電気回路学II

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 電気回路学II
科目番号 TE404 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 情報通信エレクトロニクス工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 小郷 寛原著,小亀 英己, 石亀 篤司著「基礎からの交流理論」 電気学会、大下眞二郎著「詳細電気回路演習(上)」「詳細電気回路演習(下)」共立出版
担当教員 角田 功

到達目標

三相交流、ひずみ波交流、過渡現象など、より高度な電気回路について理解し、フーリエ級数展開やラプラス変換を用いて解析することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
三相交流対称三相回路において、フェーザ図を用いて、電圧、電流、電力等の関係について説明と計算ができる。対称三相回路について計算ができる。 対称三相回路について計算ができない。
ひずみ波奇関数、偶関数の特徴を利用して、与えられた波形をフーリエ級数展開することができる。与えられた波形のフーリエ級数を計算することができる。 与えられた波形のフーリエ級数を計算できない。
過渡現象とラプラス変換回路の過渡応答を時間軸で図示し、特徴を解析することができる。 回路方程式を立てて、回路の過渡応答を計算することができる。 回路方程式を立てることができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本科目は、第3学年で学んだ電気回路に関する理論を基礎にしており、電気・電子工学関係の資格試験、大学編入試験、就職試験などの出題範囲となる頻度が高い。
授業の進め方・方法:
多相交流、ひずみ波交流、過渡現象など、より高度な電気回路理論について講義する。これらの学習を通して、三相交流の基礎と電源系統への応用、周期関数のフーリエ級数展開とひずみ波の取り扱い及び線形受動回路の過渡応答に関する定量的解析能力を養う。
注意点:
規定授業時数は60時間です。フーリエ級数展開やラプラス変換は、電子工学系技術者にとっては重要です。3学年次の電気回路学Ⅰの講義内容について十分に復習して受講してください。
各授業項目の自学学習のために授業中に演習問題を与えたり、レポート課題を与えます。質問等は空き時間に随時受けつけます。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
3年次の応用(1)
本授業の概要や評価方法に関するガイダンスを行なう。
3年時までに学習した電気回路の応用問題を解くことができる。
2週 3年次の応用(2) 3年時までに学習した電気回路の応用問題を解くことができる。
3週 3年次の応用(3) 3年時までに学習した電気回路の応用問題を解くことができる。
4週 3年次の応用(4) 3年時までに学習した電気回路の応用問題を解くことができる。
5週 三相交流と電力(1) 電源側、負荷側を星型結線、環状結線とした四つの組み合わせに対し、三相交流の回路計算、有効電力、無効電力の測定法について理解し説明できる。
6週 三相交流と電力(2) 電源側、負荷側を星型結線、環状結線とした四つの組み合わせに対し、三相交流の回路計算、有効電力、無効電力の測定法について理解し説明できる。
7週 三相交流と電力(3) 電源側、負荷側を星型結線、環状結線とした四つの組み合わせに対し、三相交流の回路計算、有効電力、無効電力の測定法について理解し説明できる。
8週 三相交流と電力(4) 電源側、負荷側を星型結線、環状結線とした四つの組み合わせに対し、三相交流の回路計算、有効電力、無効電力の測定法について理解し説明できる。
2ndQ
9週 前期中間試験
10週 三相交流と電力(5) 電源側、負荷側を星型結線、環状結線とした四つの組み合わせに対し、三相交流の回路計算、有効電力、無効電力の測定法について理解し説明できる。
11週 ひずみ波交流(1) ひずみ波の発生と波形合成/分解について理解し説明できる。
12週 ひずみ波交流(2) ひずみ波の発生と波形合成/分解について理解し説明できる。
13週 ひずみ波交流(3) ひずみ波の発生と波形合成/分解について理解し説明できる。
14週 ひずみ波交流(4) ひずみ波の発生と波形合成/分解について理解し説明できる。
15週 前期期末試験
16週 答案返却
後期
3rdQ
1週 フーリエ級数を用いたひずみ波の解析(1) フーリエ級数展開を理解し、基本的なひずみ波についてはフーリエ級数展開できる。
2週 フーリエ級数を用いたひずみ波の解析(2) フーリエ級数展開を理解し、基本的なひずみ波についてはフーリエ級数展開できる。
3週 フーリエ級数を用いたひずみ波の解析(3) フーリエ級数展開を理解し、基本的なひずみ波についてはフーリエ級数展開できる。
4週 フーリエ級数を用いたひずみ波の解析(4) ひずみ波の実効値、ひずみ率、ひずみ波交流の電力が計算できる。
5週 フーリエ級数を用いたひずみ波の解析(5) ひずみ波の実効値、ひずみ率、ひずみ波交流の電力が計算できる。
6週 過渡現象(1) 回路方程式の立て方、初期条件の設定の仕方と解き方を理解し説明できる。
7週 過渡現象(2) RC回路、RL回路、LC回路およびRLC回路の回路方程式を解くことができる。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 過渡現象(3) RC回路、RL回路、LC回路およびRLC回路の回路方程式を解くことができる。
10週 過渡現象(4) RC回路、RL回路、LC回路およびRLC回路の回路方程式を解くことができる。
11週 過渡現象(5) 過渡現象中に消費されるエネルギー、RLC回路における過制動、臨界制動、不足制動(振動)の概念を理解し説明できる。
12週 過渡現象(6) 過渡現象中に消費されるエネルギー、RLC回路における過制動、臨界制動、不足制動(振動)の概念を理解し説明できる。
13週 ラプラス変換(1) ラプラス変換を用いた過渡現象の解析法を理解し説明できる。
14週 ラプラス変換(2) ラプラス変換を用いた過渡現象の解析法を理解し説明できる。
15週 後期期末試験
16週 答案返却

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。4
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。4
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。4
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。4
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。4
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。4
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。4
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。4
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。4
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。4
瞬時値を用いて、交流回路の計算ができる。4
フェーザ表示を用いて、交流回路の計算ができる。4
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。4
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。4
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。4
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。4
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。4
RL直列回路やRC直列回路等の単エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。4
RLC直列回路等の複エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。4
電力三相交流における電圧・電流(相電圧、線間電圧、線電流)を説明できる。4
電源および負荷のΔ-Y、Y-Δ変換ができる。4
対称三相回路の電圧・電流・電力の計算ができる。4
直流機の原理と構造を説明できる。4
誘導機の原理と構造を説明できる。4
同期機の原理と構造を説明できる。4
変圧器の原理、構造、特性を説明でき、その等価回路を説明できる。4
半導体電力変換装置の原理と働きについて説明できる。4
電力システムの構成およびその構成要素について説明できる。4
交流および直流送配電方式について、それぞれの特徴を説明できる。4

評価割合

試験小テストレポート合計
総合評価割合702010100
基礎的能力702010100