制御工学基礎

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 制御工学基礎
科目番号 CI1102 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 制御情報システム工学科 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 配布プリント
担当教員 野尻 紘聖

到達目標

1.「制御情報システム工学科の教員と研究紹介」を通して,各教員や学科での研究活動を知り,第三者に説明できる.
2.「技術レポート作成の基礎」として,図表を含むレポート作成の意義と基礎技術を理解し,実践できる.
3.「図学製図・機械設計の基礎」として,図学製図の読み書き,機械の簡単な機構設計ができる.
4.「電子回路設計・製作の基礎」として,実験装置や回路素子の特性および使い方を理解し,電子回路の作製と検証ができる.
5.技術者に必要とされる創造力の自覚を促すため,「ものづくり実習」により,解決法が⼀意に決まらない課題に対して自由な発想により課題を解決できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1制御情報システム工学科で実施する授業の概要,教員の関連研究の概要およびその基礎技術について,自分の言葉で要点を押さえて簡潔に説明することができる.制御情報システム工学科で実施する授業の概要,教員の関連研究の概要およびその基礎技術について,授業を聞いた内容をそのまま説明することができる.制御情報システム工学科で実施する授業の概要,教員の関連研究の概要およびその基礎技術について,説明することができない.
評価項目2技術レポートの⼀般的な構成,作成のマナーや考察の意義とまとめ方を理解し,図表の作成法を含めた正しい報告書が書ける.技術レポートの⼀般的な構成,作成のマナーや考察の意義とまとめ方を理解し,図表の作成法を含めた報告書が書ける.技術レポートの⼀般的な構成,作成のマナーや考察の意義とまとめ方を理解しておらず,図表の作成法を含めた正しい報告書が書けな い.
評価項目3図面製作のために必要な基礎事項について説明でき,複雑な図学製図の読解および製作ができる. 授業で取り上げる以外にも,機械要素や機械の運動を理解し,機械系CADを使用した機械の設計および検証ができる.図面製作のために必要な基礎事項について説明でき,図学製図の読解および製作ができる. 機械要素や機械の運動を理解し,機械系CADを使用をした機構部品の設計および検証ができる.図面製作のために必要な基礎事項について説明できず,図学製図の読解および製作ができない. 機械要素や機械の運動を理解しておらず,機械系CADを使用をした機構部品の設計および検証ができない.
評価項目4受動・能動素子の基本的特性や電子回路作製に必要な基礎的技術を理解し,自らのアイデアで回路を製作・評価できる.受動・能動素子の基本的特性や電子回路作製に必要な基礎的技術を理解し,提示された回路を製作・評価できる.受動・能動素子の基本的特性や電子回路作製に必要な基礎的技術を理解できていない.
評価項目5制約条件下での技術課題について,多角的な視点での製作物の構造決定,効率的なものづくり手順の立案・実践と製作物の評価結果に対する深い考察ができる.制約条件下での技術課題について,複数の製作物案の検討,ものづくり手順の立案・実践と製作物の評価結果に対する考察ができる.制約条件下での技術課題について,製作物案の検討が不⼗分で,ものづくり手順が立案できず,製作物の評価結果に対する考察ができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
・技術者に必要とされる創造力の自覚を促し,図表を含むレポート作成の意義および基礎技術を理解.
・図学製図の読み書き,機械の簡単な機構設計力の育成.
・実験装置や回路素子の特性および使い方を理解し,電子回路の作製と検証能力の育成.
・ものづくり実習により,解決法が⼀意に決まらない課題に対して自由な発想により課題解決能力を育成.基礎電気学Ⅰの学習内容を理解した上で,基本的な実験とレポート作成能力の育成.
授業の進め方・方法:
授業時に配布する資料や基礎電気学Ⅰで学習する内容について理解する.
図書館などで,授業で取り上げたテーマに関連する文献を調査する.
注意点:
学修単位への対応:該当なし.

随時,質問を受け付ける.
2年次以降で学習する専門科目や学生実験と密接に関連しており,⼗分な理解が求められる.
レポートには読み⼿に伝わる⽂章を記述する必要があるため,国語⼒を鍛えておくことが求められる.
⽇頃から科学技術についての興味・関⼼を持ち,それらについて調査・検討することが求められる.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 本授業で習得を目指す内容や評価方法,授業に関しての心構えなどを理解できる.
2週 制御情報システム工学科教員による研究紹介(1) 制御情報システム工学科で実施する授業の概要,教員の関連研究の概要およびその基礎技術を理解できる.
3週 制御情報システム工学科教員による研究紹介(2) 同上
4週 制御情報システム工学科教員による研究紹介(3) 同上
5週 制御情報システム工学科教員による研究紹介(4) 同上
6週 制御情報システム工学科教員による研究紹介(5) 同上
7週 制御情報システム工学科教員による研究紹介(6) 同上
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 技術レポート作成の基礎(1) 技術レポートの⼀般的な構成や作成のマナーを理解し,正しい報告書が書くことができる.図表の作成法,考察の意義とまとめ方を理解できる.
10週 技術レポート作成の基礎(2) 同上
11週 図学製図の基礎(1) 図学製図を読解し,図面製作のために必要な基礎事項について説明できる.
12週 図学製図の基礎(2) 同上
13週 図学製図の基礎(3) 機械系CADを使⽤して,部品作成,アセンブリと図面作成ができる.
14週 図学製図の基礎(4) 同上
15週 前期期末試験 図学製図における語句,各種製図についての演習問題を解くことができる.
16週 定期試験答案返却
後期
3rdQ
1週 機械設計の基礎(1) 機械要素や機械の運動を理解し,簡単な機械の設計ができる.機械系CADを使⽤して,簡単な機械の設計と検証ができる.工作用具,工作機械の使用法を理解できる.
2週 機械設計の基礎(2) 同上
3週 機械設計の基礎(3) 同上
4週 ものづくり実習(1) 制約条件下での技術課題解決の実習を行う.具体的な技術課題は実施時に示す.制約条件は,技術課題を克服するための材料と実施期間を限定することを意味する.製作物の発表ができる.
5週 ものづくり実習(2) 同上
6週 ものづくり実習(3) 同上
7週 ものづくり実習(4) 同上
8週 後期中間試験 機械設計についての演習問題を解くことができる.
4thQ
9週 電子工作の基礎(1) 静電容量・ダイオード・トランジスタの基本的特性を理解し説明および,それらの素子を用いた回路を作製できる.
回路作製に必要な基礎的技術を理解し説明できる.
10週 電子工作の基礎(2) 同上
11週 PBL実習(1) 制約条件下での技術課題解決の実習をグループワークにより行う.具体的な技術課題は実施時に示す.制約条件は,技術課題を克服するための材料と技術および実施期間を限定することを意味する.
12週 PBL実習(2) 同上
13週 PBL実習(3) 同上
14週 PBL実習(4) 同上
15週 後期期末試験 電子工作についての演習問題を解くことができる.
16週 定期試験答案返却
PBL実習の課題評価

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。1
分数式の加減乗除の計算ができる。1
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。1
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。1
工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。1
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。1
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。1
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。1
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。1
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。1
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。1
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。1
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。1
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。1
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。1
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。1
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。1
計測精度と誤差を理解し、有効数字・誤差の伝搬を考慮した計測値の処理が行える。1
分野別の工学実験・実習能力電気・電子系分野【実験・実習能力】電気・電子系【実験実習】電圧・電流・電力などの電気諸量の測定が実践できる。1
抵抗・インピーダンスの測定が実践できる。1
電気・電子系の実験を安全に行うための基本知識を習得する。1
増幅回路等(トランジスタ、オペアンプ)の動作に関する実験結果を考察できる。1
ダイオードの電気的特性の測定法を習得し、その実験結果を考察できる。1
トランジスタの電気的特性の測定法を習得し、その実験結果を考察できる。1
ディジタルICの使用方法を習得する。1
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。1
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。1
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。1
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。1
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。1
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。1
他者の意見を聞き合意形成することができる。1
合意形成のために会話を成立させることができる。1
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。1
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。1
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。1
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。1
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。1
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。1
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。1
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる1
複数の情報を整理・構造化できる。1
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。1
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。1
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。1
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。1
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。1
事実をもとに論理や考察を展開できる。1
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。1
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。1
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。1
目標の実現に向けて計画ができる。1
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。1
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。1
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。1
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。1
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。1
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。1
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。1
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。1
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。1
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている1
法令やルールを遵守した行動をとれる。1
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。1
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。1
自身の将来のありたい姿(キャリアデザイン)を明確化できる。1
その時々で自らの現状を認識し、将来のありたい姿に向かっていくために現状で必要な学習や活動を考えることができる。1
キャリアの実現に向かって卒業後も継続的に学習する必要性を認識している。1
これからのキャリアの中で、様々な困難があることを認識し、困難に直面したときの対処のありかた(一人で悩まない、優先すべきことを多面的に判断できるなど)を認識している。1
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業や大学等でどのように活用・応用されるかを説明できる。1
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。1
企業人として活躍するために自身に必要な能力を考えることができる。1
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。1
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。1
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。1
要求に適合したシステム、構成要素、工程等の設計に取り組むことができる。1
課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。1
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。1
経済的、環境的、社会的、倫理的、健康と安全、製造可能性、持続可能性等に配慮して解決策を提案できる。1

評価割合

試験レポート実習の成果物合計
総合評価割合504010100
基礎的能力0000
専門的能力504010100
分野横断的能力0000