電子通信工学実験II

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 電子通信工学実験II
科目番号 TE411 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 情報通信エレクトロニクス工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材 電子通信工学実験Ⅱ
担当教員 芳野 裕樹,下塩 義文,松田 豊稔,新谷 洋人,大木 真

到達目標

専門科目の座学で得られた知識を実験に活用できる。技術者として必要な実験技術を学び、実践できる。PBL (Problem Based Learning) を通して創造的、協調的なものづくりができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
情報、通信、エレクトロニクスに関する基本的な理解情報、通信、エレクトロニクスに関する基本的な働きを完全に理解し、関連ソフトを正確に利用することができる。情報、通信、エレクトロニクスに関する基本的な働きを理解し、関連ソフトを利用することができる。情報、通信、エレクトロニクスに関する基本的な働きを理解できない。
実験方法の理解と機器の取り扱い実験の方法を完全に理解し、使用する測定機器を正確に取り扱うことができる。実験の方法を理解し、使用する測定機器を取り扱うことができる。実験の方法を理解できず、測定機器を扱うことができない。
与えられた課題を解決する能力与えられた課題を完全に解決し、それを応用、発展、改善することができる。与えられた課題を解決することができる。与えられた課題を解決することができない。
結果の処理、グラフの書き方、報告書のまとめ方結果の処理、グラフの書き方を完全に理解し、報告書として的確にまとめることができる。結果の処理、グラフの書き方を理解し、報告書としてまとめることができる。結果の処理、グラフの書き方を理解しておらず、報告書としてまとめることができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
電気・電子系分野の知識を講義と連動した実験・実習を通して理解するとともに、模範に沿って確実に実験を遂行し、データを整理し考察ができることを基本的な目的とする。
1.レポートをきちんと作れる能力を養う(吟味・考察,プレゼン) 
2.基本的な実験装置を取扱う能力を養う(選ぶことまで含めて・機材と測定法) 
3.基本的な理論を理解しながら測定する力を身につける。
授業の進め方・方法:
実験ノートのグラフ、計算、有効数値などをチェックするとともに、吟味・考察、まとめ、研究事項が適切に行われているかを評価する。PBLにおいては、仕様書と出来上がった作品を評価する一方、グループの構成員による相互評価も行う。また、PBL実験では発表会を行う。ローテーション実験では、レポート90点、各レポートの内容を英語でまとめたアブストラクトが10点、合計100点とする。PBLでは、仕様書および相互評価80点、プレゼンテーション20点とする。この科目の評価は、ローテーション実験 50%、PBL 50% で総合して評価する。60%以上の得点率で目標達成とみなす。レポートの提出期限に遅れたものは1週間につき20点減点する。
注意点:
電子回路学、電子工学、電気磁気学、プログラミング、計算機工学などで学習した理論を有機的に関連づけて実験を行い、問題解決能力を養うことが大切である。
授業時間数は90とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 物理、化学、情報、工学についての基礎的原理や現象を、実験を通じて理解できる。
基礎的原理や現象を理解するための実験手法、実験手順、実験データ処理法等について理解する。
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の取扱いに慣れ、安全に実験を行うことができる。
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の進め方について理解し、実践できる。
実験テーマの内容を理解し、実験・測定結果の妥当性評価や考察等について論理的な説明ができる。
実験ノートの記述、及び実験レポートの作成の方法を理解し、実践できる。
2週 技術英語 毎週の実験内容について概要を英文でまとめ、英語でディスカッションできる。
3週 スペクトラムアナライザ
スペクトラムアナライザの動作原理を理解し、TV放送波の周波数スペクトル分布を測定することができる。
4週 ホール効果
ホール効果の動作原理を説明できる。
5週 パルス回路 振幅操作回路やのこぎり波発生回路の動作原理を理解し説明できる。
6週 伝送線路 伝送線路の信号伝播について、時間的、位置的な波形を説明できる。
7週 低周波発振器 低周波発振器の原理を理解し説明できる。
8週 過渡現象 過渡現象の原理を理解し説明できる。
2ndQ
9週 AM変復調 AM変復調器の原理を説明でき、特性を測定できる。
10週 磁界と磁化 磁界と磁化について説明でき、特性を測定できる。
11週 ネットワークアナライザ ネットワークアナライザの動作原理を理解し、高周波回路の通過・反射電力の周波数特性を測定することができる。
12週 安定化電源 安定化電源の動作原理を説明でき、説明できる。
13週 フィルタ フィルタのFETの動作原理を説明でき、特性を測定できる。
14週 FM変復調
FM変復調器の原理を説明でき、特性を測定できる。
15週 PBL実験1 情報系/ネットワーク系関連事項についてのグループワークに取り組み、制作物の設計、製作、評価、および必要となる知識や情報の収集/調査を行うことができる。
16週
後期
3rdQ
1週 研修旅行
2週 PBL実験1 情報系/ネットワーク系関連事項についてのグループワークに取り組み、制作物の設計、製作、評価、および必要となる知識や情報の収集/調査を行うことができる。
3週 PBL実験1 情報系/ネットワーク系関連事項についてのグループワークに取り組み、制作物の設計、製作、評価、および必要となる知識や情報の収集/調査を行うことができる。
4週 PBL実験1 情報系/ネットワーク系関連事項についてのグループワークに取り組み、制作物の設計、製作、評価、および必要となる知識や情報の収集/調査を行うことができる。
5週 PBL実験1 情報系/ネットワーク系関連事項についてのグループワークに取り組み、制作物の設計、製作、評価、および必要となる知識や情報の収集/調査を行うことができる。
6週 PBL実験2 通信系関連事項についてのグループワークに取り組み、制作物の設計、製作、評価、および必要となる知識や情報の収集/調査を行うことができる。
7週 PBL実験2 通信系関連事項についてのグループワークに取り組み、制作物の設計、製作、評価、および必要となる知識や情報の収集/調査を行うことができる。
8週 PBL実験2 通信系関連事項についてのグループワークに取り組み、制作物の設計、製作、評価、および必要となる知識や情報の収集/調査を行うことができる。
4thQ
9週 PBL実験2 通信系関連事項についてのグループワークに取り組み、制作物の設計、製作、評価、および必要となる知識や情報の収集/調査を行うことができる。
10週 PBL実験3 エレクトロニクス系関連事項についてのグループワークに取り組み、制作物の設計、製作、評価、および必要となる知識や情報の収集/調査を行うことができる。
11週 PBL実験3 エレクトロニクス系関連事項についてのグループワークに取り組み、制作物の設計、製作、評価、および必要となる知識や情報の収集/調査を行うことができる。
12週 PBL実験3 エレクトロニクス系関連事項についてのグループワークに取り組み、制作物の設計、製作、評価、および必要となる知識や情報の収集/調査を行うことができる。
13週 PBL実験3 エレクトロニクス系関連事項についてのグループワークに取り組み、制作物の設計、製作、評価、および必要となる知識や情報の収集/調査を行うことができる。
14週 PBL実験発表会 各PBL実験で行った内容をわかりやすくまとめ、発表できる。
15週 卒業研究発表会聴講 5年生の卒業研究発表会を聴講し、その研究内容を理解できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学についての基礎的原理や現象を、実験を通じて理解できる。2前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,後1
物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。2前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,後1
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。2前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。2前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。2前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。2前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
専門的能力専門的能力の実質化PBL教育PBL教育工学が関わっている数々の事象について、自らの専門知識を駆使して、情報を収集することができる。2前9,前15,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14
集められた情報をもとに、状況を適確に分析することができる。2前9,前15,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14
与えられた目標を達成するための解決方法を考えることができる。2前9,前15,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14
状況分析の結果、問題(課題)を明確化することができる。2前9,前15,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14
各種の発想法や計画立案手法を用いると、課題解決の際、効率的、合理的にプロジェクトを進めることができることを知っている。2前15,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14
各種の発想法、計画立案手法を用い、より効率的、合理的にプロジェクトを進めることができる。2前15,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14

評価割合

レポート発表技術英語合計
総合評価割合85105100
ローテーション実験450550
PBL実験4010050