高専3年次からの学科別クラスになり,本科卒業後の将来も見据えた個人と組織の成長への取り組みが必要であると考える.そのひとつとして,本教科では,社会的視野の拡大,社会的モラルの再確認および社会生活のマナーの習得を図ることで,PDCA(Plan-Do-Check-Act)サイクルを繰り返しながら,より良い自己とクラスの実現に向けて能動的に努力する姿勢と行動力を身に付けることが目標である.
到達目標は,下記を設定する.
1.自己評価とクラス目標立案,クラスの団結の醸成
2.奉仕活動,モラル・マナーの育成
3.社会的視野の拡大(自己と他者および地域)
4.社会的視野の拡大(自己と世界)
5.社会的視野の拡大(自己と進路)
6.自己とクラスの振返りと次年度以降への展望・計画
概要:
本キャンパスでは,3年次から学科別のクラス編成が行われるため,学校生活の多くの時間をほぼ同じクラスメートと共に過ごす.苦楽を共にするクラスメートと相互理解できることは,より良い又は記憶に残る学生生活のみならず,今後の人生でも非常に大切なことだと考える.また,3年次から専門科目数や本格的な実験実習が増え,普段から少しずつ人生の目標について考えていくことが求められる.
そこで,本科目では学生の進路選択も含めた人生の目標設定に寄与することを目的に,大きく分けて「自己評価とクラスの相互理解」,「モラル・マナー育成による人間力向上」と「社会的視野の拡大」を目標として学生による相互教示などを行い,日々の学生生活から考えてもらう.
授業の進め方・方法:
【授業の進め方】
2週を1セットとする.各1週目は,最初に授業の目的・目標と課題を設定し,各自で調査,発表資料の作成および発表練習を行う.各2週目は,発表と質疑応答を行い,内容の理解を深める.
【授業内容・方法】
授業内容は,下記の授業計画に従う.授業方法は,学生同士による教え合いと相互評価を基本とする.
注意点:
・自己評価とクラス目標立案,クラスの団結の醸成,自己とクラスの振返りと次年度以降への展望・計画
将来の自己実現や組織内での立ち居振る舞い,社会生活などの参考になることを自覚すること.
・モラル・マナーの育成
これらは,より良く生きていくために必要であることを自覚すること.
・社会的視野の拡大
3,4年次の研修旅行や海外学生との国際交流,自己の進路選択などに関わることを自覚すること.
・なお,個別の学習指導,特別講演会,クラス運営に関わる事項など必要があれば計画に関わらず優先して行う.
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス,クラスの団結の醸成 |
本授業で習得を目指す内容や評価方法,授業に関しての心構えなどを理解できる.
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2週 |
自己目標とクラスの共通意識の設定,クラスの団結の醸成 |
自己分析に基づく自己の3年間の具体的目標,クラスの相互理解に基づく共通意識を設定できる.
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3週 |
日本と海外の偉人を知る(1) |
「日本と海外の偉人」について,名言や生き様を踏まえたグループでの調査および3分間での発表資料作成ができる.
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4週 |
日本と海外の偉人を知る(2) |
「日本と海外の偉人」について,協力して発表および質疑応答ができる.
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5週 |
奉仕活動 |
奉仕活動を通じて,協力することの意義と社会奉仕について思考できる.
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6週 |
モラルの確認 |
技術者としてのモラルについて思考および発表できる.
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7週 |
マナーの育成(1) |
「社会生活でのマナー」について,グループでの調査および3分間での発表資料作成ができる.
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8週 |
マナーの育成(2) |
「社会生活でのマナー」について,協力して発表および質疑応答ができる.
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2ndQ |
9週 |
マナーの育成(3) |
「ビジネスマナー」ついて,グループでの調査および3分間での発表資料作成ができる.
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10週 |
マナーの育成(4) |
「ビジネスマナー」について,協力して発表および質疑応答ができる.
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11週 |
1.社会的視野の拡大 自己と他者および地域(1) |
「自己と他者との関わり」について,グループでの調査および3分間での発表資料作成ができる.
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12週 |
1.社会的視野の拡大 自己と他者および地域(2) |
「自己と他者との関わり」について,協力して発表および質疑応答ができる.
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13週 |
1.社会的視野の拡大 自己と他者および地域(3) |
「熊本や地元の文化および地理など」について,グループでの調査および3分間での発表資料作成ができる.
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14週 |
1.社会的視野の拡大 自己と他者および地域(4) |
「熊本や地元の文化および地理など」について,協力して発表および質疑応答ができる.
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15週 |
1.社会的視野の拡大 自己と他者および地域(5) |
「日本の文化や地理など」について,グループでの調査および3分間での発表資料作成ができる.
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16週 |
1.社会的視野の拡大 自己と他者および地域(6) |
「日本の文化や地理など」について,協力して発表および質疑応答ができる.
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後期 |
3rdQ |
1週 |
2.社会的視野の拡大 自己と世界(1) |
「第2次大戦後の世界の政治および経済」について,グループでの調査および3分間での発表資料作成ができる.
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2週 |
2.社会的視野の拡大 自己と世界(2) |
「第2次大戦後の世界の政治および経済」について,協力して発表および質疑応答ができる.
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3週 |
2.社会的視野の拡大 自己と世界(3) |
「世界の文化や地理など」ついて,グループでの調査および3分間での発表資料作成ができる.
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4週 |
2.社会的視野の拡大 自己と世界(4) |
「世界の文化や地理など」について,協力して発表および質疑応答ができる.
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5週 |
2.社会的視野の拡大 自己と世界(5) |
「今年起こった世界の時事問題」について,グループでの調査および3分間での発表資料作成ができる.
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6週 |
2.社会的視野の拡大 自己と世界(6) |
「今年起こった世界の時事問題」について,協力して発表および質疑応答ができる.
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7週 |
3.社会的視野の拡大 自己と進路(1) |
卒業生の進路先のうち,「東日本」に本社を置く企業について,グループでの調査および3分間での発表資料作成ができる.
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8週 |
3.社会的視野の拡大 自己と進路(2) |
卒業生の進路先のうち,「東日本」に本社を置く企業について,協力して発表および質疑応答ができる.
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4thQ |
9週 |
3.社会的視野の拡大 自己と進路(3) |
卒業生の進路先のうち,「西日本」に本社を置く企業について,グループでの調査および3分間での発表資料作成ができる.
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10週 |
3.社会的視野の拡大 自己と進路(4) |
卒業生の進路先のうち,「西日本」に本社を置く企業について,協力して発表および質疑応答ができる.
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11週 |
3.社会的視野の拡大 自己と進路(5) |
就職活動について,卒業生の作成資料などの調査を通じて,流れ,心構えや重要点を理解および説明できる.
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12週 |
3.社会的視野の拡大 自己と進路(6) |
興味のある企業について,模擬エントリーシートを作成および相互評価できる.
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13週 |
3.社会的視野の拡大 自己と進路(7) |
興味のある企業について,模擬面接に向けた準備ができる.
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14週 |
3.社会的視野の拡大 自己と進路(8) |
興味のある企業について,模擬面接および相互評価できる.
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15週 |
自己の振返りと次年度以降への展望・計画 |
1年間の自己分析に基づく評価と次年度以降の計画を立てることができる.
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16週 |
クラスの振返りと次年度以降への展望・計画 |
次年度以降のスケジュールに基づき,クラスの次年度以降の計画を立てることができる.
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
分野横断的能力 | 態度・志向性(人間力) | 態度・志向性 | 態度・志向性 | 周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。 | 3 | 前10 |
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。 | 3 | 前10 |
目標の実現に向けて計画ができる。 | 3 | 前10 |
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。 | 3 | 前10 |
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。 | 3 | 前10 |
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。 | 3 | 前10 |
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。 | 3 | 前10 |
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。 | 3 | 前10 |
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。 | 3 | 前10 |
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。 | 3 | 前10 |
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。 | 3 | 前10 |
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。 | 3 | 前10 |
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている | 3 | 前10 |
法令やルールを遵守した行動をとれる。 | 3 | 前10 |
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。 | 3 | 前10 |
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。 | 3 | 前10 |
自身の将来のありたい姿(キャリアデザイン)を明確化できる。 | 2 | 後14 |
その時々で自らの現状を認識し、将来のありたい姿に向かっていくために現状で必要な学習や活動を考えることができる。 | 2 | 後14 |
キャリアの実現に向かって卒業後も継続的に学習する必要性を認識している。 | 2 | 後14 |
これからのキャリアの中で、様々な困難があることを認識し、困難に直面したときの対処のありかた(一人で悩まない、優先すべきことを多面的に判断できるなど)を認識している。 | 2 | 後14 |
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業や大学等でどのように活用・応用されるかを説明できる。 | 2 | 後14 |
企業等における技術者・研究者等の実務を認識している。 | 2 | 後14 |
企業人としての責任ある仕事を進めるための基本的な行動を上げることができる。 | 2 | 後14 |
企業における福利厚生面や社員の価値観など多様な要素から自己の進路としての企業を判断することの重要性を認識している。 | 2 | 後14 |
企業には社会的責任があることを認識している。 | 2 | 後14 |
企業が国内外で他社(他者)とどのような関係性の中で活動しているか説明できる。 | 2 | 後14 |
技術者として、幅広い人間性と問題解決力、社会貢献などが必要とされることを認識している。 | 2 | 後14 |
技術者が知恵や感性、チャレンジ精神などを駆使して実践な活動を行った事例を挙げることができる。 | 2 | 後14 |
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。 | 2 | 後14 |
企業人として活躍するために自身に必要な能力を考えることができる。 | 2 | 後14 |
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。 | 2 | 後14 |