基礎電気学II

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 基礎電気学II
科目番号 TE2201 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 情報通信エレクトロニクス工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 高橋寛,加藤修司,他著「電気基礎(上)」コロナ社
担当教員 角田 功

到達目標

・磁気に関するクーロンの法則を用いて磁極間に働く力を計算でき,磁極の強さ,磁界の強さ,磁極に働く力の関係を説明することができる.
・アンペアの右ねじの法則及びビオ・サバールの法則の物理的意味を理解し,これらの法則を導体に電流を流した時に生じる磁界の強さを求める計算に適用できる.
・フレミングの左手の法則を理解し,この法則を用いて電磁力の計算ができる.
・磁性体とそのヒステリシス特性を,磁界の強さと磁束密度の関係から説明できる.
・ファラデーの電磁誘導の法則を理解し,鎖交磁束の時間変化から誘導起電力を求めることができる.
・インダクタンスと誘導起電力の関係を説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
磁気に関するクーロンの法則磁極の強さ,磁界の強さ及び磁極に働く力の関係を把握し,クーロンの法則を用いてそれらの計算ができる.磁気に関するクーロンの法則を用いて,基本的な問題(例題レベル)の磁界の強さの計算ができる.磁気に関するクーロンの法則を適用することができない.
電流による磁界アンペアの右ねじの法則及びビオ・サバールの法則を用いて電流による磁界の強さを求める定式化ができ,(積分を用いない)基本的な問題に対して磁界を求めることができる.直線状導体と代表的な子コイルに電流が流れた時の磁界の強さを計算できる.アンペアの右ねじの法則及びビオ・サバールの法則を適用することができない.
フレミングの左手の法則 フレミングの法則を用いて電流,磁界,電磁力の関係を理解し、実際に計算することができる.フレミングの法則を用いて基本的な問題(例題レベル)の電磁力を求める計算ができる.フレミングの左手の法則を適用することができない.
ファラデーの電磁誘導の法則ファラデーの電磁誘導の法則を用いて磁界の時間的変化と誘導起電力の関係を理解し、実際に計算することができる.ファラデーの電磁誘導の法則を用いて基本的な問題(例題レベル)の誘導起電力の計算ができる.ファラデーの電磁誘導の法則を適用することができない.
インダクタンスと誘導起電力自己インダクタンスに加えて相互インダクタンスを理解し,自己誘導及び相互誘導による誘導起電力の計算ができる.インダクタンスの定義を理解し,基本的なコイルの問題(例題レベル)で誘導起電力を求めることができる.インダクタンスと誘導起電力を理解していない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本科目は、電磁気学や電気回路への導入科目として位置付けられ、磁気(磁界や磁束密度)に関する基礎的な知識や物理的な考え方を習得する.磁気に関する法則(クーロンの法則,アンペアンの右ねじの法則,ビオ・サバールの法則,フレミングの右手の法則,ファラデーの電磁誘導の法則)について学習し,電流と磁気(つまり磁界や磁束密度)との関係を理解する.また,磁気で用いる物理量(磁界の強さ,磁束密度,インダクタンス)の意味を理解するとともに,その使い方に慣れる.
授業の進め方・方法:
本科目は教科書に従った講義を中心に進めるが,磁気についての簡単な実演や実験を並行して行う.授業では演習問題を数多く取り入れ,問題を解くことで学習した内容を理解し活用する能力を養成する.また,磁気や電気の基本的語句(量)に対して英語による表記ができるようにする.
授業の成績は,試験(中間試験,定期試験),小テスト・課題,実験(レポートを含む)を総合して評価する.評価の割合は中間試験と定期試験が70%,小テスト・課題・実験を30%とする.60点以上の評価で目標達成とする.各試験の評価が6割に満たない学生に対しては,追試験やレポートを課すことがある.
注意点:
本科目は,電磁気学や電気回路など専門科目の基礎となる特に重要な科目であり,学習内容が定着するように努めること.
質問は,随時受け付ける.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ・ガイダンス
・基礎電気学Ⅰの復習
・科目の概要と授業方針そして成績評価について確認する.
・1年次に学習した基本的電気量(電荷,電流,電圧,抵抗)について復習し,その物理的意味を理解している。
2週 ・磁化現象
・磁気に関するクーロンの法則
・磁化を実際に確かめ、その物理的意味を説明できる。
・クーロンの法則を用いて電荷間に働く力を磁気に関するクーロンの法則を用いて磁極間に働く力を計算することができる.
3週 ・磁界の強さと磁力線 ・磁極間に働く力から磁界の強さを定義し,磁界の強さが計算できる.
・磁力線の性質を説明できる.
・磁極間の磁力線を描写できる.
4週 ・磁束と磁束密度 ・磁束の定義を説明できる.
・磁束から磁束密度を定義し,磁界の強さと磁束密度の関係を説明できる.
5週 ・電流による磁界の演示
・アンペアの右ねじの法則
・電流により磁界を発生をする方法を説明できる.
・アンペアの右ねじの法則を説明することができる.
6週 ・アンペアの右ねじの法則を用いた磁界の強さを求める計算 ・アンペアの右ねじの法則を用いて,導体に流れる電流が作る磁界の強さを求めることができる.
7週 ・ビオ・サバール法則とそれを用いた磁界の強さを求める計算
・各種コイルの磁界
・円形コイル,無限長コイル,環状コイルが作る磁界の強さを計算でき,その磁力線の様子を描くことができる.
8週 前期中間試験 前期第1週から7週までで学習した内容を確認する.
2ndQ
9週 ・前期中間試験問題の返却
・フレミングの左手の法則の実演
・前期中間試験の解説
・磁界中に置かれた導体に電流が流れた時、導体に力が働くことを具体的に説明できる。
10週 ・フレミングの左手の法則 ・フレミングの法則を用いて,磁界,電流,電磁力の関係を説明できる。
・磁石間に置かれた導体に電流が流れた時の電磁力を計算できる.
11週 ・平行電流間に働く力 ・フレミングの法則を用いて,平行電流間に働く力を説明できる.
12週 ・コイルに働くトルク ・磁界中のコイルに働く(電磁力に基づく)トルクを計算できる.
13週 ・直流電動機 ・直流機(モーター)の原理と構造を説明できる。
14週 ・磁気の応用技術に関する調査 ・磁気の応用技術例を調べ,磁界の働きを説明できる.
15週 前期定期試験 前期第9週から14週までで学習した内容を確認する.
16週 ・前期定期試験問題の返却
・磁気記録に関する調査と発表
・前期定期試験の解説
・磁性体のヒステリシス特性の工学的応用として磁気記録について説明できる.
後期
3rdQ
1週 ・磁性体と透磁率
・強磁性体,常磁性体,反磁性体
・磁化と磁性体について,磁界を用いてそれぞれ説明できる.
・透磁率及び比透磁率を説明できる.
・強磁性体,常磁性体,反磁性体の違いを比透磁率から説明できる。
2週 ・磁化曲線,ヒステリシス曲線
・磁気回路
・磁化曲線を理解し,磁性体のヒステリシス特性を説明することができる.
・磁気回路を用いて,磁束,起磁力,磁気抵抗の関係を説明できる.
3週 ・電磁誘導
・ファラデーの法則とレンツの法則
・電磁誘導の現象を具体的に説明することができる。
・ファラデーの法則を定量的に説明することができ,また誘導起電力の計算ができる.
4週 ・フレミングの右手の法則 ・フレミングの右手の法則を用いて磁界中の導体の運動による誘導起電力を求めることができる
5週 ・電磁誘導に関する演習 ・電磁誘導に関する基本的演習問題が解ける.
・磁界を運動する導体に誘導起電力が生じる現象を定性的に説明することができる.
6週 ・直流発電機 ・直流発電機の動作原理を説明できる.
7週 ・水力発電,火力発電,原子力発電の主要設備の調査 ・発電の主要設備であるタービンの原理を説明できる.
・水力発電,火力発電,原子力発電について調査し、その概要を説明できる.
8週 後期中間試験 後期第1週から7週までで学習した内容を確認する.
4thQ
9週 ・後期中間試験問題の返却
・コイルの作成と評価
・後期中間試験の解説
・コイルを実際に作成し、インダクタンスの構造と働きを具体的に説明できる.
10週 ・自己インダクタンス
・環状コイルと無限長コイル
・コイルの自己インダクタンスの定義を説明できる.
・環状コイルと無限長コイルの自己インダクタンスを計算できる.
11週 ・相互誘導と相互インダクタンス
・変圧器
・相互誘導の現象を定性的に説明できる.
・変圧器の構造(1次コイルと2次コイル)及び動作原理を説明できる.
12週 ・磁気エネルギー ・自己インダクタンスLのコイルに電流Iが流れたときにコイル蓄えられるエネルギーを求めることができる.
13週 ・電波と電波に関する諸量 ・電波として平面波を説明できる.
・電波の周波数,波長、伝送電力を説明できる.
14週 ・GPSによる位置表示の実験 ・電波の応用例としてGPSの仕組みを説明することができる.
15週 後期定期試験 後期第9週から14週までで学習した内容を確認する.
16週 ・後期定期試験問題の返却
・電波の利用に関する調査
・後期定期試験の解説
・電波の応用技術及び利用例を調査することができる.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。2
物理実験物理実験電磁気に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電磁気磁性体と磁化及び磁束密度を説明できる。2
電流が作る磁界をビオ・サバールの法則を用いて計算できる。2
電流が作る磁界をアンペールの法則を用いて計算できる。2
磁界中の電流に作用する力を説明できる。2
ローレンツ力を説明できる。2
磁気エネルギーを説明できる。2
電磁誘導を説明でき、誘導起電力を計算できる。2
自己誘導と相互誘導を説明できる。2
自己インダクタンス及び相互インダクタンスを求めることができる。2
電力直流機の原理と構造を説明できる。2
変圧器の原理、構造、特性を説明でき、その等価回路を説明できる。3
電力品質の定義およびその維持に必要な手段について知っている。4
電力システムの経済的運用について説明できる。4
水力発電の原理について理解し、水力発電の主要設備を説明できる。4
火力発電の原理について理解し、火力発電の主要設備を説明できる。4
原子力発電の原理について理解し、原子力発電の主要設備を説明できる。4
その他の新エネルギー・再生可能エネルギーを用いた発電の概要を説明できる。4
電気エネルギーの発生・輸送・利用と環境問題との関わりについて説明できる。4

評価割合

試験課題(調査・実験含む)小テスト合計
総合評価割合702010100
基礎的能力50101070
専門的能力2010030