信号伝送工学

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 信号伝送工学
科目番号 TE409 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 情報通信エレクトロニクス工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 初めての応用数学(小阪敏文・吉本定伸著、近代科学社)、基礎からの交流理論(小郷寛原著、小亀英己・石亀篤司著(電気学会)、オーム社)、及び、配布プリント
担当教員 小田川 裕之

到達目標

(1)基本的な周期波形のフーリエ級数展開ができる。
(2)基本的なパルス波形のフーリエ変換ができる。
(3)周波数スペクトルについて説明できる。
(4)分布定数回路の基本的な問題を解くことができる。
(5)差動シリアル伝送の特徴について理解する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
基本的な周期波形の複素フーリエ級数展開ができる方形波および三角波の実フーリエ級数展開、及び、複素フーリエ級数展開ができる方形波の実フーリエ級数展開、及び、複素フーリエ級数展開ができる方形波および三角波の実フーリエ級数展開ができる
基本的な周期波形のフーリエ変換ができる方形波および三角波パルスのフーリエ変換ができる方形波パルスのフーリエ変換ができるフーリエ変換公式を説明できる。
周波数スペクトルについて説明できる実フーリエ係数、複素フーリエ係数、フーリエ変換と振幅・位相スペクトル、及び、電力の関係が説明できる。実フーリエ係数、複素フーリエ係数、フーリエ変換と振幅スペクトル、及び、電力の関係が説明できる。実フーリエ係数、複素フーリエ係数、フーリエ変換と振幅スペクトルの関係が説明できる。
分布定数回路の基本的な問題を解くことができる分布定数回路の基本的な問題(線路が縦続接続された問題を含む)を、線路の基本方程式を用いて解くことができる。 分布定数回路の基本的な問題を、線路の基本方程式を用いて解くことができる。分布定数回路の基本的な問題を、公式として覚えて解くことができる。
差動シリアル伝送の特徴について理解する差動シリアル伝送の長所と短所、及び、差動マイクロストリップ線路や、TDR、アイパターンなどパルス伝送の基本事項について説明できる。更に、周波数特性と波形歪について説明できる。差動シリアル伝送の長所と短所、及び、差動マイクロストリップ線路や、TDR、アイパターンなどパルス伝送の基本事項について説明できる。差動シリアル伝送の長所と短所、及び、差動マイクロストリップ線路や、TDR、アイパターンなどパルス伝送の基本事項について暗記している。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本科目では情報通信のための信号伝送技術について説明する。特に、信号処理の基本となるフーリエ解析、分布定数線路について基礎的な事項を学ぶ。また、近年重要となっている高速パルスの差動伝送技術についても学ぶ。
授業の進め方・方法:
質問を受付ながら板書による説明と問題演習によって進める。適宜レポートを課す。
注意点:
フーリエ解析と分布定数回路は電気回路学の基本事項であるため、暗記に頼らず理解する必要がある。また、近年の差動シリアル伝送は、高速通信の基本であるので理解が必要である。
この科目では、1単位あたり15時間の自学自習が求められる。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 科目の概要と評価方法(解説) 科目の概要と評価方法について理解する
2週 実フーリエ級数の公式(解説) 公式の使い方を理解する
3週 実フーリエ級数の問題例(演習) 簡単な問題の解き方を理解する
4週 複素フーリエ級数の公式(解説) 公式の使い方を理解する
5週 複素フーリエ級数の問題例(演習) 簡単な問題の解き方を理解する
6週 複素フーリエ級数と実フーリエ級数の関係(解説) オイラーの公式で関係付けられることを理解する
7週 振幅スペクトルと位相スペクトル(解説) スペクトルの概念、及び、位相について理解する
8週 フーリエ級数におけるパーシバルの公式(解説) スペクトルと電力の関係について理解する
2ndQ
9週 前期中間試験 問題を解く
10週 答案返却と解説(解説) 試験までの内容について理解を確実にする
11週 フーリエ変換の公式(解説) 公式の使い方を理解する
12週 フーリエ変換の問題例(演習) 簡単な問題の解き方を理解する
13週 周期波と単一パルスの周波数スペクトルの関係(解説) 周期と線スペクトルの間隔、連続スペクトルについて理解する。
14週 フーリエ変換と周波数スペクトルについて(解説) スペクトルの概念、及び、位相について理解する。
15週 フーリエ変換におけるパーシバルの公式(解説) スペクトルと電力の関係について理解する
16週 期末試験の答案返却と解説(解説) 試験までの内容について理解を確実にする
後期
3rdQ
1週 分布定数回路の概要と微小区間等価回路(解説) 微小区間等価回路の意味を理解する
2週 基本方程式、及び、線路定数の導出(解説) 導出の過程を理解する
3週 線路定数の意味(解説) 線路定数の意味を理解する
4週 端子条件を与えた場合の電圧、電流(解説) 基本方程式の使い方を理解する
5週 基本的な分布定数回路の問題例(演習) 基本的な問題の解き方を理解する
6週 反射係数(解説) 反射係数の意味と導出法を理解する
7週 分布定数回路の縦続接続(解説) 縦続接続された分布定数回路の問題の解き方を理解する
8週 分布定数回路の復習(演習) 基本的な問題が解けるようになる
4thQ
9週 後期中間試験 問題を解く
10週 差動伝送とその特徴(解説) コモンモードノイズの除去など差動伝送の特長について理解する
11週 シリアル伝送とその特徴(解説) シリアル伝送の特徴について理解する
12週 差動マイクロストリップ線路(解説) 差動マイクロストリップ線路と差動インピーダンスについて理解する
13週 TDR(解説) TDRについて理解する
14週 アイパターン(解説) アイパターンについて理解する
15週 回路・線路の周波数特性と波形歪み(解説) 速度分散と波形歪み、及び、高周波特性とプリエンファシス回路の必要性を理解する。
16週 期末試験の答案返却と解説(解説) 試験までの内容について理解を確実にする

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験レポート相互評価態度合計
総合評価割合901000100
基礎的能力00000
専門的能力901000100
分野横断的能力00000