オプトエレクトロニクス

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 オプトエレクトロニクス
科目番号 TE511 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 情報通信エレクトロニクス工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 西原 浩、裏升 吾 共著、「新版 光エレクトロニクス入門」、コロナ社
担当教員 小田川 裕之

到達目標

(1) Maxwellの方程式から波動方程式を導出する方法を理解する。また、平面波解、速度、波動波動インピーダンスについて理解する。
(2) 偏光について理解する。
(3) 反射、屈折、回折、集光について理解する。
(4) 導波モード、光ファイバの原理について概要を理解する。
(5) レーザの原理について概要を理解する。
(6) 偏光や回折を利用した光素子について理解する。
(7) 光通信、光メモリ、及び、レーザ応用機器について原理や動作を理解する。
(8) 基本的な光計測技術について理解する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
Maxwellの方程式から波動方程式を導出する方法を理解する。また、平面波解、速度、波動波動インピーダンスについて理解する。Maxwellの方程式から波動方程式を導出することができる。また、波動方程式の平面波解から、速度、波動波動インピーダンスについて説明できる。Maxwellの方程式から波動方程式を導出することができる。また、速度、波動波動インピーダンスと誘電率、透磁率の関係について説明できる。光の速度、波動波動インピーダンスと誘電率、透磁率の関係について説明できる。
偏光について理解する。電解ベクトルの位相差と、直線偏光、円偏光、楕円偏光との関係を対応させて説明できる。直線偏光、円偏光、楕円偏光について説明でき、電解ベクトルの位相差が関係していることを説明できる。直線偏光、円偏光、楕円偏光があることを説明できる。
反射、屈折、回折、集光について理解する。反射、屈折、回折、集光について概要を説明でき、基本的な問題を解くことができる。反射、屈折、回折、集光について、基本的な問題を解くことができる。反射、屈折、回折、集光に関する公式を覚えている。
導波モード、光ファイバの原理について概要を理解する。導波モードについて概要を説明できる。また、光ファイバの原理と種類、及び、その得失を説明できる。導波モードや、光ファイバの原理について概要を説明できる。光ファイバの種類を覚えている。
レーザの原理について概要を理解する。誘導放出と発振波長、反転分布、ポンピング、共振器構造など、レーザの原理について定性的に説明できる。レーザにおける誘導j放出と発振波長について説明できる。明できる。誘導放出、反転分布、ポンピング、共振器構造などについて、断片的に説明できる。
偏光や回折を利用した光素子について理解する。偏光や回折を利用した光変調器や、偏向器の動作原理を説明でき、具体的な問題を解くことができる。偏光や回折を利用した光変調器や、偏向器の原理を説明できる。偏光や回折を利用した光変調器や、偏向器の動作を断片的に 説明できる。
光通信、光メモリ、及び、レーザ応用機器について原理や動作を理解する。光通信、光メモリ、及び、レーザ応用機器について原理や動作を定性的に説明でき、具体的な問題を解くことができる。光通信、光メモリ、及び、レーザ応用機器について原理や動作を定性的に説明できる。光通信、光メモリ、及び、レーザ応用機器について原理や動作を断片的に説明できる。
基本的な光計測技術について理解する。基本的な光計測技術について説明でき、具体的な問題を解くことができる。基本的な光計測技術について説明できる。基本的な光計測技術について断片的に説明できる。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
レーザーによるコヒーレント光を用いた光エレクトロニクスは、通信、計測、記録など幅広く応用されている。まず、その基本となる電磁波の波動的な取り扱いについて説明し、偏光、屈折、干渉とその応用である光変調について説明する。また、光エレクトロニクスの基礎となる、レーザ、フォトダイオード、光ファイバについて説明し、それらを用いた光通信、光メモリ、光計測について解説する。
授業の進め方・方法:
質問を受付ながら板書による説明と問題演習によって進める。適宜レポートを課す。
注意点:
光技術は様々な分野で用いられているが、いくつかの基本原理を理解すれば仕組みを把握できるものが多い。本講義ではそれらの基本を理解することに重点を置くので、光技術を学びたい人はぜひ受講することを薦める。
この科目では、1単位あたり15時間の自学自習が求められる。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 科目の概要と評価方法(解説) 科目の概要と評価方法について理解する。
2週 自然光とレーザー光(解説) レーザー光の特徴について理解する。
3週 波動光学による取り扱い1(解説) マックスウェルの方程式から波動方程式を導く方法について理解する。
4週 波動光学による取り扱い2(解説) 波動方程式の平面波解から、光の伝搬定数について理解する。
5週 偏光(解説) 直線偏光、円偏光について理解する。
6週 反射と屈折(解説) スネルの法則、ブルースター角、光の干渉について理解する。
7週 コヒーレンス、回折、集光(解説) コヒーレントな光とは何か理解する。また、スリットからの回折、ブラッグ回折、及び、レンズによる集光について理解する。
8週 問題演習(演習) 前回までの章末問題が解けるようになる。
2ndQ
9週 前期中間試験 問題を解く
10週 光の閉じ込めと導波モード1(解説) スラブ光導波路の導波モードについて概要を理解する。
11週 光の閉じ込めと導波モード2(解説) 導波モードのカットオフについて理解する。
12週 光ファイバ(解説) 光ファイバの原理と種類の概要を理解する。
13週 レーザの原理 自然放出と誘導放出、反転分布、縦モードについて理解する。また、He-Neレーザの動作原理を理解する。
14週 半導体レーザ 直接遷移と間接遷移など半導体レーの原理や、その他の固体レーザについて概要を理解する。
15週 問題演習(演習) 前回までの章末問題が解けるようになる。
16週 期末試験の答案返却と解説(解説) 試験までの内容について理解を確実にする
後期
3rdQ
1週 位相板、波長版 位相板、波長板について動作を理解する。
2週 偏光子、光アイソレータ ウォラストンプリズム、多層膜光ビームスプリッタの動作を理解する。また、1/4波長板と偏光子で構成される光アイソレータの動作について理解する。
3週 波長フィルタ・分波素子1 プリズム、干渉フィルタ、多層膜反射について動作を理解する。
4週 波長フィルタ・分波素子2、非相反素子 波長分波グレーティング、ファラデー効果を用いた光アイソレータについて動作を理解する。
5週 光検出器 pinホトダイオードの動作の概要を理解する。
6週 光変調素子1 音響光学光変調器について動作を理解する。
7週 光変調素子2、光ビーム走査 電気光学光変調器の原理、及び、導波路型光変調器について動作を理解する。超音波光偏向器の動作を理解する。
8週 問題演習(演習) 前回までの章末問題が解けるようになる。
4thQ
9週 後期中間試験 問題を解く
10週 光ファイバ通信システム 分散、損失、多重化技術、光増幅技術について概要を理解する。
11週 光メモリ 光ディスクの原理、及び、非点収差法について理解する。
12週 光計測1 光パルス伝搬時間測定法、光強度変調法、レーザ干渉計、エンコーダについて動作を理解する。
13週 光計測2、 レーザードップラー速度計、光ジャイロについて動作を理解する。
14週 レーザ応用機器 バーコードリーダ、レーザプリンタなどの応用機器の動作を理解する。
15週 問題演習(演習) 前回までの章末問題が解けるようになる。
16週 総合試験の答案返却と解説(解説) 試験までの内容について理解を確実にする

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合9010100
基礎的能力000
専門的能力9010100
分野横断的能力000