本的な方法の理解と測定機器の取り扱い実験の基本的な方法を完全に理解し,使用する測定機器を正確に取り扱うことができる.実験の基本的な方法を理解し,使用する測定機器を取り扱うことができる.実験の基本的な方法を理解することが難しく,使用する測定機器を取り扱うことができない.
評価項目3与えられた課題について,一定の制約条件下で目的を達成するデザイン能力与えられた課題について,一定の制約条件下で目的を達成するデザイン能力を完全に身に付けている.与えられた課題について,一定の制約条件下で目的を達成するデザイン能力を身に付けている.与えられた課題について,一定の制約条件下で目的を達成するデザイン能力を身に付けることができない.
評価項目4 測定データの処理,グラフの書き方,および報告書のまとめ方 測定データの処理,グラフの書き方を完全に理解し,報告書として的確にまとめることができる. 測定データの処理,グラフの書き方を理解し,報告書としてまとめることができる. 測定データの処理,グラフの書き方を理解することが難しく,報告書としてまとめることができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
3年次,4年次の実験に引き続き実施するもので,より高度で複雑な実験や演習を行い,授業で学習した理論の裏付け,具体的な事象からの法則の推論,理論と実際とのギャップの認識など,実践的技術を修得する.

※実務との関係 この科目は企業で電子通信機器、ネットワーク管理、半導体プロセスを担当していた教員が、その経験を活かし、実験形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
合計17項目の実験を行う.内12項目の実験は班に分けてローテーションで実験を行う.あとの5項目の回路設計の実験やソフト関連の演習は一斉に行う.
注意点:
レポートのグラフ,計算,有効数値などをチェックするとともに,各実験項目の評価シートに基づいて,吟味・考察,まとめ,研究事項が適切に行われているかを評価する.60%以上の得点率で目標達成とみなす.なお,実験レポートの提出期限は実験の翌週日の8:40までとする.但し,翌週が休日の場合は次の登校日とし,試験期間と長期休業期間は除くものとする.各実験項目について,評価シートに従い評価する.レポート点と技術習得点の100点満点で評価する.レポート点は,提出遅れ1週間-20点,その後は1週間ごとに-10点が追加,最低点0点となるので注意すること.
情報通信,電子回路,電子工学,電気磁気学,プログラミング,計算機工学などで学習した理論を有機的に関連づけて実験を行い,問題解決能力を養うことが大切である.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス1 年間計画と各ローテーションの内容,安全管理マニュアル,およびレポートの提出方法を理解できる.また,CGに関する実験およびディジタルアンプの設計・製作の概要を理解できる.
2週 CGに関する実験1 3次元空間を表現するCG制作アプリケーションの取り扱いができる.
3週 CGに関する実験2 基本課題の3DCGのモデリングができる.テキストで指示された4つの基本課題(球,ワイングラス,キューブ,椅子)を完成できる.
4週 CGに関する実験3 各自が掲げた作品のテーマに対する自由課題をCG作品として表現できる.
5週 CGに関する実験4 各自が掲げた作品のテーマに対する自由課題をCG作品として表現できる.
6週 CGに関する実験5 学生間の相互評価のために,制作したCG作品をPC上に展示することができる.
7週 ディジタルアンプの設計・製作1 ディジタルアンプの機能と構成を理解し,与えられた仕様で回路を設計できる.
8週 ディジタルアンプの設計・製作2 設計した回路をCircuit Makerでシミュレーションすることができる.
2ndQ
9週 ディジタルアンプの設計・製作3 ブレッドボードを用いて設計した回路の試作ができる.
10週 ディジタルアンプの設計・製作4 試作回路の諸特性を実験により測定できる.実験結果とシミュレーション結果を比較して考察することができる.
11週 ガイダンス2 課題レポートⅠ、Ⅱの概要、ローテーション実験Aの概要を理解し説明できる.
12週 課題レポート作成Ⅰ 技術文章に関する基本事項,適切な文章,記号の使い方などを理解して,wordで正しく文書作成ができる.また,技術文章に用いる表やグラフ,記号の使い方などを理解して,Excelで正しく図表の作成ができる.
13週 課題レポート作成Ⅰ 技術文章に関する基本事項,適切な文章,記号の使い方などを理解して,wordで正しく文書作成ができる.また,技術文章に用いる表やグラフ,記号の使い方などを理解して,Excelで正しく図表の作成ができる.
14週 課題レポート作成Ⅱ(1) レポート・論文作成にかかわる思考スキルについて学び,理解して,レポート・論文作成のプロセスとこれにかかわる思考スキルを挙げることができる.
15週 マイクロ波回路(ローテーション実験A) 集中定数化受動回路コンポーネントの設計・シミュレーションを通じて,マイクロ波回路の具体的な動作について理解できる.
16週
後期
3rdQ
1週 LANに関する実験(ローテーション実験A) LANを構築し,転送速度測定などの実験を行うことができる.
2週 シーケンス制御(ローテーション実験A) モーターの制御など簡単な実験を行ってシーケンス制御の概念,基礎的手法を理解し,説明できる.
3週 アンテナの特性測定(ローテーション実験A) アンテナの特性測定に関する実験を行うことができる.
4週 フィードバック制御(ローテーション実験A) プロセス制御について学ぶ.特に,ON/OFF制御,PID制御について,実験を通して理解でき説明できる.
5週 電子デバイスの製作(ローテーション実験A) 電子デバイス製造プロセス(前工程)の実験ができる.
6週 電子デバイスの評価(ローテーション実験A) 電子デバイスの評価に関する実験が行える.
7週 課題レポート作成Ⅱ(2)(ローテーション実験A) 課題レポート作成Ⅰならびに課題レポート作成Ⅱ第1週で習得したレポート作成スキルを実践的に活用して,与えられたテーマについての実験計画を策定した上でその指示書を作成することができる.
8週 ガイダンス3 ローテーション実験Bの概要を理解し説明できる.
4thQ
9週 光通信 E/O変換器-光ファイバ-O/E変換機などを総合した光通信特性測定を行うことができ,E/O変換器の伝送帯域特性,伝送速度の概念を理解できる.
10週 AD/DA変換器 A-D変換器のエンコーダを設計して,ロジックトレーナで配線できる.D-A変換器のラダー回路と増幅器を設計して配線できる.A-D変換器とD-A変換器を接続した実験の観察波形がなぜそうなるか説明できる.
11週 CDMAに関する実験 携帯電話などで利用されるCDMA通信方式について,その構成要素をシミュレータで再現できる.
12週 光工学の基礎 回折格子を使って回折像や光のスペクトルを観察し,分光高度計を用いてコヒーレント光とインコヒーレント光の違いが理解できる.
13週 1年間の統括 1年間に実施した実験について振り返り,実験方法や結果の概略について説明できる.
14週 統括・予備日 1年間の統括、あるいは緊急事態宣言や災害などによって発生した休講の予備日とする.
15週 統括・予備日 1年間の統括、あるいは緊急事態宣言や災害などによって発生した休講の予備日とする.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前10,前11,前12,前13,前14,前16,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13,後14
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前10,前11,前12,前13,前14,前16,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13,後14
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前10,前11,前12,前13,前14,前16,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13,後14
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前10,前11,前12,前13,前14,前16,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13,後14
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前10,前11,前12,前13,前14,前16,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13,後14
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野制御伝達関数を用いたシステムの入出力表現ができる。4後7
ブロック線図を用いてシステムを表現することができる。4後7
システムの過渡特性について、ステップ応答を用いて説明できる。4後7
システムの定常特性について、定常偏差を用いて説明できる。4後7
システムの周波数特性について、ボード線図を用いて説明できる。4後7
フィードバックシステムの安定判別法について説明できる。4後7
分野横断的能力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前10,前11,前12,前13,前14,前16,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13,後14
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前10,前11,前12,前13,前14,前16,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13,後14

評価割合

実験レポート合計
総合評価割合4060100
基礎的能力102030
専門的能力152035
分野横断的能力152035