基礎電気学I

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 基礎電気学I
科目番号 CI1101 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 制御情報システム工学科 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 高橋寛,加藤修司,神谷弘一,山本智也他,「電気基礎(上)」 コロナ社/岡安 茂利,久永 記央,松村 照司,各務 友浩,「電気基礎〈上〉トレーニングノート」 (ポイントマスター) コロナ社
担当教員 永田 正伸

到達目標

直流回路の電流と電圧:オームの法則を理解し、基本的な問題が解ける.
抵抗の接続:抵抗の直列回路、並列回路の計算ができる.
直流回路の計算:ブリッジ回路の平衡条件が導出できる.キルヒホッフの法則による直列回路網の各部の電圧や電流を求める計算ができる.
導体の抵抗:導体の抵抗は断面積や長さ,温度に影響を受けることや、その基本概念が理解でき説明できる.
電流の作用:電気エネルギーと熱エネルギーとの関係を理解し電力や電力量の計算ができる.
静電力:静電誘導とクーロンの法則の学習を通して静電現象を理解し、説明できる.
電界:電気力線や電束,電界の強さ,電界内の電位や電位差を理解し、説明できる.
コンデンサ:コンデンサの基本的な仕組みを理解し、合成静電容量の計算ができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
直流回路の電流と電圧 ・オームの法則を理解し、同法則を用いた問題が解ける.・オームの法則を理解し、同法則を用いた基本的な問題が解ける.・オームの法則を使った基本的な問題が解けない.
抵抗の接続・抵抗の直列回路、並列回路の計算ができる.・抵抗の直列回路、並列回路の基本的な計算ができる.・抵抗の直列回路、並列回路の基本的な計算ができない.
直流回路の計算・ブリッジ回路の平衡条件が導出できる. ・キルヒホッフの法則による直列回路網の各部の電圧や電流を求める計算ができる.・ブリッジ回路の平衡条件を用いて、基本的な問題が解ける. ・キルヒホッフの法則による直列回路網の各部の電圧や電流を求める基本的な計算ができる.・ブリッジ回路の平衡条件を用いた問題が解けない. ・キルヒホッフの法則による直列回路網の各部の電圧や電流を求める基本的な計算ができない.
導体の抵抗 ・導体の抵抗は断面積や長さ,温度に影響を受けることや、その基本概念が理解でき説明できる.・導体の抵抗と、断面積や長さ,温度との関係を説明できる.・導体の抵抗と、断面積や長さ,温度との関係が説明できない.
電流の作用・電気エネルギーと熱エネルギーとの関係を理解し電力や電力量の計算ができる.・電気エネルギーと熱エネルギーとの関係を理解し電力や電力量の基本的な計算ができる.・電気エネルギーと熱エネルギーとの関係を用いて、電力や電力量の基本的な計算ができない.
静電力・静電誘導とクーロンの法則の学習を通して静電現象を理解し、説明できる.・静電誘導とクーロンの法則から静電現象を説明できる.・静電誘導とクーロンの法則を用いて静電現象を説明できない.
電界・電気力線や電束,電界の強さ,電界内の電位や電位差を理解し、説明できる. ・電気力線や電束,電界の強さ,電界内の電位や電位差を説明できる. ・電気力線や電束,電界の強さ,電界内の電位や電位差を説明できない.
コンデンサ・コンデンサの仕組みを理解し、合成静電容量の計算ができる.・コンデンサの基本的な仕組みを理解し、合成静電容量の基本的な計算ができる.・コンデンサに加える電圧、蓄えられる電気量、静電容量の関係が理解できず、合成静電容量の基本的な計算ができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
直流回路と静電界について講義で学び,電気に関する基礎的な知識を習得する.講義では,直流回路と静電界に関する基本的な電気現象について学習し,電気で用いる物理量(電位や電流など)の意味を理解するとともにその使い方に慣れる.
授業の進め方・方法:
本授業では以下の2項目の理解を目的として授業を進める。1.直流回路においてオームの法則やキルヒホッフの法則を適用して回路方程式を導出し、その式を解いて電流や電圧を求めることができる.2.静電誘導とクーロンの法則を理解し,静電界を表すのに用いられる物理量(電位・電界の強さ・電気力線・電束・静電容量)の意味が分かり,その計算をすることが出来る.
注意点:
規定授業時間数:60単位時間

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
1回:電気回路、原子と電子、電荷
電気回路の仕組み、電気現象と電荷、原子と電子の関係、電子の電荷量について理解し、説明できる。
2週 2回:電流、電圧、抵抗、接頭語 ・電流、電圧、抵抗の性質を理解し、説明できる。
・接頭語を理解し、互いの変換計算ができる。
3週 3回:オームの法則 オームの法則を理解し、基本的な問題が解ける.
4週 4回:電位、電位差、電圧降下 電位、電位差、電圧降下を理解し、説明できる。
5週 5回:抵抗の接続(1):2つの抵抗の接続 2つの抵抗の直列、並列接続の合成抵抗の計算ができる。
6週 6回:抵抗の接続(2):3つ以上の抵抗の接続 3つの抵抗の直列、並列、直・並列接続の合成抵抗の計算ができる。
7週 7回:抵抗の接続(3):直列、並列回路、直・並列回路の電流と電圧 抵抗の直列、並列回路を流れる電流および抵抗に掛かる電圧の計算ができる.
8週 8回:直流電圧計、直流電流計 直流電圧計および直流電流計の構造と理論を理解し、接続抵抗の計算ができる。
2ndQ
9週 中間試験 これまでに学習した内容の問題が解ける。
10週 試験解答、答案返却
直流電圧計および直流電流計の構造と理論を理解し、接続抵抗の計算ができる。
11週 9回:ブリッジ回路
    キルヒホッフの法則(1):電流則
・ブリッジ回路の仕組みを理解し、平衡条件を解くことができる。
・キルヒホッフの電流則を理解し、接続点での電流の流れを計算できる。
12週 10回:キルヒホッフの法則(2):電流則、電圧則 キルヒホッフの電流則・電圧則を理解し、直流回路に適用できる。
13週 11回:キルヒホッフの法則(3):直流回路の電流、電圧 キルヒホッフの法則を直流回路に適用し、回路内の電流および電圧を計算できる。
14週 12回:導体の抵抗(1):抵抗値と断面積と長さの関係
導体の抵抗と断面積や長さとの関係を理解し、相互の計算ができる.
15週 前期定期試験 前期後半に学習した内容の問題が解ける。
16週 試験解答、答案返却
前期のまとめ
前期に学習した内容を復習する。
後期
3rdQ
1週 13回:導体の抵抗(2):抵抗値と温度の関係 抵抗の種類や抵抗器の抵抗値表示および、導体の抵抗と温度との関係を理解し、説明および抵抗値を計算できる.
2週 14回:電流の作用(1):電力、電力量 電力や電力量の定義を理解し、計算できる.
3週 15回:電流の作用(2):ジュールの法則 電気エネルギー(電力量)と熱エネルギー(熱量)との関係を理解し、ジュールの法則を用いて電力量と熱量の相互変換を計算できる。
4週 16回:静電現象、クーロンの法則 ・摩擦電気、静電誘導、静電遮蔽などの静電現象を理解し、説明できる。
・クーロンの法則を理解し、2電荷間に働く静電力を計算できる。
5週 17回:電界の強さ(1):電界の強さ、点電荷による電界、電界内の電荷が受ける力 電界の強さを理解し、点電荷周りの電界の強さ、電界内の電荷が受ける力を計算できる。
6週 18回:電界の強さ(2):2つの電荷が作る電界、電気力線 ・電界と電荷の関係を理解し、2つの電荷が作る電界を計算できる。
・電気力線の性質を理解して説明でき、いろいろな電荷周りの電気力線を描くことができる。
7週 中間試験 後期前半に学習した内容の問題が解ける。
8週 試験解答、答案返却 試験解答
4thQ
9週 19回:電界の強さ(3):電束と電束密度 ・電束と電束密度の定義を理解し、電束密度を計算できる。
・電速密度と電界の強さの関係を理解し、相互の計算ができる。
10週 20回:電界と電位(1):電界内の電位と電位差 電位の定義を理解し、点電荷周りの電位・電位差を計算できる。
11週 21回:電界と電位(2):平行板電極の電界 平行板電極が作る電界を理解し、平行板電極内の電界の強さを計算できる。
12週 22回:コンデンサ(1):構造と静電容量 コンデンサの仕組みを理解し、静電容量と蓄えられる電荷量の計算ができる。
13週 23回:コンデンサ(2):直列、並列接続 直列、並列、直・並列接続での合成静電容量および、各コンデンサに掛かる電圧を計算できる。
14週 24回:後期後半まとめ 後期後半の授業を復習し、各公式を用い演算ができる。
15週 後期定期試験 後期後半に学習した内容の問題が解ける。
16週 試験解答、答案返却
後期のまとめ
後期に学習した内容を復習する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理電気オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。3
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。3
ジュール熱や電力を求めることができる。3
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。2前2
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。2前4,前5
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。2前13,前14
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。2前6,前7,前8,前9,前10,前11
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。2前12
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。2後3
電磁気電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。2後6,後7,後9
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。2後10,後11,後12
誘電体と分極及び電束密度を説明できる。2
静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。2後13,後14
コンデンサの直列接続、並列接続を説明し、その合成静電容量を計算できる。2後15
電子工学原子の構造を説明できる。1

評価割合

試験小テスト相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70300000100
基礎的能力70300000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000