電子材料

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 電子材料
科目番号 TE1512 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 情報通信エレクトロニクス工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 澤岡昭著/電子・光材料/森北出版株式会社
担当教員 高倉 健一郎

到達目標

電子材料の性質を理解するために必要な知識である、結晶構造や原子の結合力などについて説明できる。
電子材料の中で、磁性体材料の概略を定性的に説明できる。
それぞれの性質を利用した電子材料の実用例をあげることができる。
新しく開発されている電子材料について各自調査し、材料のどのような特長が利用されているのかを説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
材料の構造様々な材料を作っている原子の配列、結晶構造、物性について図を用いて説明できるとともに、結晶構造を原子配列によって分類できる。様々な材料を作っている原子の配列、結晶構造、物性について図を用いて説明できる。原子の配列、結晶構造、物性が説明できない。
電子材料電子材料の性質、原理を図を用いて定性的に説明できるとともに、各種材料を用いた素子の動作原理説明できる。様々な電子材料の性質を図を用いて定性的に説明できる。様々な電子材料の性質が説明できない。
光材料光材料の性質、原理を図を用いて定性的に説明できるとともに、各種材料を用いた素子の動作原理説明できる。様々な光材料の性質を図を用いて定性的に説明できる。様々な光材料の性質が説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
電子材料の性質を理解するために必要な知識である、結晶構造や原子の結合力などについて学習する。また、電子材料の中で、磁性体材料の概略を定性的に説明する。それぞれの性質を利用した電子材料の実用例を紹介する。また、新しく開発されている電子材料について各自調査し、材料のどのような特長が利用されているのかを理解する。
授業の進め方・方法:
・磁性体、誘電体及び半導体材料など電子材料の基本的性質を理解する。
・各々の材料の性質を定性的に説明できる。
・材料の性質を背景にして、様々な電子材料が各種素子に利用されていることを理解する。
注意点:
物質の性質を理解し、応用分野を見出すためには、多くの物理現象を知っておく必要がある。覚えることが中心の作業になってしまいがちであるが、物質(物事)を多方面から眺めることができる力を身につけてほしい。本科目は、これまで電子工学で学んできた各素子が材料の種類及び性質を理解することが重要であり、電気磁気学や化学、電子工学などの科目を十分に理解している必要がある。また、半期ごとに電子材料について各自調査し、報告・提出することとする。
規定授業時間数:60
30時間の授業+15時間の自学自習をもって1単位とします。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 結晶構造と化学結合(1) 固体材料の基礎となる、結晶の分類及び結晶欠陥について説明できる。
固体の結合力を化学結合の観点から説明できる。
結晶構造を原子配列により分類でき、電子軌道への電子占有状態を説明できる。
2週 結晶構造と化学結合(2) 同上
3週 導電材料と絶縁材料(1) 電子回路や部品に使用される導電材料、抵抗材料について説明できる。具体的な材料・特徴をあげることができる。
4週 導電材料と絶縁材料(2) 同上
5週 誘電材料(1) 誘電分極現象が起こる原因を説明できる。
圧電効果が発現する現象を誘電分極により説明できる。また、その材料例と特徴を挙げられる。
具体的な材料・特徴をあげることができる。
6週 誘電材料(2) 同上
7週 発表(1) 特定の電子材料について、材料の特徴や利用例などを調査し、集約した情報をまとめ、公表することができる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 圧電材料と電歪材料(1) 圧電効果が発現する現象を誘電分極により説明できる。また、その材料例と特徴を挙げられる。
具体的な材料・特徴をあげることができる。
10週 圧電材料と電歪材料(2) 同上
11週 磁気材料(1) 磁性材料の特長と作製方法を説明できる。
具体的な材料・特徴をあげることができる。
12週 磁気材料(2) 同上
13週 磁気記録材料(1)
様々な磁性素子の動作を利用されている磁性材料の性質をもとに説明できる。
具体的な材料・特徴をあげることができる。
14週 磁気記録材料(2) 同上
15週 発表(2) 特定の電子材料について、材料の特徴や利用例などを調査し、集約した情報をまとめ、公表することができる。
16週 定期試験答案返却
後期
3rdQ
1週 半導体素子(1) 半導体素子の基本動作を説明することができる。
具体的な材料・特徴をあげることができる。
2週 半導体素子(2) 同上
3週 半導体素子の製造(1) 半導体材料ならびに素子の製造方法を、説明することができる。
4週 半導体素子の製造(2) 同上
5週 光材料(1) 発光ダイオード、光ファイバ、など光を利用した素子の概要を説明することができる。
具体的な材料・特徴をあげることができる。
6週 光材料(2) 同上
7週 発表(3) 特定の電子材料について、材料の特徴や利用例などを調査し、集約した情報をまとめ、公表することができる。
8週 中間試験 同上
4thQ
9週 ディスプレイと光記録(1) 種々ディスプレイの動作原理を説明できる。
具体的な材料・特徴をあげることができる。
10週 ディスプレイと光記録(2) 同上
11週 エネルギー材料(1) 種々電池の動作原理を説明できる。
具体的な材料・特徴をあげることができる。
12週 エネルギー材料(2) 同上
13週 超伝導材料(1) 超伝導体で観察される現象及び原理を説明できる。
具体的な材料・特徴をあげることができる。
14週 超伝導材料(2) 同上
15週 発表(4) 特定の電子材料について、材料の特徴や利用例などを調査し、集約した情報をまとめ、公表することができる。
16週 定期試験答案返却

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価合計
総合評価割合602515100
基礎的能力3015550
専門的能力205530
分野横断的能力105520