1. 力学における基本的物理用語(座標系,質点,加速度,力,慣性,運動量,仕事,保存力,エネルギー保存則,運動量保存則,角運動量保存則,ガリレイ変換)を理解し,運動方程式を使って問題を解くことができる。
2. 熱平衡,温度,エントロピー,状態方程式,自由エネルギー,マクスウェルの関係式,カルノーサイクルを理解し,熱現象に関する問題を解くことができる。
3. ローレンツ変換,質量とエネルギー,加速系と等価原理を理解し,ローレンツ変換式を用いて簡単な問題を解くことができる。
4. 量子仮説,光電効果,コンプトン効果を学び,光を粒子として理解できる。ボーアの原子模型,粒子の波動性を学びシュレディンガー方程式を理解できる。
概要:
古典物理学における基本的な対象の捉え方として,ニュートン力学と熱統計力学を取り上げ,質点の力学と熱現象の最も基本的な部分を学ぶ。それを踏まえ,現代物理学の中心としての相対性理論と量子論の初等的な理論を学ぶ。
授業の進め方・方法:
古典物理学を背景に生まれた量子論は現代の情報通信に欠かせぬ半導体の広範な利用,光通信網実現などの道を開いた。これらの現代技術を生み出した背景を理解出来るようにする。理解を深めるため簡単な問題演習も行う。
注意点:
本科目は2,3学年で学んだ物理に続く科目で,更に高度な内容の物理学の講義を行う。
本講義は今後の専門科目の理解に大きく役立つものなので,暗記に頼るのではなく,内容を理解するよう努めてほしい。
本科目は,90分の授業に対して放課後・家庭で90分程度の自学自習が求められる。
年間総合評価が60点に満たない場合は、再提出したレポートや再評価試験にて評価する。再評価でも60点に満たない場合は単位を認定しない。
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 物理 | 力学 | 速度と加速度の概念を説明できる。 | 3 | 前1 |
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。 | 3 | 前1,前2 |
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。 | 3 | 前1,前2 |
運動方程式を用いた計算ができる。 | 3 | 前2,前12 |
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。 | 3 | 前2,前13 |
運動の法則について説明できる。 | 3 | 前2 |
仕事と仕事率に関する計算ができる。 | 3 | 前4 |
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。 | 3 | 前4 |
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。 | 3 | 前4,前6,前12 |
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。 | 3 | 前4 |
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。 | 3 | 前4 |
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。 | 3 | 前5 |
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。 | 3 | 前5 |
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。 | 3 | 前5 |
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。 | 3 | 前3 |
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。 | 3 | 前3 |
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる. | 3 | 前6 |
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。 | 3 | 前6 |
力のモーメントを求めることができる。 | 3 | 前5 |
角運動量を求めることができる。 | 3 | 前5 |
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。 | 3 | 前5 |
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。 | 3 | 前7,前8 |
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。 | 3 | 前8 |
熱 | 原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。 | 3 | 後1,後5 |
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。 | 3 | 後1,後2 |
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。 | 3 | 後1,後2,後6 |
動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを説明できる。 | 3 | 後1 |
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。 | 3 | 後1 |
気体の内部エネルギーについて説明できる。 | 3 | 後1 |
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。 | 3 | 後1,後2,後3 |
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。 | 3 | 後3,後4 |
熱機関の熱効率に関する計算ができる。 | 3 | 後3,後4 |