信号処理

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 信号処理
科目番号 TE501 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 情報通信エレクトロニクス工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 森本義廣,村上純“基礎から応用までのラプラス変換・フーリエ解析”日新出版
担当教員 石橋 孝昭

到達目標

1.信号処理解析法の目的と手法の考え方を理解し,離散化データとして処理するディジタル信号をコンピュータ上で取り扱うことができる.
2.伝達関数や畳み込みの概念,ディジタル信号処理の基本設計技術を身につけ,基本的な処理演算ができる.
3.コンピュータプログラミング演習によって,音響信号処理,画像処理などのディジタル信号の基本処理演算をソフトウェア上で解析できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
信号処理の概念信号の表現方法や関数の直交性を全て説明でき,これらを用いた計算とプログラミングが全てできる.信号の表現方法や関数の直交性を説明でき,これらを用いた基本的な計算とプログラミングができる.信号の表現方法や関数の直交性を説明できず,これらを用いた計算とプログラミングができない.
フーリエ変換フーリエ変換を全て説明でき,これらを用いた計算とプログラミングが全てできる.フーリエ変換を説明でき,これらを用いた基本的な計算とプログラミングができる.フーリエ変換を説明できず,これらを用いた計算とプログラミングができない.
ディジタルフィルタディジタルフィルタを全て説明でき,これらを用いた計算とプログラミングが全てできる.ディジタルフィルタを説明でき,これらを用いた基本的な計算とプログラミングができる.ディジタルフィルタを説明できず,これらを用いた計算とプログラミングができない.
非線形信号処理非線形信号処理を全て説明でき,これらを用いた計算とプログラミングが全てできる.非線形信号処理を説明でき,これらを用いた基本的な計算とプログラミングができる.非線形信号処理を説明できず,これらを用いた計算とプログラミングができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
自然界のアナログ情報を計算機で処理するために必要なディジタル信号処理の取扱法についてコンピュータ処理技術とともに解説する.はじめに,アナログ信号からディジタル信号に変換するときの注意点を述べ,離散フーリエ変換などはコンピュータを用いたディジタル処理法などの演習を交えて学習し,その数学的意味,物理的意味を講義する.また入出力信号を解析する伝達関数について述べ,音声処理や画像処理の設計技術について理解する.
授業の進め方・方法:
本授業内容はディジタル技術者・情報処理技術者の多くの資格試験に関連する科目である.ディジタル信号処理を道具として十分使いこなせるように,コンピュータを利用した実習も実施する.四半期分の授業項目に関する自学学習用課題は放課後や家庭で行い,各定期試験前にそのレポートを提出するものとする.
注意点:
90分の授業に対して放課後・家庭で90分程度の自学自習が求められます.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 信号処理の概念 各種信号の表現方法を理解できる.
2週 自己相関と相互相関 統計量を知り、相関を理解できる.
3週 ラプラス変換 ラプラス変換の概念と性質を理解できる.
4週 ラプラス変換の計算演習(1) ラプラス変換の基本的な計算ができる.
5週 ラプラス変換の計算演習(2) ラプラス変換の応用的な計算ができる.
6週 ラプラス変換の応用 電気回路の特性をラプラス変換で求めることができる.
7週 ラプラス変換の応用演習 電気回路の特性をラプラス変換で求めることができる.
8週 中間試験
2ndQ
9週 関数の直交性 三角関数の直交性を理解し証明できる.
10週 フーリエ級数展開 フーリエ級数展開の概念と性質を理解できる.
11週 フーリエ級数展開の計算演習(1) フーリエ級数展開の基本的な計算ができる.
12週 フーリエ級数展開の計算演習(2) フーリエ級数展開の応用的な計算ができる.
13週 フーリエ級数展開による波形作成演習 フーリエ級数展開を用いてコンピュータで信号を作成できる.
14週 複素フーリエ級数展開 複素フーリエ級数展開の概念と性質を理解できる.
15週 複素フーリエ級数展開の計算演習 複素フーリエ級数展開の基本的な計算ができる.
16週 答案返却
後期
3rdQ
1週 フーリエ変換 フーリエ変換の概念と性質を理解できる.
2週 フーリエ変換の計算演習(1) フーリエ変換の基本的な計算ができる.
3週 フーリエ変換の計算演習(2) フーリエ変換の応用的な計算ができる.
4週 離散フーリエ変換 離散フーリエ変換の概念と性質を理解できる.
5週 離散フーリエ変換の計算演習 離散フーリエ変換の基本的な計算ができる.
6週 離散フーリエ変換による解析演習(1) 離散フーリエ変換を用いてコンピュータで基本的な信号を解析できる.
7週 離散フーリエ変換による解析演習(2) 離散フーリエ変換を用いてコンピュータで現実的な信号を解析できる.
8週 中間試験
4thQ
9週 窓関数 窓関数の概念と特徴を理解できる.
10週 窓関数の演習 窓関数の効果についてコンピュータで確認する.
11週 時間領域と周波数領域のフィルタ フィルタの概念と特徴を理解できる.
12週 フィルタの演習 フィルタの作成方法と特徴についてコンピュータで確認する.
13週 畳み込み積分 畳み込み積分の概念と特徴を理解できる.
14週 非線形信号処理 非線形信号処理の概念と特徴を理解できる.
15週 制御理論 制御理論と信号を用いて制御する方法を理解できる.
16週 答案返却

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野情報プログラミング言語を用いて基本的なプログラミングができる。3前13,後6,後7,後10,後12
情報系分野プログラミング与えられた問題に対して、それを解決するためのソースプログラムを記述できる。3前13,後6,後7,後10,後12
要求仕様に従って、標準的な手法により実行効率を考慮したプログラムを設計できる。3前13,後6,後7,後10,後12

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合8020100
基礎的能力501060
専門的能力301040