1. 計算機工学Iで扱う加減算器、比較器、マルチプレクサなどの論理回路を設計できて、トレーニングキットを用いて実現できる
2. 計算機工学Iで扱うレジスタやカウンタ等の基礎的な順序回路を設計できて、トレーニングキットを用いて実現できる
3. インダクタンス、正弦波交流、RLC交流回路など、基礎電気学IIで学習した内容について実験を行い、レポートを提出できる
4. マイコンボードとブレッドボードを用いて、LEDや小型モータを扱う基礎的な組込みシステムを構築できる
5. 回路図を基にユニバーサル基板に各種パーツを配置し、基礎的な制御回路を自作できる
概要:
制御情報システム工学科で取り組む「制御」について、実験を通して様々な現象を経験し座学の理解を深め、実習によってものづくりの基礎的な技術を習得する。計算機工学Iで学習する論理回路や順序回路、基礎電気が学習するインダクタンス、正弦波交流、RLC交流回路に関する実験を行う。初心者でも比較的容易に扱うことのできるマイコンボードとしてArduinoを用いて基礎的な組込みシステム構築の実習に取り組む。1年次で製作した遠隔操縦ロボットに自作の制御回路を搭載し、オリジナル自律移動ロボットへと改造する。
授業の進め方・方法:
計算機工学Iおよび基礎電気学IIの授業進度に合わせて、内容に沿った実験を行うことで内容の理解を深める。ものづくり実習については、制御情報システム工学科で用意したArduino実習キットを利用した基礎的なものに始まり、ユニバーサル基板に自分ではんだ付けして自作の制御回路を製作することを行う。実験や実習が中心であり、限られた時間で計測や製作を完了するためにも資料を事前に確認し、目的や意図を把握した上で授業に臨むことが必要である。
注意点:
規定授業時数: 60時間
実験や実習では技術者として必須である基礎的な内容を扱うため、時間内に完了しなかった場合は、放課後等の空き時間を利用して必ず完了してもらう。授業中に集中して取り組むことを意識してほしい。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
組込みシステム実習(1)
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Arduino学習キットで基礎的な組込みシステムを構築できる
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2週 |
組込みシステム実習(2) |
Arduino学習キットで基礎的な組込みシステムを構築できる
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3週 |
計算機工学I実験(1) |
学習キットを用いて簡潔な論理回路を製作しディジタル信号について理解を深める
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4週 |
基礎電気学II実験(1) |
電磁力に関する実験を行い座学の理解を深める
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5週 |
基礎電気学II実験(2) |
電磁力に関する実験を行い座学の理解を深める
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6週 |
ものづくり実習(1) |
ユニバーサル基板を用いて組込みシステム試作機を製作できる
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7週 |
ものづくり実習(2) |
ユニバーサル基板を用いて組込みシステム試作機を製作できる
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8週 |
組込みシステム実習(3) |
Arduino学習キットで基礎的な組込みシステムを構築できる
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2ndQ |
9週 |
中間試験(実施しない) |
レポート評価とする
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10週 |
組込みシステム実習(4) |
Arduino学習キットで基礎的な組込みシステムを構築できる
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11週 |
計算機工学I実験(2) |
組み合わせ論理回路の例として加算器 / 減算機を学習キットで実現できる
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12週 |
計算機工学I実験(3) |
組み合わせ論理回路の例として比較器を学習キットで実現できる
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13週 |
基礎電気学II実験(3) |
正弦波交流に関する実験を行い座学の理解を深める
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14週 |
基礎電気学II実験(4) |
正弦波交流に関する実験を行い座学の理解を深める
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15週 |
定期試験(実施しない) |
レポート評価とする
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16週 |
計算機工学I実験(4) |
組み合わせ論理回路の例としてマルチプレクサ / デマルチプレクサを学習キットで実現できる
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後期 |
3rdQ |
1週 |
組込みシステム実習(5) |
Arduino学習キットで基礎的な組込みシステムを構築できる
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2週 |
組込みシステム実習(6) |
Arduino学習キットで基礎的な組込みシステムを構築できる
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3週 |
計算機工学I実験(5) |
学習キットで各種フリップフロップの動作を確認し座学の理解を深める
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4週 |
基礎電気学II実験(5) |
RLC回路に関する実験を行い座学の理解を深める
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5週 |
基礎電気学II実験(6) |
RLC回路に関する実験を行い座学の理解を深める
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6週 |
ものづくり実習(3) |
ユニバーサル基板を用いて組込みシステム試作機を製作できる
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7週 |
ものづくり実習(4) |
ユニバーサル基板を用いて組込みシステム試作機を製作できる
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8週 |
ものづくり実習(5) |
ユニバーサル基板を用いて組込みシステム試作機を製作できる
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4thQ |
9週 |
中間試験(実施しない) |
レポート評価とする
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10週 |
基礎電気学II実験(7) |
RLC回路に関する実験を行い座学の理解を深める
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11週 |
基礎電気学II実験(8) |
RLC回路に関する実験を行い座学の理解を深める
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12週 |
計算機工学I実験(6) |
順序回路の例としてレジスタを学習キットで実現できる
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13週 |
計算機工学I実験(7) |
順序回路の例としてカウンタを学習キットで実現できる
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14週 |
ものづくり実習(6) |
ユニバーサル基板で製作した回路を用いて自律移動ロボットを制御できる
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15週 |
定期試験(実施しない) |
レポート評価とする
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16週 |
ものづくり実習(7) |
ユニバーサル基板で製作した回路を用いて自律移動ロボットを制御できる
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 工学基礎 | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。 | 2 | |
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。 | 2 | |
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。 | 2 | |
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。 | 2 | |
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。 | 2 | |
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。 | 2 | |
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。 | 2 | |
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。 | 2 | |
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。 | 2 | |
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。 | 2 | |
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。 | 2 | |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 電気回路 | 電荷と電流、電圧を説明できる。 | 2 | |
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。 | 2 | |
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。 | 2 | |
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。 | 2 | |
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。 | 2 | |
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。 | 2 | |
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。 | 2 | |
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。 | 2 | |
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。 | 2 | |
瞬時値を用いて、交流回路の計算ができる。 | 2 | |
フェーザ表示を用いて、交流回路の計算ができる。 | 2 | |
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。 | 2 | |
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。 | 2 | |
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。 | 2 | |
相互誘導を説明し、相互誘導回路の計算ができる。 | 2 | |
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。 | 1 | |
情報系分野 | 計算機工学 | 論理ゲートを用いて論理式を組合せ論理回路として表現することができる。 | 3 | |
与えられた組合せ論理回路の機能を説明することができる。 | 3 | |
組合せ論理回路を設計することができる。 | 3 | |
順序回路を設計することができる。 | 2 | |
分野別の工学実験・実習能力 | 電気・電子系分野【実験・実習能力】 | 電気・電子系【実験実習】 | キルヒホッフの法則を適用し、実験結果を考察できる。 | 2 | |
分流・分圧の関係を適用し、実験結果を考察できる。 | 2 | |
ブリッジ回路の平衡条件を適用し、実験結果を考察できる。 | 2 | |
情報系分野【実験・実習能力】 | 情報系【実験・実習】 | 与えられた仕様に合致した組合せ論理回路や順序回路を設計できる。 | 3 | |
分野横断的能力 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 他者の意見を聞き合意形成することができる。 | 2 | |
合意形成のために会話を成立させることができる。 | 2 | |
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。 | 2 | |
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。 | 2 | |
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。 | 2 | |
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。 | 2 | |
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。 | 2 | |
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。 | 2 | |
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。 | 2 | |
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる | 1 | |
複数の情報を整理・構造化できる。 | 1 | |
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。 | 1 | |
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。 | 1 | |
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。 | 1 | |
態度・志向性(人間力) | 態度・志向性 | 態度・志向性 | 周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。 | 1 | |
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。 | 1 | |
目標の実現に向けて計画ができる。 | 1 | |
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。 | 1 | |
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。 | 1 | |
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。 | 1 | |
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。 | 1 | |
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。 | 1 | |
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。 | 1 | |
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。 | 1 | |
企業人として活躍するために自身に必要な能力を考えることができる。 | 1 | |
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。 | 1 | |