基礎電気学I

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 基礎電気学I
科目番号 TE2101 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 情報通信エレクトロニクス工学科 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 高橋寛,加藤修司,他著「電気基礎(上)」コロナ社
担当教員 大石 信弘

到達目標

・オームの法則,直列回路,並列回路,ブリッジ回路,キルヒホッフの法則を理解し,基本的な問題が解ける.
・導体の抵抗は断面積や長さ,温度に影響を受けることや、その基本概念を理解し説明できる.
・電気エネルギーと熱エネルギーとの関係を理解し電力や電力量の計算ができる.
・静電誘導とクーロンの法則の学習を通して帯電現象を理解し説明できる.
・電気力線や電界の強さ,電界内の電位や電位差を理解し説明できる.
・コンデンサの基本的な仕組みを理解し、合成静電容量の計算ができる.
・正弦波交流の瞬時値を数式を用いて表すことができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
オームの法則を用いた基本的な直流回路の計算オームの法則を理解し、直列・並列を組み合わせた基本的な直流回路を解くことができるオームの法則に従って、直流の直列接続回路および並列接続回路を解くことができる左記レベルに達しないレベル
回路方程式キルヒホッフの法則を基本的な直流回路に適用して回路方程式を立て、回路を解くことができるキルヒホッフの法則を基本的な直流回路に適用して、回路方程式を立てることができる左記レベルに達しないレベル
静電界の基礎静電力、電気力線、電界、電位およびこれらの量の間の関係を十分理解し、簡単な計算ができる静電力、電気力線、電界、電位について理解している左記レベルに達しないレベル
静電容量静電容量を理解し、コンデンサの直列接続および並列接続の合成容量を計算できる静電容量を理解し、コンデンサ単体の静電容量を計算できる左記レベルに達しないレベル
正弦波交流の基礎正弦波交流の角周波数、実効値、位相について理解し、瞬時形式を用いて瞬時値を計算できる正弦波交流の角周波数、実効値、位相について理解している左記レベルに達しないレベル

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
直流回路と静電界について講義と実験で学び,電気に関する基礎的な知識と技術を習得する.講義では,直流回路と静電界に関する基本的な電気現象について学習し,電気で用いる物理量(電位や電流など)の意味を理解するとともにその使い方に慣れる.
さらに,2年生で学ぶ交流回路とのつながりの深い正弦波交流を数式を用いた瞬時形式について学習する.
授業の進め方・方法:
本科目は教科書に従った講義を中心に進める.オームの法則,直流回路を学び,キルヒホッフの法則を用いて回路方程式が立てられるよう,時間を十分にとって説明する. その後,電界について学ぶが,電磁気学につながったり,交流回路の基本素子であったり,重要な事柄が出てくるので,イメージと基本を大事に講義する.
学年の最後に正弦波交流の瞬時形式について学び,2年生の電気回路学とのつながりを意識して説明する.
注意点:
年間総合評価が60点に満たない場合は、再提出したレポートや再評価試験にて評価する。再評価でも60点に満たない場合は単位を認定しない。
高学年で学ぶ電子情報系の専門科目の基礎であり,専攻科・大学編入試験,就職試験には必要不可欠な知識であり,予習・復習を十分行うことが必要である.質問は授業中や授業の直後はもちろんのこと,いつでも受け付けているので,休み時間や放課後に直接教員室に来て気軽に質問してほしい.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 本講義の目的,概要および評価方法を理解する.
2週 オームの法則 オームの法則を理解し基本的な問題が解ける.
3週 オームの法則 オームの法則を理解し基本的な問題が解ける.
4週 直列回路、並列回路 直列回路,並列回路の計算ができる.
5週 直列回路、並列回路 直列回路,並列回路の計算ができる.
6週 直列回路、並列回路 直列回路,並列回路の計算ができる.
7週 ブリッジ ブリッジ回路による直流回路網の各部の電圧や電流を求める計算ができる.
8週 ブリッジ ブリッジ回路による直流回路網の各部の電圧や電流を求める計算ができる.
2ndQ
9週 中間評価
10週 キルヒホッフの法則 キルヒホッフの法則による直流回路網の各部の電圧や電流を求める計算ができる.
11週 キルヒホッフの法則 キルヒホッフの法則による直流回路網の各部の電圧や電流を求める計算ができる.
12週 導体の抵抗 導体の抵抗は断面積や長さ,温度に影響を受けることや、その基本概念を理解し説明できる.
13週 導体の抵抗 導体の抵抗は断面積や長さ,温度に影響を受けることや、その基本概念を理解し説明できる.
14週 電力と電力量 電気エネルギーと熱エネルギーとの関係を理解し電力や電力量の計算ができる.
15週 前期定期試験
16週 答案返却 定期試験の解答を返却し、前期に学んだ事柄を再確認する.
後期
3rdQ
1週 電池 電池の基本原理を理解し説明できる.
2週 静電気 静電誘導とクーロンの法則の学習を通して帯電現象を理解し説明できる.
3週 静電気 静電誘導とクーロンの法則の学習を通して帯電現象を理解し説明できる.
4週 電界 電気力線や電界の強さ,電界内の電位や電位差を理解し説明できる.
5週 電界 電気力線や電界の強さ,電界内の電位や電位差を理解し説明できる.
6週 電界 電気力線や電界の強さ,電界内の電位や電位差を理解し説明できる.
7週 コンデンサ コンデンサの基本的な仕組みを理解し,合成静電容量の計算ができる.
8週 中間試験
4thQ
9週 コンデンサ コンデンサの基本的な仕組みを理解し,合成静電容量の計算ができる.
10週 コンデンサ コンデンサの基本的な仕組みを理解し,合成静電容量の計算ができる.
11週 放電現象 放電現象を理解し説明できる.
12週 正弦波交流の基礎 正弦波交流を瞬時形式で表現できる.
13週 正弦波交流の基礎 正弦波交流を瞬時形式で表現できる.
14週 正弦波交流の基礎 正弦波交流を瞬時形式で表現できる.
15週 後期定期試験
16週 答案返却 定期試験の答案を返却し、後期に学んだ事柄を再確認する.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理電気導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。2後2
電場・電位について説明できる。2後2,後3,後4
クーロンの法則が説明できる。2後3,後4
クーロンの法則から、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。2後3,後4
オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。3前2
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。3前2,前3,前4,前5,前6
ジュール熱や電力を求めることができる。3前14
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。2前2
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。2前2
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。2前10,前11
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。2前4,前5,前6
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。2前7,前8
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。2前14
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。1
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。1
重ねの理を用いて、回路の計算ができる。2前6,前10,前11
網目電流法を用いて回路の計算ができる。1前10,前11
節点電位法を用いて回路の計算ができる。1前10,前11
電磁気電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。2後2,後3,後4,後9
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。1後5,後6,後7,後9
ガウスの法則を説明でき、電界の計算に用いることができる。1
静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。1後10,後11,後12,後13
コンデンサの直列接続、並列接続を説明し、その合成静電容量を計算できる。1後10,後11,後12,後13
静電エネルギーを説明できる。1後10,後11,後12,後13
電力その他の新エネルギー・再生可能エネルギーを用いた発電の概要を説明できる。1前14
計測SI単位系における基本単位と組立単位について説明できる。1前1
指示計器について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法を説明できる。1前5,前6
倍率器・分流器を用いた電圧・電流の測定範囲の拡大手法について説明できる。1前5,前6
ブリッジ回路を用いたインピーダンスの測定原理を説明できる。1
分野別の工学実験・実習能力電気・電子系分野【実験・実習能力】電気・電子系【実験実習】キルヒホッフの法則を適用し、実験結果を考察できる。2
分流・分圧の関係を適用し、実験結果を考察できる。2

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合8020100
基礎的能力701585
専門的能力10515