国際社会と文化

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 国際社会と文化
科目番号 0100 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 情報通信エレクトロニクス工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 1
教科書/教材 前半部では、配付プリントに基づいて授業を進める。参考文献について、授業内で適宜紹介する。
担当教員 伊藤 利明,遠山 隆淑

到達目標

【前半部】
① 西洋文化の中心を構成するキリスト教の思想について概略的に理解できる。
② 原始キリスト教から近代までのキリスト教の歴史を学び、これが西洋の政治や社会に与えた影響を理解する。
③ キリスト教を素材に、政治と宗教との関係について理解する。

【後半部】
①文化の多様性について、理解し説明できる。
②グローバル化に潜む諸問題について、理解し説明できる。
③文化の差異によって起こる紛争について、理解し説明できる。
④多文化世界のなかでの共存のための模索について、理解し説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
キリスト教の思想について、理解し説明できる。キリスト教の思想について、イエスの「愛」という言葉から説明できる。キリスト教の思想について、イエスの「愛」という言葉から理解できる。キリスト教の思想について、イエスの「愛」という言葉から理解できない。
カトリック教会の特色について、理解し説明できる。カトリック教会の特色について、アウグスティヌスの思想から説明できる。カトリック教会の特色について、アウグスティヌスの思想から理解できる。カトリック教会の特色について、アウグスティヌスの思想から理解できない。
カトリックとプロテスタントの宗教思想上の違いを理解し、説明できる。カトリックとプロテスタントの宗教思想上の違いを説明できる。カトリックとプロテスタントの宗教思想上の違いを理解できる。カトリックとプロテスタントの宗教思想上の違いを理解できない。
キリスト教が西洋の政治や文化に与えた影響を理解し、説明できる。キリスト教が西洋の政治や文化に与えた影響を説明できる。キリスト教が西洋の政治や文化に与えた影響を理解できる。キリスト教が西洋の政治や文化に与えた影響を理解できない。
文化とは何か、特長について理解し説明できる。文化とは何か、国内外の文化の違いや多様性について、深く理解し、詳しく説明できる。文化とは何か、国内外の文化の違いや多様性について、おおむね理解しており、簡単に説明できる。文化とは何か、国内外の文化の違いや多様性について、全く理解しておらず、説明できない。
グローバル・スタンダードについて理解し、説明できる。 日本文化論Ⅰ 『菊と刀』の内容について理解し、説明できる。2つのグローバル・スタンダードの違いや、ルース・ベネディクトの『菊と刀』の内容についてに、深く理解し、詳しく説明できる。2つのグローバル・スタンダードの違いや、ルース・ベネディクトの『菊と刀』の内容についてに、おおむね理解しており、簡単に説明できる。2つのグローバル・スタンダードの違いや、ルース・ベネディクトの『菊と刀』の内容についてに、全く理解しておらず、説明できない。
日本文化論Ⅱ 『タテ社会の人間関係』・『甘えの構造』の内容について理解し、説明できる。中根千枝の『タテ社会の人間関係』と土居健郎の『甘えの構造』の内容について、深く理解し、詳しく説明できる。中根千枝の『タテ社会の人間関係』と土居健郎の『甘えの構造』の内容について、おおむね理解しており、簡単に説明できる。中根千枝の『タテ社会の人間関係』と土居健郎の『甘えの構造』の内容について、全く理解しておらず、説明できない。
日本文化論Ⅲ 『恥の文化再考』・『「日本らしさ」の再発見』の内容について理解し、説明できる。作田啓一の『恥の文化再考』と浜口恵俊『「日本らしさ」の再発見』の内容について、深く理解し、詳しく説明できる。作田啓一の『恥の文化再考』と浜口恵俊『「日本らしさ」の再発見』の内容について、おおむね理解しており、簡単に説明できる。作田啓一の『恥の文化再考』と浜口恵俊『「日本らしさ」の再発見』の内容について、全く理解しておらず、説明できない。
マクドなるダイゼーションについて理解し、説明できる。ジョージ・リッツアの指摘する合理的で効率的なマクドナルド化が多くの領域、多くの地域で影響力を持つようになる過程とその問題点について、深く理解し説明できる。ジョージ・リッツアの指摘する合理的で効率的なマクドナルド化が多くの領域、多くの地域で影響力を持つようになる過程とその問題点について、おおむね理解し説明できる。ジョージ・リッツアの指摘する合理的で効率的なマクドナルド化が多くの領域、多くの地域で影響力を持つようになる過程とその問題点について、全く理解しておらず、説明できない。
ディズニーゼーションについて理解し、説明できる。アラン・ブライトマンの指摘するディズニー・テーマパークの諸原理が、世界の様々な分野に波及するようになってきた過程とその問題点について、深く理解し説明できる。アラン・ブライトマンの指摘するディズニー・テーマパークの諸原理が、世界の様々な分野に波及するようになってきた過程とその問題点について、おおむね深く理解し説明できる。アラン・ブライトマンの指摘するディズニー・テーマパークの諸原理が、世界の様々な分野に波及するようになってきた過程とその問題点について、全く理解しおらず、説明できない。
コカ・コロニゼーションについて理解し、説明できる。マクドなるダイゼーションについて深く理解し、説明できる。コカ・コロニゼーションについて、おおむね理解し、説明できる。コカ・コロニゼーションについて、全く理解しておらず、説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
【前半部】キリスト教の思想(イエス、アウグスティヌス、プロテスタンティズム)に注目しながら、原始キリスト教から主に18世紀までのキリスト教の歴史を概観する。
【後半部】世界には多様な文化が存在するが、グローバル化が進むにつれ、画一化による圧迫をうけている文化が存在し、様々な問題が生じている。このようなことについて説明し、多文化世界での相互理解、共存の可能性について考える。
授業の進め方・方法:
【前半部】講義形式。担当教員が配布する講義プリントに沿って授業を進める。
【後半部】講義形式。授業ファイルは、teamsにアップする。授業毎に確認テストを行う。
注意点:
 国際社会で主体的に生きる民主的・平和的なエンジニアを養成するための科目であり、コアカリキュラムの学習内容である「人間活動と社会」・「文化と社会」・「自己と社会」・「社会の仕組みと公正な社会」・「科学技術と人間」・「国際社会と国際平和」を網羅するものである。
【前半部】講義プリントに沿って授業を進めるが、プリントは授業内容の骨格しか書かれていないものであるため、きちんと講義を聴いて、しっかりとノートを取ること。
【後半部】定期試験の成績を8割、授業ごとの課題テストを2割として積算し、平均して評価する。
 総合評価は、前半部と後半部の成績を平均して評価する。総合評価で60%以上を得点すれば目標達成とみなす。試験(追試験を含む)を受験しなかった場合の当該試験の評価は、0点とする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス(講義前半の内容) ユダヤ教とイエスを理解し、説明できる。
2週 原始キリスト教(1) イエスの「愛」を理解し、説明できる。
3週 原始キリスト教(2) 使徒・使徒後時代・キリスト教の展開を理解し、説明できる。
4週 カトリック教会の思想(1) アウグスティヌスとその時代を理解し、説明できる。
5週 カトリック教会の思想(2) アウグスティヌスの思想と中世ヨーロッパを理解し、説明できる。
6週 宗教改革(1) ルター、カルヴァンと大陸の宗教改革を理解し、説明できる。
7週 宗教改革(2) アングロサクソン世界の宗教改革を理解し、説明できる。
8週 中間試験 これまでの授業の理解を確認する
4thQ
9週 ガイダンス(授業方針と成績評価)
文化の多様性
文化とは何か、国内外の文化の違いや多様性について、理解し説明できる。
10週 グローバル・スタンダード
日本文化論Ⅰ 『菊と刀』
日本文化論の古典の一つに挙げられるルースベネディクトの西欧の「罪の文化」と日本の「恥の文化」について、理解し説明できる。
11週 日本文化論Ⅱ 『タテ社会の人間関係』・『甘えの構造』 中根千枝の「場」による集団によってできている日本の「タテ社会」論や土居健郎の「甘え」の心理から分析した日本文化論について、理解し説明できる。
12週 日本文化論Ⅲ 『恥の文化再考』・『「日本らしさ」の再発見』 作田啓一の「羞恥」の概念や浜口恵俊の「間人主義」の概念からの日本文化論について、理解し説明できる。
13週 マクドナルダイゼーション ジョージ・リッツアの指摘する合理的で効率的なマクドナルド化が多くの領域、多くの地域で影響力を持つようになる過程とその問題点について、理解し説明できる。
14週 ディズニーゼーション アラン・ブライトマンの指摘するディズニー・テーマパークの諸原理が、世界の様々な分野に波及するようになってきた過程とその問題点について、理解し説明できる。
15週 コカ・コロニゼーション コカ・コーラに象徴されるアメリカの文化が他国に移植され、その国の文化を変容させる過程とその問題点について、理解し説明できる。
16週 後期期末試験
答案返却
後期期末試験の答案返却と解説を行う。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学社会地理歴史的分野民族、宗教、生活文化の多様性を理解し、異なる文化・社会が共存することの重要性について考察できる。3
近代化を遂げた欧米諸国が、19世紀に至るまでに、日本を含む世界を一体化していく過程について、その概要を説明できる。3
帝国主義諸国の抗争を経て二つの世界大戦に至る日本を含む世界の動向の概要を説明し、平和の意義について考察できる。3
第二次世界大戦後の冷戦の展開からその終結に至る日本を含む世界の動向の概要を説明し、そこで生じた諸問題を歴史的に考察できる。3
公民的分野自己が主体的に参画していく社会について、基本的人権や民主主義などの基本原理を理解し、基礎的な政治・法・経済のしくみを説明できる。3
現代社会の考察現代社会の特質や課題に関する適切な主題を設定させ、資料を活用して探究し、その成果を論述したり討論したりするなどの活動を通して、世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現について人文・社会科学の観点から展望できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合90000010100
基礎的能力90000010100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000