概要:
3年次で学習したトランジスタとFETの動作を基にして,4年次では,その応用回路として電力増幅器,発振回路,パルス回路および電源回路を通して,トランジスタとFETの大振幅動作,小振幅動作およびスイッチング動作を修得する.回路をブラックボックスで考えるのではなく,原理からどのようにして動作しているのかに重点を置く.
授業の進め方・方法:
主に,板書を中心に回路図を描いて,回路の動作をブラックボックスではなく,原理に基づいて説明している.公式を暗記して代入することは意味がないので,等価回路を描いて回路の特性を解析的に導出している.年4回の試験の他に,年8回の小テスト(15分程度)を実施して,学生の理解度を測っている.また,年4回のレポートも課している.小テストやレポートに類似した問題を定期試験でも出題している.欠席した学生や授業だけで理解できなかった学生のために,過去の講義の動画2年分を閲覧できるようにしている.
注意点:
本科目は,第1級陸上無線技術士の国家試験との関連性が深く,能動素子の応用を学ぶ重要な科目である.この科目の講義内容について十分に復習して受講することが望まれる.専門用語は英語でも併記します.質問は授業中でも教員室でも随時受け付ける.
本科目は放課後・家庭で年間30時間程度の自学学習が課せられる.年4回のレポート作成と年8回の小テストおよび年4回の定期試験の勉強で自宅学習を確保している.
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス,電力増幅器の種類と分類,注意する点,効率 |
本授業の概要,学習の進め方,本科目の評価法などの理解できる.電力増幅器の種類,動作点による分類,注意する点,効率について説明できる.
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2週 |
A級増幅器の動作と効率 |
A級増幅器についてに動作を説明し,効率の式を導出できる.
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3週 |
B級プッシュプル増幅器の動作と効率,クロスオーバー歪みと対策,SEPP回路 |
B級プッシュプル増幅器の動作を説明し,効率の式を導出できる.クロスオーバー歪みと対策,SEPP回路について説明できる.
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4週 |
SEPP回路の変形,相補対称のSEPP回路,B級高周波増幅器の原理と効率の導出 |
SEPP回路の変形,相補対称のSEPP回路,B級高周波増幅器の動作を説明し,効率の式を導出できる.
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5週 |
B級高周波増幅器の原理と効率の導出,C級電力増幅器の原理と効率 |
B級高周波増幅器の原理と効率の導出,C級電力増幅器の原理と効率について説明できる.
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6週 |
インピ-ダンス変換増幅器(エミッタホロワ と ソースホロワ) |
インピ-ダンス変換増幅器(エミッタホロワ と ソースホロワ)の動作を説明し,動作量を導出できる.
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7週 |
演算増幅器を用いた積分器と微分器,雑音指数,増幅器の雑音,トランジスタの雑音 |
演算増幅器を用いた積分器と微分器,雑音指数,増幅器の雑音,トランジスタの雑音について説明できる.
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8週 |
発振回路,ループ利得とキルヒホッフによる発振条件,ナイキストの判定条件,発振が成長する過程 |
発振回路,ループ利得とキルヒホッフによる発振条件,ナイキストの判定条件,発振が成長する過程について説明できる.
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2ndQ |
9週 |
中間試験 |
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10週 |
試験問題回答返却と解説,発振回路のキルヒホッフの法則による解法,RC発振器,移相発振器,並列(or直列)入力形移相発振器(進or遅相形) |
発振回路のキルヒホッフの法則による解法,RC発振器,移相発振器,並列(or直列)入力形移相発振器(進or遅相形)の発振条件を等価回路を描いて導出できる.回路図から回路名を判断できる.
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11週 |
ターマン発振器,ウィーンブリッジ発振器,RC発振器の実際 |
ターマン発振器,ウィーンブリッジ発振器の発振条件を等価回路を描いて導出できる.RC発振器の実際について説明できる.
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12週 |
LC発振器,回路名の見分け方,コルピッツ発振器,ハートレー発振器 |
LC発振器,回路名の見分け方,コルピッツ発振器,ハートレー発振器の発振条件を等価回路を描いて導出できる.
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13週 |
FET(Tr)発振器の発振条件,Tr (FET)三点接続発振器,バルクハウゼンの発振条件 |
FET(Tr)発振器の発振条件,Tr (FET)三点接続発振器,バルクハウゼンの発振条件について説明できる.
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14週 |
LC発振器の周波数安定化,LC発振器の実際 |
LC発振器の周波数安定化とLC発振器の実際について波形を描いて動作を説明できる.
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15週 |
定期試験 |
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16週 |
試験問題回答返却と解説,水晶発振器,機械系と電気系の対応,水晶振動子のリアクタンスの周波数特性,二端子発振器の発振条件,負抵抗発振器,負コンダクタンス発振器 |
水晶発振器,機械系と電気系の対応,水晶振動子のリアクタンスの周波数特性,二端子発振器の発振条件,負抵抗発振器,負コンダクタンス発振器について説明できる.
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後期 |
3rdQ |
1週 |
ダイオードのパルス応答,トランジスタのパルス応答 |
ダイオードのパルス応答,トランジスタのパルス応答について波形を描いて動作を説明できる.
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2週 |
マルチバイブレータの分類,無安定マルチバイブレータ(回路,動作,波形) |
マルチバイブレータの分類,無安定マルチバイブレータ(回路,動作,波形)について説明できる.
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3週 |
単安定マルチバイブレータ(回路,動作,波形) |
単安定マルチバイブレータ(回路,動作,波形)について波形を描いて動作を説明できる.
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4週 |
双安定マルチバイブレータ(回路,動作,波形),スピードアップコンデンサ |
双安定マルチバイブレータ(回路,動作,波形),スピードアップコンデンサについて波形を描いて動作を説明できる.
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5週 |
波形整形回路,リミッタ,クリッパ,スライサ,クランパ |
波形整形回路,リミッタ,クリッパ,スライサ,クランパについて波形を描いて動作を説明できる.
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6週 |
ミラー積分器 |
ミラー積分器(理想回路の解析と増幅度A倍の解析での等価回路)について波形を描いて動作を説明できる.
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7週 |
ブートストラップ回路,コンパレータ |
ブートストラップ回路,コンパレータについて波形を描いて動作を説明できる.
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8週 |
中間試験 |
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4thQ |
9週 |
試験問題回答返却と解説,シュミット回路,単相半波整流回路,単相全波整流回路 |
シュミット回路,単相半波整流回路,単相全波整流回路について波形を描いて動作を説明できる.
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10週 |
全波ブリッジ,倍電圧回路,コッククロフトウォルトン回路 |
全波ブリッジ,倍電圧回路,コッククロフトウォルトン回路について波形を描いて動作を説明できる.
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11週 |
多相整流回路(Max,Min回路),三相整流回路のトランスの結線方法 |
多相整流回路(Max,Min回路),三相整流回路について波形を描いて動作を説明でき,トランスの結線方法が描ける.
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12週 |
三相半波・全波整流回路,平滑回路(コンデンサ入力形),リプルとスパイク電圧,なぜ送電線の電圧は高い? |
三相半波・全波整流回路,平滑回路(コンデンサ入力形),リプルとスパイク電圧について波形を描いて動作を説明できる.なぜ送電線の電圧は高いか図と式で説明できる.
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13週 |
チョーク入力形平滑回路,CとLの機械的モデル,整流器の逆電圧,整流効率,電圧変動率,電力変換効率 |
チョーク入力形平滑回路,CとLの機械的モデル,整流器の逆電圧,整流効率,電圧変動率,電力変換効率について図と式を用いて説明できる.
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14週 |
電圧安定化回路(ドロッパ形電源),電源の安定指数や出力抵抗,効率が低いとなぜ小形化できないか?,ICのパスコン |
電圧安定化回路(ドロッパ形電源),電源の安定指数や出力抵抗について説明できる.効率が低いとなぜ小形化できないか図と式で説明できる.ICのパスコンについて波形を描いて動作を説明できる.
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15週 |
定期試験 |
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16週 |
試験問題回答返却と解説 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系 | 電気回路 | 電荷と電流、電圧を説明できる。 | 3 | |
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。 | 3 | |
キルヒホッフの法則を説明し、直流回路の計算に用いることができる | 4 | |
合成抵抗や分圧・分流の考え方を説明し、直流回路の計算に用いることができる。 | 3 | |
重ねの理を説明し、直流回路の計算に用いることができる。 | 3 | |
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。 | 3 | |
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。 | 2 | |
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。 | 3 | |
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。 | 3 | |
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。 | 2 | |
R,L,C素子における正弦波交流電圧と電流の関係を説明できる。 | 3 | |
瞬時値を用いて、簡単な交流回路の計算ができる。 | 3 | |
フェーザを用いて、簡単な交流回路の計算ができる。 | 2 | |
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。 | 3 | |
正弦波交流の複素表示を説明し、これを交流回路の計算に用いることができる。 | 3 | |
キルヒホッフの法則を説明し、交流回路の計算に用いることができる。 | 3 | |
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を説明し、これらを交流回路の計算に用いることができる。 | 3 | |
網目電流法や節点電位法を用いて交流回路の計算ができる。 | 2 | |
重ねの理やテブナンの定理等を説明し、これらを交流回路の計算に用いることができる。 | 3 | |
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。 | 2 | |
相互誘導を説明し、相互誘導回路の計算ができる。 | 3 | |
理想変成器を説明できる。 | 3 | |
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。 | 2 | |
RL直列回路やRC直列回路等の単エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。 | 3 | |
RLC直列回路等の複エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。 | 3 | |
電磁気 | 電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。 | 1 | |
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。 | 1 | |
自己誘導と相互誘導を説明でき、自己インダクタンス及び相互インダクタンスに関する計算ができる。 | 2 | |
電子回路 | ダイオードの特徴を説明できる。 | 3 | |
バイポーラトランジスタの特徴と等価回路を説明できる。 | 3 | |
FETの特徴と等価回路を説明できる。 | 3 | |
利得、周波数帯域、インピーダンス整合等の増幅回路の基礎事項を説明できる。 | 4 | |
トランジスタ増幅器のバイアス方法を説明できる。 | 3 | |
演算増幅器の特性を説明できる。 | 4 | |
反転増幅器や非反転増幅器等の回路を説明できる。 | 4 | |
電子工学 | 真性半導体と不純物半導体を説明できる。 | 1 | |
pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。 | 2 | |
バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。 | 1 | |
電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。 | 2 | |
電力 | 三相交流における電圧・電流(相電圧、線間電圧、線電流)を説明できる。 | 2 | |
変圧器の原理、構造、特性を説明でき、その等価回路が理解できる。 | 3 | |
半導体電力変換装置の原理と働きについて説明できる。 | 1 | |