到達目標
①文学理論一般について基礎的な内容を理解し説明することができる。
②解釈という行為、あるいは作者・読者という存在の様態について理解し説明することができる。
③日本の近現代文学作品を精読し、上記の文学理論を踏まえたうえで内容を把握することができる。
④精読した作品について、自分なりの見解をもとに解釈を試み、提示することができる。
⑤任意の文学作品について自分なりの視点から書評を行い、提示することができる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
①文学理論一般について基礎的な内容を理解し説明することができる。 | 文学理論一般について、基礎的な内容を理解したうえで、それらを実際の作品の解釈に応用することができる。 | 文学理論一般について、基礎的な内容を理解し説明することができる。 | 文学理論一般について、基礎的な内容を理解できておらず、説明することができない。 |
②解釈という行為、あるいは作者・読者という存在の様態について理解し説明することができる。 | 解釈という行為、あるいは作者・読者という存在の様態について理解したうえで、それらを実際の作品の解釈に応用することができる。 | 解釈という行為、あるいは作者・読者という存在の様態について理解し説明することができる。 | 解釈という行為、あるいは作者・読者という存在の様態について理解できておらず、説明することができない。 |
③日本の近現代文学作品を精読し、上記の文学理論を踏まえたうえで内容を把握することができる。 | 作品を精読し、文学理論を踏まえたうえで内容を把握したうえで、作品の概要や論点を自分なりに説明することができる。 | 作品を精読し、文学理論を踏まえたうえで内容を把握することができる。 | 作品を精読することができない、また、内容を把握できない。 |
④精読した作品について、自分なりの見解をもとに解釈を試み、提示することができる。 | 作品に対して自分なりの解釈を持ち、それを説得的に提示・説明することができる。 | 作品に対して自分なりの解釈を持ち、それを提示することができる。 | 作品に対する解釈を持つことができない。 |
⑤任意の文学作品について自分なりの視点から書評を行い、提示することができる。 | 書評を作成し、それを説得的な方法で報告することにより提示できる。 | 書評を作成し、報告を行うことで提示することができる。 | 書評の作成および提示ができない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
前半は「文学とは?」「解釈とは?」「作品とは?」といったテーマで、文学理論に関する話題を取り上げつつみなさんに考察を深めていただきます。後半は、主に戦後~現在にかけての日本の文学作品を精読し、受講生の解釈を提示してもらうことを通じ、より深い読解を目指します。授業中に通読もしくは授業時間外でそれぞれ読むよう指示しますので、内容を頭に入れながらしっかりと作品を読むよう心掛けてください。みなさんには課題を通じて作品への解釈を提示してもらいます。そのうちのいくつかを毎時の授業で紹介する予定です。ですから、課題には“教員に提出する”という姿勢ではなく、“私の考えを皆に伝える”という意識で取り組んでください。講義の参加者それぞれが持っているユニークな視点が発揮されれば、読みの到達点はそれだけ高まるはずです。
授業の進め方・方法:
資料は適宜配布します。また、webclassにて資料の提供・課題の提出を実施しますので、授業中にもログインできるようにしておいてください。
また、定期試験に代わって、それまでの学習内容を振り返るワークを実施していただきます。それを含めて、毎時のレポート課題・書評の発表点等にて総合成績を算出します。普段の取り組みを、手を抜かずに積み重ねることが重要です。
書評について、詳細は授業で確認しますが、1回の授業あたり3人程度に報告をお願いし、学年末までには全員に発表していただく予定です。それぞれの価値観に基づいた推薦書にふれ、読書の幅を広げてください。また、報告の内容は書評集としてまとめる予定です。
注意点:
授業への質問や要望は、メール・チャット問わず随時受け付けます。
作品を読解するにあたっては、あなた独自の「読み」を展開できるように取り組んでください。独自の「読み」とは、作家論的背景や同時代的状況を抑えつつも、既存の読解・固定観念にとらわれることなく、あなた自身の感性で作品に向き合うことで生まれてきます。毎時の課題にて、皆さんの多様な「読み」が展開されることを期待しています。伸びやかな感性・柔軟な思考で授業に取り組んでください。
■自主学習について
【事前学習】次回の学習内容についてあらかじめ確認を行い、必要な資料等に目をとおしておくこと。
【事後学習】授業内容を振り返り、提示された課題に期日までに回答すること。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
「文学」とは何か |
「文学」の定義について、様々な資料を読み解きながら考え、自分なりに考えることができる。
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2週 |
「文学」とは何か(2) |
「文学」の定義について、実際の作家による言及に基づいて考えを深めることができる。また、自分の考えをもとにグループで意見交換ができる。
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3週 |
「解釈」とは何か(1) |
「解釈」という行為について、「となりのトトロ」を題材として検討することができる。
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4週 |
「解釈」とは何か(2) |
「解釈」という行為を巡る議論について、整理することができる。また、グループで意見交換ができる。
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5週 |
「解釈」とは何か(3) |
「解釈」という行為のあり方について、これまでの学習を踏まえて整理することができる。
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6週 |
「作者/読者」とは何か(1) |
「作者/読者」という存在の様態について、資料を読み解き理解することができる。
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7週 |
「作者/読者」とは何か(2) |
「作者/読者」という存在の様態について、テクスト理論を踏まえて自分なりに説明することができる。
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8週 |
〔中間時点での学習内容振り返り〕 |
これまでの学びを振り返り、ポートフォリオに整理して記述することができる。
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4thQ |
9週 |
太宰治の文学(1) |
太宰治の作家的背景について理解し、短編小説を精読できる。
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10週 |
太宰治の文学(2) |
太宰治の短編小説に関する解釈を共有し、読みを深めることができる。また、前半に学習した文学理論を適用して議論することができる。
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11週 |
三島由紀夫の文学(1) |
三島由紀夫の作家的背景について理解し、短編小説を精読できる。
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12週 |
三島由紀夫の文学(2) |
三島由紀夫の短編小説に関する解釈を共有し、読みを深めることができる。また、前半に学習した文学理論を適用して議論することができる。
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13週 |
村上春樹の文学(1) |
村上春樹の作家的背景について理解し、短編小説を精読できる。
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14週 |
村上春樹の文学(2) |
村上春樹の短編小説に関する解釈を共有し、読みを深めることができる。また、前半に学習した文学理論を適用して議論することができる。
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15週 |
〔期末時点での学習内容振り返り〕 |
授業全体での学びを振り返り、ポートフォリオに整理して記述することができる。
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| レポート | 書評報告 | 学修内容の振り返り | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 10 | 10 | 100 |
基礎的能力 | 80 | 10 | 10 | 100 |
専門的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 |