計算機工学II

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 計算機工学II
科目番号 CI1304 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 制御情報システム工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 プリント
担当教員 加藤 達也

到達目標

1. 10進数から2進数への変換方法や計算機内部での加減乗除アルゴリズムについて,計算することができる.
2. 資料を基にICを用いた回路設計ができる.
3. プログラム内蔵方式のコンピュータの動作原理や,アセンブリ言語と機械語の関係について説明することができる.
4. 資料を基にHDLを用いてモジュールの設計を行うことができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目110進数から2進数への変換方法や計算機内部での加減乗除アルゴリズムについて,適切な例を挙げて解説を加えた計算過程を示すことができる.10進数から2進数への変換方法や計算機内部での加減乗除アルゴリズムについて,計算することができる.10進数から2進数への変換方法や計算機内部での加減乗除アルゴリズムについて,計算することができない.
評価項目2資料を基にICを用いた回路設計ができ,自在に拡張することができる.資料を基にICを用いた回路設計ができる.資料を見てもICを用いた回路設計ができない.
評価項目3プログラム内蔵方式のコンピュータの動作原理や,アセンブリ言語と機械語の関係について説明することができ,レジスタの値の変化をトレースすることができる.プログラム内蔵方式のコンピュータの動作原理や,アセンブリ言語と機械語の関係について説明することができる.プログラム内蔵方式のコンピュータの動作原理や,アセンブリ言語と機械語の関係について説明できない.
評価項目4資料を基にHDLを用いてモジュールの設計を行うことができ,自在に拡張することができる.資料を基にHDLを用いてモジュールの設計を行うことができる.資料を見てもモジュールの設計を行うことができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
計算機の動作原理と制御回路設計に関する科目として,順序回路の設計法、ICを用いた回路設計ならびにCPU制御回路設計について演習を伴った講義を行う.講義においてはハードウエアロジック設計で近年利用されているHDLについても解説と演習も取り込む.
授業の進め方・方法:
授業中の冒頭に要点について講義を行い、大半を演習時間とする。事前に資料を確認し、予習しておくことが望ましい。
注意点:
規定授業時数: 60時間

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 授業内容や心得、評価方法について理解する。
2週 論理回路設計のおさらい 真理値表を基に論理回路の設計できる。
3週 順序回路設計のおさらい 状態遷移図を基に順序回路を設計できる。
4週 2進数整数の乗算 2進数整数の乗算ができる。
5週 2進数整数の除算 2進数整数の除算ができる。
6週 2進数の浮動小数点数 任意の10進数実数を2進数の浮動小数点数で表現できる。
7週 2進数の浮動小数点計算(加減算) 2進数の浮動小数点数の加減算ができる。
8週 2進数の浮動小数点計算(乗除算) 2進数の浮動小数点数の乗除算ができる。
2ndQ
9週 中間試験
10週 ディジタルICの利用(TTL) TTLの特徴について説明できる。
11週 ディジタルICの利用(CMOS) CMOSの特徴について説明できる。
12週 ディジタルICを用いた論理回路設計(1) ディジタルICを用いて論理回路を構築できる。
13週 ディジタルICを用いた論理回路設計(2) ディジタルICを用いて論理回路を構築できる。
14週 ディジタルICを用いた順序回路設計(1) ディジタルICを用いて順序回路を構築できる。
15週 定期試験
16週 答案返却 答案返却
後期
3rdQ
1週 計算機の内部構成 モデルコンピュータを例として計算機の内部構成を説明できる。
2週 計算機内部の命令実行(データ転送) モデルコンピュータシミュレータを利用して命令実行のプロセスを解析できる。
3週 計算機内部の命令実行(算術論理演算) モデルコンピュータシミュレータを利用して命令実行のプロセスを解析できる。
4週 計算機内部の命令実行(分岐)(1) モデルコンピュータシミュレータを利用して命令実行のプロセスを解析できる。
5週 計算機内部の命令実行(分岐)(2) モデルコンピュータシミュレータを利用して命令実行のプロセスを解析できる。
6週 計算機内部の制御回路設計(1) 計算機内部の制御回路を設計できる。
7週 計算機内部の制御回路設計(2) 計算機内部の制御回路を設計できる。
8週 計算機内部の制御回路設計(3) 計算機内部の制御回路を設計できる。
4thQ
9週 中間試験
10週 ハードウェア記述言語による論理回路設計(1) ハードウェア記述言語を用いて簡単な論理回路を設計できる。
11週 ハードウェア記述言語による論理回路設計(2) ハードウェア記述言語を用いて分岐命令を用いた論理回路設計ができる。
12週 ハードウェア記述言語による論理回路設計(3) ハードウェア記述言語を用いて分岐命令を用いた論理回路設計ができる。
13週 ハードウェア記述言語による順序回路設計(1) ハードウェア記述言語を用いて順序回路を設計できる。
14週 ハードウェア記述言語による順序回路設計(2) ハードウェア記述言語を用いて順序回路を設計できる。
15週 定期試験
16週 答案返却 答案返却

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野計算機工学整数・小数をコンピュータのメモリ上でディジタル表現する方法を説明できる。3
基数が異なる数の間で相互に変換できる。3
基本的な論理演算を行うことができる。3
基本的な論理演算を組合わせて、論理関数を論理式として表現できる。3
論理式の簡単化の概念を説明できる。3
論理ゲートを用いて論理式を組合せ論理回路として表現することができる。3
与えられた組合せ論理回路の機能を説明することができる。3
組合せ論理回路を設計することができる。3
フリップフロップなどの順序回路の基本素子について、その動作と特性を説明することができる。3
レジスタやカウンタなどの基本的な順序回路の動作について説明できる。3
与えられた順序回路の機能を説明することができる。3
順序回路を設計することができる。3
コンピュータを構成する基本的な要素の役割とこれらの間でのデータの流れを説明できる。2
プロセッサを実現するために考案された主要な技術を説明できる。2
メモリシステムを実現するために考案された主要な技術を説明できる。2
入出力を実現するために考案された主要な技術を説明できる。2
コンピュータアーキテクチャにおけるトレードオフについて説明できる。2
ハードウェア記述言語など標準的な手法を用いてハードウェアの設計、検証を行うことができる。2
分野別の工学実験・実習能力電気・電子系分野【実験・実習能力】電気・電子系【実験実習】電気・電子系の実験を安全に行うための基本知識を習得する。3
論理回路の動作について実験結果を考察できる。3
ディジタルICの使用方法を習得する。3
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる2
複数の情報を整理・構造化できる。2
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。2

評価割合

試験演習合計
総合評価割合7030100
基礎的能力000
専門的能力7030100
分野横断的能力000