計算機工学II

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 計算機工学II
科目番号 TE306 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 情報通信エレクトロニクス工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 定平誠、須藤智共著,平成28年度【春期】【秋期】基本情報技術者合格教本(情報処理技術者試験),技術評論社
担当教員 葉山 清輝

到達目標

マイコンがどのように使われているかを理解し,基本的なデジタル入出力回路とアナログ入出力回路が説明できる.簡単なプログラムにより,デジタル,アナログの信号処理を行なうことができる.
タイマー割込み,外部割込みなど割り込みを使った処理の概念を理解し,簡単な処理プログラムが書ける.通信方法を理解し,マイコン間の通信を使ったプログラムを作成できる.
汎用のコンピュータのハードウェア構成要素およびソフトウェア技術要素の概略を理解し説明できる.
コンピュータシステムの開発,設計,ソフトウェアのテストとデバッグの保守運用,システム戦略について概略を理解し,説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
マイコンの基礎マイコンがどのように使われているかを理解し,基本的なデジタル入出力回路とアナログ入出力回路が説明できる.プログラムにより,高度なデジタル,アナログの信号処理を行なうことができる.マイコンがどのように使われているかを理解し,基本的なデジタル入出力回路とアナログ入出力回路が説明できる.簡単なプログラムにより,デジタル,アナログの信号処理を行なうことができる.マイコンがどのように使われているかを理解していない.基本的なデジタル入出力回路とアナログ入出力回路が説明できない.デジタル,アナログの信号処理を行なうプログラムが作成できない.
マイコンの利用タイマー割込み,外部割込みなど割り込みを使った処理の概念を理解し,高度な処理プログラムが書ける.複数の通信方法を理解し,用途に適した通信方式を使ったシステムを作ることができる.タイマー割込み,外部割込みなど割り込みを使った処理の概念を理解し,簡単な処理プログラムが書ける.通信方法を理解し,マイコン間の通信を使ったプログラムを作成できる.タイマー割込み,外部割込みなど割り込みを使った処理の概念が理解できない.マイコン間の通信を行なうプログラムが作成できない.
コンピュータシステムと技術要素汎用のコンピュータのハードウェア構成要素およびソフトウェア技術要素について詳細に理解し,説明できる.汎用のコンピュータのハードウェア構成要素およびソフトウェア技術要素の概略を理解し説明できる.汎用のコンピュータのハードウェア構成要素およびソフトウェア技術要素の概略を理解できない.
ソフトウェア開発技術コンピュータシステムの開発,設計,ソフトウェアのテストとデバッグの保守運用,システム戦略について詳細に理解し,説明できる.コンピュータシステムの開発,設計,ソフトウェアのテストとデバッグの保守運用,システム戦略について概略を理解し,説明できる.コンピュータシステムの開発,設計,ソフトウェアのテストとデバッグの保守運用,システム戦略について概略を理解できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
この科目の前期で市販の小規模な計算機であるマイコンを使った学習と演習を行う.後期には,基本情報技術者試験に出題される程度の計算機のハードウェアに関する問題を題材に学習を行う.
授業の進め方・方法:
前期は実際にマイクロコンピュータ(マイコン)を用いた演習を主に学習,後期は基本情報技術者の教本を用い,「マイコンを使った簡単な信号の入出力とプログラミングができる」「マイコンを使って外部機器の制御ができる」「基本情報技術者試験の問題程度が解ける」ようになるよう,授業を進める.中間試験および定期試験では,試験期毎に学習した内容について試験する.試験毎に,基礎的問題から応用問題までを出題する.適宜課題を出し,レポートを提出させる.4回の定期試験毎の評価平均を年間総合評価とする.
注意点:
規定授業時間数:60
前期はマイコンとPCを使った演習が主なので、授業中に気を抜かないように説明をよく聞きながら受講するように.後期はテキストの解説と演習が主となる.質問は授業中でも電子メール(iga@cs.kumamoto-u.ac.jp)でも随時受け付ける.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 本授業の概要,学習の進め方,本科目の評価法などの全体的ガイダンスを行う.
2週 Arduino入門 AVRマイコンを使った開発環境であるArduinoの基礎を学ぶ.
3週 Arduinoによる信号入出力(1) Arduinoを使った信号入出力を学ぶ.
4週 Arduinoによる信号入出力(2) Arduinoを使ったデジタル信号の入出力ができる.
5週 Arduinoによる信号入出力(3) Arduinoを使ったアナログ信号の入出力ができる.
6週 Arduinoによる時間処理と割込み処理(1) Arduinoを使った時間処理と割込み処理を学ぶ.
7週 Arduinoによる時間処理と割込み処理(2) Arduinoを使った時間処理ができる.
8週 Arduinoによる時間処理と割込み処理(3) Arduinoを使った割込み処理ができる.
2ndQ
9週 中間試験
10週 Arduinoによる通信と外部機器の制御(1) Arduinoを使った機器間通信を学ぶ.
11週 Arduinoによる通信と外部機器の制御(2) Arduinoを使ったシリアル通信などの機器間通信ができる.
12週 Arduinoによる通信と外部機器の制御(3) Arduinoを使った外部機器の制御を学ぶ.
13週 Arduinoによる通信と外部機器の制御(4) Arduinoを使って外部機器を制御するプログラムが作成できる.
14週 復習(前期)
15週 定期試験
16週 答案返却
後期
3rdQ
1週 コンピュータのシステム(1) コンピュータの構成要素と動作原理,周辺機器について理解し,説明できる.
2週 コンピュータのシステム(2) システム構成要素,オペレーティングシステムについて理解し,説明できる.
3週 コンピュータのシステム(3) 記憶管理,ファイルシステムについて理解し,説明できる.
4週 コンピュータのシステム(4) コンピュータのシステムについて理解し,説明できる.
5週 コンピュータの技術要素(1) マルチメディアについて理解し,説明できる
6週 コンピュータの技術要素(2) データベースについて理解し,説明できる.
7週 コンピュータの技術要素(3) ネットワークについて理解し,説明できる.
8週 中間試験
4thQ
9週 コンピュータの技術要素(4) セキュリティについて理解し,説明できる.
10週 ソフトウェア開発技術(1) システム開発について理解し,説明できる.
11週 ソフトウェア開発技術(2) システム設計について理解し,説明できる.
12週 ソフトウェア開発技術(3) テストとデバッグについて理解し,説明できる.
13週 ソフトウェア開発技術(4) 保守・運用と開発手法について理解し,説明できる.
14週 復習(後期)
15週 定期試験
16週 答案返却

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野計算機工学整数・小数を2進数、10進数、16進数で表現できる。2後1
整数・小数をコンピュータのメモリ上でディジタル表現する方法を説明できる。2後1
基数が異なる数の間で相互に変換できる。2後1
基本的な論理演算を行うことができる。2後2
基本的な論理演算を組合わせて、論理関数を論理式として表現できる。2後2
論理式の簡単化の概念を説明できる。2後2
コンピュータを構成する基本的な要素の役割とこれらの間でのデータの流れを説明できる。2後4
プロセッサを実現するために考案された主要な技術を説明できる。2後4
入出力を実現するために考案された主要な技術を説明できる。2前3

評価割合

試験発表合計
総合評価割合1000100
基礎的能力30030
専門的能力70070
分野横断的能力000