制御情報システム工学演習

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 制御情報システム工学演習
科目番号 CI1306 科目区分 専門 / 必修
授業形態 演習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 制御情報システム工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 図解シーケンス制御実習 上 泰 堀桂太郎 森北出版
担当教員 柴里 弘毅

到達目標

1. 自動制御の基礎を理解し、リレーシーケンス制御について説明できる。ラダー図の基本的なルールを理解し、ラダー図を用いたシーケンス制御回路の動作を説明できる。 PLCの基礎を理解し、PLCシーケンス制御の基礎回路を作成できる。
2. センサ、アクチュエータ、コンピュータの応用として、介護・福祉器具サービス、システムなどへの新たな発想のデザインができる。
3. 企業が抱える問題を工学的視点から問題の本質を見極め、問題解決手法を提案することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1操作用スイッチやリレー、検出用スイッチなどの基本部品の動作原理や図記号、用途を理解し、説明できる。ラダー図を用いてPLCシーケンス制御の基礎回路を作成したり、ラダー図からシーケンス動作を読み取り説明できる。タイマやカウンタ、光電スイッチなどを用いた応用回路を理解し、動作を説明できる。また、期限内に所定の提出物を高い完成度で提出できる。操作用スイッチやリレー、検出用スイッチなどの基本部品の動作原理や図記号、用途を理解し、説明できる。ラダー図を用いてPLCシーケンス制御の基礎回路を作成したり、ラダー図からシーケンス動作を読み取ることが概ねできる。また、期限内に所定の提出物を概ね提出できる。操作用スイッチやリレー、検出用スイッチなどの基本部品の動作原理や図記号、用途を理解していない。ラダー図を用いてPLCシーケンス制御の基礎回路を作成したり、ラダー図からシーケンス動作を読み取ることができない。また、期限内に所定の提出物を提出できない。
評価項目2パワーポイントや3Dモデリングツール等を用いて、基礎的な形状だけでなく、やや複雑な形状のモデルを設計できる。よく考察された福祉機器のアイデアを自ら考案・デザインし,他者の共感が得られるように分かりやすくプレゼンテーションできる。また、期限内に所定の提出物を高い完成度で提出できる。パワーポイントや3Dモデリングツールを用いて、基礎的な形状のモデルを設計できる。福祉機器のアイデアを自ら考案・デザインし,他者にプレゼンテーションできる。また、期限内に所定の提出物を概ね提出できる。パワーポイントや3Dモデリングツールを用いて、基礎的な形状のモデルを設計できない。福祉機器のアイデアを自ら考案・デザインできない。また、期限内に所定の提出物を提出できない。
評価項目3企業が抱える問題を工学的視点から問題の本質を見極め、論理的に優れた問題解決手法を提案することができる。また、期限内に所定の提出物を高い完成度で提出できる。企業が抱える問題を工学的視点から問題の本質を概ねとらえることができ、問題解決手法を提案することができる。また、期限内に所定の提出物を概ね提出できる。企業が抱える問題を工学的視点から問題の本質を概ねとらえることができず、問題解決手法を提案することができない。また、期限内に所定の提出物を提出できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
産業の高度化に伴い、機械化・自動化技術は急速に進歩している。その一翼を担う技術が自動制御である。自動制御は大別すると、目的に適合するように対象に所要の操作を加えるフィードバック制御と、あらかじめ定められた手順に従い対象を一段階ずつ動作させるシーケンス制御に分類される。はじめに、工場の生産ラインで広く用いられているシーケンス制御について講義する。まず、シーケンス制御の概念について説明し、図記号や文字記号などの表記などPLCの基本について述べる。次に、ラダー図の基礎について説明し、基本的なPLCシーケンス制御回路の設計を行う。後期は、センサ、アクチュエータ、コンピュータの応用事例として、介護・福祉器具サービス、システムなどへの新たな発想のデザインについて演習を行う。また、科学・技術文章の書き方の基本ついて学び、自己の考えを小論文で表現する力を養う。
授業の進め方・方法:
1. 自動制御の基礎を理解し、リレーシーケンス制御について説明できる。
2. ラダー図の基本的なルールを理解し、ラダー図を用いたシーケンス制御回路の動作を説明できる。
3. PLCの基礎を理解し、PLCシーケンス制御の基礎回路を作成できる。
4. センサ、アクチュエータ、コンピュータの応用として、介護・福祉器具サービス、システムなどへの新たな発想のデザインができる。
5.自己の考えを小論文としてまとめることができる。
注意点:
3年生に進級し、本格的な専門科目の学習がいよいよスタートします。目標をしっかりと定め、目的意識を維持しながら授業に臨んでください。演習は、自らの取り組みが一番重要です。授業の枠を超えて、資格試験や各種コンテストに積極的に取り組んでください。一緒にがんばりましょう!
なお、後期は、協力企業と調整しておこないますので、学習内容が前後することがあります。
この科目では、調査活動やレポート作成などで年間に30時間の自学自習を課します。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンスと自動制御の基礎 本講義の学習内容や目標、評価方法について理解し、説明できる。
2週 リレーシーケンス制御の基礎(1) シーケンス制御回路でよく使用される操作用スイッチやリレー、検出用スイッチなどの基本部品の動作原理や図記号、用途を理解し、説明できる。
3週 リレーシーケンス制御の基礎(2) シーケンス制御回路でよく使用される操作用スイッチやリレー、検出用スイッチなどの基本部品の動作原理や図記号、用途を理解し、説明できる。
4週 リレーシーケンス制御の基礎(3) シーケンス制御回路でよく使用される操作用スイッチやリレー、検出用スイッチなどの基本部品の動作原理や図記号、用途を理解し、説明できる。
5週 リレーシーケンス制御の基礎(4) シーケンス制御回路でよく使用される操作用スイッチやリレー、検出用スイッチなどの基本部品の動作原理や図記号、用途を理解し、説明できる。
6週 PLCの構成(1) PLCの内部回路の構成や実例などを理解し、説明できる。
7週 PLCの構成(2) PLCの内部回路の構成や実例などを理解し、説明できる。
8週 前期中間試験 前期中間四半期の学習範囲について到達度を確認し、改善することができる。
2ndQ
9週 ラダー図の基礎(1) ラダー図の基本的なルールをマスターし、説明できる。
10週 ラダー図の基礎(2) ラダー図の基本的なルールをマスターし、説明できる。
11週 PLCシーケンス制御の基礎回路(1) ラダー図を用いてPLCシーケンス制御の基礎回路を作成したり、ラダー図からシーケンス動作を読み取り説明できる。
12週 PLCシーケンス制御の基礎回路(2) ラダー図を用いてPLCシーケンス制御の基礎回路を作成したり、ラダー図からシーケンス動作を読み取り説明できる。
13週 PLCシーケンス制御の応用回路(1) 基礎回路を発展させて、タイマやカウンタ、光電スイッチなどを用いた応用回路を理解し、動作を説明できる。
14週 PLCシーケンス制御の応用回路(2) 基礎回路を発展させて、タイマやカウンタ、光電スイッチなどを用いた応用回路を理解し、動作を説明できる。
15週 前期定期試験 前期期末までの学習範囲について到達度を確認し、改善することができる。
16週 前期期末試験答案返却 前期期末までの学習範囲について到達度を確認し、改善することができる。
後期
3rdQ
1週 PLC操作の基礎(1) PLC実験装置を実際に配線し、プログラミングコンソールからニーモニックでプログラムを入力することで、目的のシーケンス動作を実装できる。
2週 PLC操作の基礎(2) PLC実験装置を実際に配線し、プログラミングコンソールからニーモニックでプログラムを入力することで、目的のシーケンス動作を実装できる。
3週 PLC操作の基礎(3) PLC実験装置を実際に配線し、プログラミングコンソールからニーモニックでプログラムを入力することで、目的のシーケンス動作を実装できる。
4週 PLC操作の基礎(4) PLC実験装置を実際に配線し、プログラミングコンソールからニーモニックでプログラムを入力することで、目的のシーケンス動作を実装できる。
5週 福祉機器のデザイン(1) 3Dモデリングソフトを用いて、基礎的な形状を設計できる。福祉機器のアイデアを考案・デザインする。
6週 福祉機器のデザイン(2) 3Dモデリングソフトを用いて、基礎的な形状を設計できる。福祉機器のアイデアを考案・デザインする。
7週 福祉機器のデザイン(3) 3Dモデリングソフトを用いて、基礎的な形状を設計できる。福祉機器のアイデアを考案・デザインする。
8週 プレゼンテーションの基礎(1) 考案・デザインした福祉機器のアイデアをパワーポイント等を用いスライドで表現できる。
4thQ
9週 プレゼンテーションの基礎(2) 考案・デザインした福祉機器のアイデアをパワーポイント等を用いスライドで表現できる。
10週 プレゼンテーションの基礎(3) 福祉機器のアイデアを表現したスライドを用いてプレゼンテーションできる。
11週 社会実装の基礎(1) 生活や企業の抱える問題点を観察・発見し、工学的に解決する手法を考案することができる。
12週 社会実装の基礎(2) 生活や企業の抱える問題点を観察・発見し、工学的に解決する手法を考案することができる。
13週 社会実装の基礎(3) 生活や企業の抱える問題点を観察・発見し、工学的に解決する手法を考案することができる。
14週 社会実装の基礎(4) 生活や企業の抱える問題点を観察・発見し、工学的に解決する手法を考案することができる。
15週 社会実装の基礎(5) 生活や企業の抱える問題点を観察・発見し、工学的に解決する手法を考案することができる。
16週 後期の振り返り 後期期末までの学習範囲について到達度を確認し、改善することができる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野計測計測方法の分類(偏位法/零位法、直接測定/間接測定、アナログ計測/ディジタル計測)を説明できる。1
指示計器について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法を説明できる。1
倍率器・分流器を用いた電圧・電流の測定範囲の拡大手法について説明できる。1
A/D変換を用いたディジタル計器の原理について説明できる。2
電圧降下法による抵抗測定の原理を説明できる。1
ブリッジ回路を用いたインピーダンスの測定原理を説明できる。1
制御ブロック線図を用いてシステムを表現することができる。1前1,前2,前3,前4,前5,後5,後6,後7,後11,後12,後13,後14,後15
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。1
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。1
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。1
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。1
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。1
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。1
他者の意見を聞き合意形成することができる。1
合意形成のために会話を成立させることができる。1
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。1
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。1
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。1
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。1
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。1
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。1
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。1
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる1
複数の情報を整理・構造化できる。1
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。1
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。1
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。1
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。1
事実をもとに論理や考察を展開できる。1
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。1
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。1
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。1
目標の実現に向けて計画ができる。1
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。1
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。1
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。1
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。1
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。1
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。1
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。1
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。1
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。1
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている1
法令やルールを遵守した行動をとれる。1
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。1
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。1

評価割合

試験レポート家庭学習合計
総合評価割合602515100
基礎的能力40101565
専門的能力2015035
分野横断的能力0000