ディジタル設計

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 ディジタル設計
科目番号 TE408 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 情報通信エレクトロニクス工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 小林優,「入門Verilog HDL記述―ハードウェア記述言語の速習&実践」,CQ出版
担当教員 葉山 清輝

到達目標

1.ハードウェア記述言語による論理回路の設計とシミュレーションおよびFPGAボードによる実装ができる.
2.コンピュータの基本構成および処理の基礎的流れを把握し,コンピュータを動作させるために必要な機械語のプログラムができる.
3.ハードウェア記述言語を用いて小規模なコンピュータの設計と動作検証ができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
ハードウェア記述言語の基礎ハードウェア記述言語について理解し,比較的複雑なデジタル回路の設計ができる.ハードウェア記述言語について理解し,簡単なデジタル回路の設計ができる.ハードウェア記述言語について十分に理解できず,簡単なデジタル回路の設計できない.
コンピュータの基礎計算機を構成する論理素子の基本動作を理解し,2進数,16進数の基本演算ができる.計算機の五大装置を把握し,データ処理の流れを理解し,具体的な説明できる.計算機を構成する論理素子の基本動作を理解し,2進数,16進数の基本演算ができる.計算機の五大装置を把握し,データ処理の基本的な流れを理解し,説明できる.2進数,16進数の基本演算ができない.計算機の五大装置をとデータ処理の基本的な流れが理解できない.
8ビットCPUの動作理解CPUの各種構成要素間の命令やデータの流れについて理解し,教育用8ビットCPUのエミュレータを用いて具体的な動作を説明できる.CPUの各種構成要素間の命令やデータの流れについて理解し,説明できる。教育用8ビットCPUのエミュレータの基本的な動作を理解し,説明できる.CPUの各種構成要素間の命令やデータの流れについて理解できない.教育用8ビットCPUのエミュレータの動作が理解できない.
ハードウェア記述言語を使ったCPUの設計ハードウェア記述言語を使ったCPUの設計例を理解し,独自の改変や動作確認をすることができる.ハードウェア記述言語を使ったCPUの設計例を理解し,動作確認することができる.ハードウェア記述言語を使ったCPUの設計例が理解できず,動作確認することができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
ハードウェア記述言語に(Verilog-HDL)によるディジタル回路の設計について学ぶ.まずVerilogの基本文法から回路記述について学ぶ.次に,コンピュータの基本構成,各回路の動作原理,教育用の小規模な仮想コンピュータにより計算機のアーキテクチャの実例を解説する.この仮想コンピュータを題材に,Verilogを用いて設計演習を行う.
授業の進め方・方法:

関連科目 本科目は3年で使い方を学んだマイクロコンピュータが実際にどのように作られているかを学ぶ.5年時のディジタルシステムに続く科目である.
定期試験では,試験期毎に学習した内容について試験する.試験毎に,基礎的問題から応用問題までを出題する.適宜課題を出し,レポートを提出させる.10%を上限としてレポート点を総合評価に含める.4回の定期試験毎の評価平均を年間総合評価とする. 60点以上の評点で目標達成とする.
注意点:
1単位当たり20時間の自学自習を要する.自学自習時間相当の課題を課す.
質問は授業中でも教員室でも随時受け付ける.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 本授業の概要,学習の進め方,本科目の評価法などの全体的ガイダンスを行う.
2週 ハードウェア記述言語について(1) ハードウェア記述言語について理解し,簡単なデジタル回路の設計ができる.
3週 ハードウェア記述言語について(2) ハードウェア記述言語について理解し,簡単なデジタル回路の設計ができる.
4週 加算回路のHDL記述(1) ハードウェア記述言語について理解し,簡単なデジタル回路の設計ができる.
5週 カウンタ回路のHDL記述 ハードウェア記述言語について理解し,簡単なデジタル回路の設計ができる.
6週 回路のシミュレーション ハードウェア記述言語について理解し,簡単なデジタル回路の設計ができる.
7週 論理合成 ハードウェア記述言語について理解し,簡単なデジタル回路の設計ができる.
8週 FPGAによる実装 ハードウェア記述言語について理解し,簡単なデジタル回路の設計ができる.
2ndQ
9週 中間試験
10週 HDLの文法と記述スタイル(1) ハードウェア記述言語について理解し,簡単なデジタル回路の設計ができる.
11週 HDLの文法と記述スタイル(2) ハードウェア記述言語について理解し,簡単なデジタル回路の設計ができる.
12週 組み合わせ回路のHDL記述(1) ハードウェア記述言語について理解し,簡単なデジタル回路の設計ができる.
13週 組み合わせ回路のHDL記述(2) ハードウェア記述言語について理解し,簡単なデジタル回路の設計ができる.
14週 組み合わせ回路のHDL記述(3) ハードウェア記述言語について理解し,簡単なデジタル回路の設計ができる.
15週 定期試験
16週 答案返却 試験の解答と解説を行い正答で来なかった問題について正しく理解する.
後期
3rdQ
1週 順序回路のHDL記述(1) ハードウェア記述言語について理解し,簡単なデジタル回路の設計ができる.
2週 順序回路のHDL記述(2) ハードウェア記述言語について理解し,簡単なデジタル回路の設計ができる.
3週 順序回路のHDL記述(3) ハードウェア記述言語について理解し,簡単なデジタル回路の設計ができる.
4週 シミュレーション記述(1) ハードウェア記述言語について理解し,簡単なデジタル回路の設計ができる.
5週 シミュレーション記述(2) ハードウェア記述言語について理解し,簡単なデジタル回路の設計ができる.
6週 コンピュータの基礎(1) 計算機を構成する論理素子の基本動作を理解し,情報を処理するためのデータの内部表現である2進数,16進数の基本演算ができる.
7週 コンピュータの基礎(2) 計算機を構成する論理素子の基本動作を理解し,情報を処理するためのデータの内部表現である2進数,16進数の基本演算ができる.
8週 中間試験
4thQ
9週 エミュレータによる8ビットCPUの動作理解(1) エミュレータを使って教育用に設計された8ビットCPUの具体的な動作を学び,CPUの各種構成要素間の命令やデータの流れについて理解し,動作確認できる.
10週 エミュレータによる8ビットCPUの動作理解(2) エミュレータを使って教育用に設計された8ビットCPUの具体的な動作を学び,CPUの各種構成要素間の命令やデータの流れについて理解し,動作確認できる.
11週 ハードウェア記述言語を用いた8ビットCPUの設計(1) ハードウェア記述言語を使った8ビットCPUの設計例を理解し,動作確認することができる.
12週 ハードウェア記述言語を用いた8ビットCPUの設計(2) ハードウェア記述言語を使った8ビットCPUの設計例を理解し,動作確認することができる.
13週 ハードウェア記述言語を用いた8ビットCPUの設計(3) ハードウェア記述言語を使った8ビットCPUの設計例を理解し,動作確認することができる.
14週 ハードウェア記述言語を用いた8ビットCPUの設計(4) ハードウェア記述言語を使った8ビットCPUの設計例を理解し,動作確認することができる.
15週 定期試験
16週 答案返却 試験の解答と解説を行い正答で来なかった問題について正しく理解する.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野計算機工学整数・小数をコンピュータのメモリ上でディジタル表現する方法を説明できる。2
基数が異なる数の間で相互に変換できる。3
基本的な論理演算を行うことができる。3
基本的な論理演算を組合わせて、論理関数を論理式として表現できる。3
論理式の簡単化の概念を説明できる。3
論理ゲートを用いて論理式を組合せ論理回路として表現することができる。3
与えられた組合せ論理回路の機能を説明することができる。3
組合せ論理回路を設計することができる。3
フリップフロップなどの順序回路の基本素子について、その動作と特性を説明することができる。3
レジスタやカウンタなどの基本的な順序回路の動作について説明できる。3
与えられた順序回路の機能を説明することができる。3
順序回路を設計することができる。3
コンピュータを構成する基本的な要素の役割とこれらの間でのデータの流れを説明できる。3
プロセッサを実現するために考案された主要な技術を説明できる。3
メモリシステムを実現するために考案された主要な技術を説明できる。3
入出力を実現するために考案された主要な技術を説明できる。3
コンピュータアーキテクチャにおけるトレードオフについて説明できる。3
ハードウェア記述言語など標準的な手法を用いてハードウェアの設計、検証を行うことができる。3
分野別の工学実験・実習能力電気・電子系分野【実験・実習能力】電気・電子系【実験実習】論理回路の動作について実験結果を考察できる。4前8
ディジタルICの使用方法を習得する。4後14

評価割合

試験課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合90100000100
基礎的能力355000040
専門的能力555000060
分野横断的能力0000000