概要:
計測の技術は工業的な分野にとどまらず、日常のさまざまな場面で用いられている。本講義では、計測技術の基礎概念を紹介し、電気・電子計測技術を取り上げて講義を行う。
※実務との関係
この科目は企業で計測技術の研究開発を担当していた教員が、その経験を活かし、計測器と計測システムの構成と原理、計測技術などについて講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
授業内容は教科書ベースで、関連知識や技術動向も紹介する。自学自習の効果を確認するために、科目内容と関連する課題でレポートの提出が求められる。また、計測技術の応用に関係するPBL課題も授業と並行に行う。
注意点:
計測技術は複数分野を横断する総合的な技術体系で、制御と情報処理を行うために基礎となる技術です。本科目は、ディジタル技術検定（制御部門）と関連が深い。関連する基礎科目は3年次に開講される電気回路や電子回路であり、関連する項目を復習して受講することが望まれる。また、システムを組み合わせるインテグレーションという観点から4、5年次に開講される制御工学とも関連が深い。規定授業時間数：60単位時間。本科目は、90分の授業に対して放課後・家庭で90分程度の自学自習が求められます。
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
| 前期 |
| 1stQ |
| 1週 |
ガイダンス |
本講義の学習内容や目標、評価方法について理解する。
|
| 2週 |
測定の基礎を学ぶ（１） |
測定方法の分類、計測の構成と計測技術における考え方について理解できる。
|
| 3週 |
測定の基礎を学ぶ（２） |
測定値の扱いについて、計測誤差と精度について理解できる。
|
| 4週 |
測定の基礎を学ぶ（３） |
有効数値・誤差の伝播を考慮し測定値の処理について理解できる。
|
| 5週 |
測定の基礎を学ぶ（４） |
国際単位（SI）系の基本を理解し、組立単位を把握できる。
|
| 6週 |
測定の基礎を学ぶ（５） |
国際単位（SI）系の基本を理解し、組立単位を把握できる。
|
| 7週 |
測定の基礎を学ぶ（６） |
計量標準と標準器の基本について理解できる。
|
| 8週 |
測定の基礎を学ぶ（７）、中間復習と課題実施 |
電気量の計測標準（電圧標準と抵抗標準）を理解できる。前期中間までの勉強内容をまとめ、計測基準と単位系の課題を実施、レポートを提出できる。
|
| 2ndQ |
| 9週 |
電気信号の波形観測（１） |
アナログ指示計器とオシロスコープの動作原理について理解し、説明できる。
|
| 10週 |
電気・電磁を測る（１） |
可動コイル形直流計器及びに倍率器･分流器を用いた測定範囲の拡大について理解できる。
|
| 11週 |
電気・電磁を測る（２） |
交流電流・電圧計器について理解し、説明できる。
|
| 12週 |
電気・電磁を測る（３） |
電力・電力量の測定について理解し、説明できる。
|
| 13週 |
電気・電磁を測る（４） |
微小電流・電圧の測定について理解し、説明できる。
|
| 14週 |
電気・電磁を測る（５） |
高電圧・大電流の測定と磁気の測定について理解し、説明できる。
|
| 15週 |
前期定期試験 |
|
| 16週 |
定期試験回答返却 |
|
| 後期 |
| 3rdQ |
| 1週 |
アナログとディジタル計器（１） |
アナログ式とデジタル式計測の比較、及びAD変換の原理を理解し、説明できる。
|
| 2週 |
アナログとディジタル計器（２） |
AD変換を用いたデジタル計器の原理、デジタル計測の誤差について理解できる。
|
| 3週 |
回路素子を測る（１） |
低抵抗、中抵抗、高抵抗の測定について理解し、説明できる。
|
| 4週 |
回路素子を測る（２） |
低抵抗、中抵抗、高抵抗の測定について理解し、説明できる。
|
| 5週 |
回路素子を測る（３） |
交流電源を用いた抵抗測定について説明できる。
|
| 6週 |
回路素子を測る（４） |
インピーダンスの測定について理解し、説明できる。
|
| 7週 |
回路素子を測る（５） |
交流ブリッジでインピーダンスの測定について理解し、説明できる。
|
| 8週 |
中間試験 |
|
| 4thQ |
| 9週 |
回路素子を測る（６） |
交流ブリッジでインピーダンスの測定について理解し、説明できる。
|
| 10週 |
電気信号の波形観測（２） |
オシロスコープで電気信号波形観測について理解し、説明できる。
|
| 11週 |
電気信号の波形観測（３） |
オシロスコープで電気信号波形観測について理解し、説明できる。
|
| 12週 |
電気信号の波形観測（４） |
オシロスコープで電気信号波形観測について理解し、説明できる。
|
| 13週 |
応用計測 |
電気電子計測以外の物理量測定について説明し、理解できる。
|
| 14週 |
応用計測 |
電気電子計測以外の物理量測定について説明し、理解できる。
|
| 15週 |
後期定期試験 |
|
| 16週 |
定期試験回答返却 |
|
| 分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
| 基礎的能力 | 工学基礎 | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。 | 3 | 前1,前2,前13,前14,後9,後12,後14 |
| 実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。 | 2 | 前2,前13,前14 |
| 実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。 | 3 | 前1,前2,前13,前14,後9,後14 |
| 専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 計測 | 計測方法の分類(偏位法/零位法、直接測定/間接測定、アナログ計測/ディジタル計測)を説明できる。 | 4 | 前2,後9,後12,後14 |
| 精度と誤差を理解し、有効数字・誤差の伝搬を考慮した計測値の処理が行える。 | 4 | 前3,前4,後14 |
| SI単位系における基本単位と組立単位について説明できる。 | 4 | 前5,前6 |
| 計測標準とトレーサビリティの関係について説明できる。 | 4 | 前6,前7 |
| 指示計器について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法を説明できる。 | 4 | 前9,前11,前12,前13 |
| 倍率器・分流器を用いた電圧・電流の測定範囲の拡大手法について説明できる。 | 4 | 前10,前11,前13,前14 |
| A/D変換を用いたディジタル計器の原理について説明できる。 | 4 | 後10,後11,後12 |
| 電圧降下法による抵抗測定の原理を説明できる。 | 4 | 前12,後4,後5 |
| ブリッジ回路を用いたインピーダンスの測定原理を説明できる。 | 4 | 後6,後7 |
| 有効電力、無効電力、力率の測定原理とその方法を説明できる。 | 4 | 後1,後2,後3 |
| 電力量の測定原理を説明できる。 | 4 | 後3 |
| オシロスコープの動作原理を説明できる。 | 4 | 後13 |