画像処理工学

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 画像処理工学
科目番号 TE412 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 情報通信エレクトロニクス工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 酒井幸市,ディジタル画像処理の基礎と応用,CQ出版社
担当教員 本木 実

到達目標

1.ディジタル画像処理の基礎,濃度変換,空間フィルタについて理解し,説明できる。
2.二値化画像,カラー画像処理について理解し,説明できる。
3.パターン認識,フーリエ変換による線図形処理,ニューラルネットワークについて理解し,説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1ディジタル画像処理の基礎,濃度変換,空間フィルタについて詳細に理解し,具体的に詳しく説明できる。ディジタル画像処理の基礎,濃度変換,空間フィルタについて理解し,説明できる。ディジタル画像処理の基礎,濃度変換,空間フィルタについて,十分に説明できない。
評価項目2二値化画像,カラー画像処理について詳細に理解し,具体的に詳しく説明できる。二値化画像,カラー画像処理について理解し,説明できる。二値化画像,カラー画像処理について,十分に説明できない。
評価項目3パターン認識,フーリエ変換による線図形処理,ニューラルネットワークについて詳細に理解し,具体的に詳しく説明できるパターン認識,フーリエ変換による線図形処理,ニューラルネットワークについて理解し,説明できる。パターン認識,フーリエ変換による線図形処理,ニューラルネットワークについて,十分に説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
マルチメディアコンテンツやWebさどで広く利用されている画像処理技術について解説する。まず,基礎知識として,画像の数値表現(ヒストグラム,三原色合成,HSB値による表現)を理解する。次に,画像の情報化手法として二値化処理について説明し,各種フィルタの概念と処理手法を理解するとともに,ソフトウエアによるコーディング手法を習得する。また,パターン認識の原理について述べ,フーリエ変換を用いた線図形化処理手法を身につける。
授業の進め方・方法:
講義と演習を組合わせて行なう。講義により画像処理の諸概念を理解する。演習によりそれらの諸概念を実現するため,Visual C#によるコード記述により理解を深める。
注意点:
本科目は,情報通信エレクトロニクス工学科の情報通信系専門科目にあり,3年次の「応用プログラミング」からつながり,5年次の「メディア工学」へとつながる。資格試験「CG検定」と関連する科目である。
本科目は,幅広い画像処理分野の基礎と一部の応用とを学ぶ。各自,興味と問題意識を持った自主的な取り組みにより,理解と創造性が培われる。質問は,講義中はもちろん,電子メールなどでも受け付ける。
本科目の規定授業時間数は60時間である. 90分の授業に対して放課後・家庭で90分程度の自学自習が求められる。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 本科目,全体について概要が理解できる。
2週 ディジタル画像の仕組み ディジタル画像の仕組み,アナログ画像とディジタル画像の利点などについて,理解し説明できる。
3週 画像処理の分類 画像処理の分類について,理解し説明できる。
4週 画像のディジタル表現 ディジタル画像の形態とその表現方法について,理解し説明できる。
5週 画像の性質とその定量化 画像処理で用いられる代表的な諸量について,理解し説明できる。
6週 画質改善(1) 濃度値の補正,平滑化,ノイズ除去,空間フィルタについて,理解し説明できる。
7週 画質改善(2) 画像の鮮鋭化について,理解し説明できる。
8週 画質改善(3) 画像の歪み補正について,理解し説明できる。
2ndQ
9週 中間試験
10週 二値化処理(1) 二値化と閾値処理,連結性などについて,理解し説明できる。
11週 二値化処理(2) 膨張と収縮,物体の形状特徴などについて,理解し説明できる。
12週 二値化処理(3) 細線化,輪郭のベクトル化,フーリエ変換について,理解し説明できる。
13週 画像特徴の抽出(1) 画像特徴の抽出処理である点検出処理,線検出処理について,理解し説明できる。
14週 画像特徴の抽出(2) 画像の輪郭情報であるエッジの検出について,理解し説明できる。
15週 定期試験
16週 答案返却 答案を返却し、解答を解説する。
後期
3rdQ
1週 カラー画像処理(1) 加法混色と減法混色,表色系の概念について,理解し説明できる。
2週 カラー画像処理(1) カラー情報の処理について,理解し説明できる。
3週 活用される画像処理(1) 周波数領域での処理,エッジ検出器について,理解し説明できる。
4週 活用される画像処理(2) 応用場面に必要なテンプレートマッチングについて,理解し説明できる。
5週 活用される画像処理(3) 応用場面に必要なステレオ視について,理解し説明できる。
6週 特徴軸の正規化 特徴軸のスケールの正規化について,理解し説明できる。
7週 特徴軸の選択 特徴軸の選択法であるKL展開について,理解し説明できる。
8週 中間試験
4thQ
9週 クラスタリング
10週 パターン照合によるパターン認識(1) 幾つかの代表的なクラスタリングについて,理解し説明できる。
11週 パターン照合によるパターン認識(2) 最短距離法について,理解し説明できる。
12週 統計的決定法によるパターン認識 ベイズ認識法について,理解し説明できる。
13週 新しい形の認識手法(1) ニューラルネットワークについて,理解し説明できる。
14週 新しい形の認識手法(2) サポートベクターマシンや識別器の組合せによるパターン認識について,理解し説明できる。
15週 定期試験
16週 答案返却 答案を返却し、解答を解説する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野プログラミング与えられた問題に対して、それを解決するためのソースプログラムを記述できる。2
ソフトウェア生成に必要なツールを使い、ソースプログラムをロードモジュールに変換して実行できる。2

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合8020100
基礎的能力201030
専門的能力601070