情報工学理論

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 情報工学理論
科目番号 TE407 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 情報通信エレクトロニクス工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 小川英一“マルチメディア時代の情報理論”コロナ社
担当教員 石橋 孝昭

到達目標

情報量の基礎を理解するとともに,符号や圧縮,誤り訂正などについて理解できる.また,身近な情報理論技術について理解できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
情報量自己情報量,相互情報量,エントロピーの全てを説明でき,これらを用いた計算が全てできる.自己情報量,相互情報量,エントロピーを説明でき,これらの基本的な計算ができる.自己情報量,相互情報量,エントロピーの説明ができず,これらを用いた計算ができない.
符号化情報源符号化,通信路符号化,伝送路符号化の全てを説明でき,これらを用いた符号化が全てできる.情報源符号化,通信路符号化,伝送路符号化を説明でき,これらの基本的な符号化ができる.情報源符号化,通信路符号化,伝送路符号化の説明ができず,これらを用いた符号化ができない.
誤り検出・訂正パリティ検査符号やハミング符号によるに誤り検出・訂正の全てを説明でき,これらを用いた実用的な符号化が全てできる.パリティ検査符号やハミング符号によるに誤り検出・訂正を説明でき,これらを用いた基本的な符号化ができる.パリティ検査符号やハミング符号によるに誤り検出・訂正を説明できず,これらを用いた符号化ができない.
情報理論音声や映像に用いられる情報理論技術を全て説明でき,これらを用いた実用的な符号化が全てできる.音声や映像に用いられる情報理論技術を説明でき,これらを用いた基本的な符号化ができる.音声や映像に用いられる情報理論技術を説明できず,これらを用いた符号化ができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
コンピュータやインターネットで利用されている情報理論について解説する.また,どのような分野でどのような技術を用いられているかについて,身近なディジタル機器や通信技術と関連させて解説する.
授業の進め方・方法:
本授業内容は情報関連分野の多くの技術や理論に関連する科目である.四半期分の授業項目に関する自学学習用課題は放課後や家庭で行い,各定期試験前にそのレポートを提出するものとする.
注意点:
規定授業時数は60時間です.この科目では,1単位あたり15時間の自学自習が求められます.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 エンコーダとデコーダ エンコーダとデコーダを論理回路で設計できる.
2週 パリティチェック パリティチェック回路を論理回路で設計できる.
3週 情報理論 情報理論の概要を理解できる.
4週 自己情報量 確率を用いて情報量を理解し,情報量の大きさを理解できる.
5週 エントロピー エントロピーとその性質を理解できる.
6週 情報源符号化 情報源符号化を理解し,固定長符号化ができる.
7週 固定長符号と可変長符号 ASCIIコードやモールス符号などを用いた符号化を理解できる.
8週 中間試験
2ndQ
9週 符号の条件と性質 符号の木などを用いて符号の条件や性質を調べることができる.
10週 ハフマン符号化 ハフマン符号化を理解し,平均符号長の短い符号化ができる.
11週 データの圧縮 データの圧縮方法を理解し,圧縮の計算ができる.
12週 実用化されている圧縮技術 ファックスやテキストのデータ圧縮方法を理解できる.
13週 通信路符号化 通信路符号化の概要を理解できる.
14週 符号空間と誤り検出・訂正能力 符号空間を知り,符号間のハミング距離を用いて,誤り検出・訂正能力を計算できる.
15週 前期定期試験
16週 答案返却とまとめ これまでの総括を行う.
後期
3rdQ
1週 基礎的な誤り検出 基本的な誤り検出方法について理解できる.
2週 誤り検出回路 誤り検出回路を論理回路で設計できる.
3週 基礎的な誤り訂正 基本的な誤り訂正方法について理解できる.
4週 誤り訂正回路 誤り検出回路を論理回路で設計できる.
5週 巡回検査符号 巡回検査符号の概要を知り,符号化の計算ができる.
6週 実用的な誤り検査符号 実用的な誤り検査符号の概要を理解できる.
7週 実用的な誤り訂正符号 実用的な誤り訂正符号の概要を理解できる.
8週 中間試験
4thQ
9週 伝送路符号化 伝送路符号化の概要を理解できる.
10週 ベースバンド信号 ベースバンド信号の概要と性質を理解できる.
11週 ディジタル変調 ディジタル変調方式を理解できる.
12週 アナログ信号のディジタル化 アナログ信号をディジタル化する方法について理解できる.
13週 音声や音響信号の圧縮 音声や音響信号の圧縮方法を理解できる.
14週 静止画像や動画の圧縮 静止画像や動画の圧縮方法を理解できる.
15週 後期定期試験
16週 答案返却とまとめ 本科目の総括を行う.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。2後7
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。2後7
行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。2後7
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。2後7
専門的能力分野別の専門工学情報系分野情報数学・情報理論集合に関する基本的な概念を理解し、集合演算を実行できる。2前1,前2
集合の間の関係(関数)に関する基本的な概念を説明できる。2前1,前2
ブール代数に関する基本的な概念を説明できる。2前1,前2
論理代数と述語論理に関する基本的な概念を説明できる。2前1,前2
離散数学に関する知識をアルゴリズムの設計、解析に利用することができる。2後12
コンピュータ上での数値の表現方法が誤差に関係することを説明できる。2後12
コンピュータ上で数値計算を行う際に発生する誤差の影響を説明できる。2後12
コンピュータ向けの主要な数値計算アルゴリズムの概要や特徴を説明できる。2後12
情報量の概念・定義を理解し、実際に計算することができる。2前4,前5
情報源のモデルと情報源符号化について説明できる。2前6
通信路のモデルと通信路符号化について説明できる。2前11

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合8020100
基礎的能力501060
専門的能力301040