電子制御回路学

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 電子制御回路学
科目番号 CI1413 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 制御情報システム工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 自作プリントを配布(ただし,前期前半は,坂本康正「電子回路 基礎から応用まで」共立出版株式会社を使用)
担当教員 寺田 晋也

到達目標

1.オペアンプを使った仕様に基づいた増幅回路を設計ができる.
2.デジタルICの使い方を理解し,データシートを基に設計ができる.
3.LTSpiceを用いた回路シミュレーションができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1オペアンプを用いた設計において,適切な回路の選択でき,さらに適切な値の素子(抵抗など)を選択できる.オペアンプを用いた基本的な回路について,回路に流れる電流,電圧および増幅度を求めることができる.オペアンプを用いた基本的な回路について,増幅度を求めることがでない.
評価項目2デジタル回路についてデータシートを参考に仕様に基づいた設計できる.デジタル回路を使う基本的な内容が理解できる.また,実際にデジタルICの使い方を理解している.デジタル回路を使う基本的な内容が理解できない.
評価項目3LTSpiceを用いて各種増幅回路やオペアンプを用いた回路の解析・シミュレーションができるLTSpiceの使い方が理解でき,基本的な解析・回路シミュレーションができるLTSpiceの使い方が理解できず,基本的な解析・回路シミュレーションができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
ディジタルIC回路はコンピュータの基本構成要素であり,また様々なアナログ信号のディジタル処理・変換のための電子制御回路に用いられている.電子制御技術において基本的に必要とされるC-MOS論理素子やオペアンプICを利用した各種パルス回路の動作機構,入出力特性,応用知識等を理解し,具体的なディジタルIC回路の設計,製作に必要な実用技術について述べる.また,近年主流な解析手法として回路シミュレーションが挙げられる.本講義でもアナログデバイス社のLTspiceを用いた回路シミュレーションを実施する.
授業の進め方・方法:
1. オペアンプを用いて各種増幅器について学修する.2. デジタル回路において,回路構成,動作原理,ICを扱い方を学修する.3. LTSpiceを使って,回路シミュレーションの使い方および今まで習った電子回路のシミュレーションを行う.
注意点:
この科目では,1単位あたり15時間の自学自習が求められる。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス,オペアンプについて この教科の概要およびオペアンプの端子および基本的な特性について理解する
2週 オペアンプを用いた基本回路1 オペアンプを使った反転増幅器,非反転増幅器について説明できる
3週 オペアンプを用いた基本回路2 オペアンプを使った加算器,減算器,ボルテージホロワについて説明できる
4週 オペアンプを用いた基本回路3 オペアンプを使った積分器,微分器について説明できる
5週 オペアンプの原理と実際のオペアンプ素子 オペアンプの中身と素子の使い方について説明できる
6週 オペアンプを使った回路計算の演習 今まで行ったオペアンプを使って,電圧・電流などの回路計算について,演習問題を通して理解しているかどうか確認する.
7週 前期中間試験 オペアンプの基本的な原理・回路について,前期中間試験を通して理解度を確認できる
8週 前期中間試験フィードバック 前期中間試験の結果を参考に,オペアンプの基本的な原理・回路について説明できる
2ndQ
9週 オペアンプを使った応用回路1 オペアンプを使ったインスツルメンテーションアンプについて説明できる
10週 オペアンプを使った応用回路2 オペアンプを使った電流-電圧変換回路,電流出力アンプ(定電流回路),フィルタ回路について説明できる.
11週 デジタルIC1 TTL,とCMOSについて,特性(データシート)や論理レベルの観点から説明できる.また,バスコンの使い方について説明できる
12週 デジタルIC2 C-MOS,NAND,ANDの回路について説明できる.また,TTL,とCMOSの違いについて,回路構成の観点から説明できる
13週 TTLによるパルス発生回路 TTLによる無安定,単安定,双安定マルチバイブレータを説明できる.
14週 C-MOSによるパルス発生回路 C-MOSによる無安定,単安定,双安定マルチバイブレータ,遅延回路を説明できる
15週 前期期末試験 オペアンプを使った応用回路・デジタル回路・パルス発生回路について,前期期末評価課題を通して,理解度を把握できる.
16週 前期期末試験フィードバック 前期期末評価課題の結果を参考に,オペアンプを使った応用回路・デジタル回路・パルス発生回路について説明できる.
後期
3rdQ
1週 波形操作回路1 クリッパ,スライサ,比較器,零比較器,シュミット回路,ウィンドウコンパレータについて説明できる
2週 波形操作回路2 クリッパ,スライサ,比較器,零比較器,シュミット回路,ウィンドウコンパレータについて説明できる
3週 波形操作回路3 クリッパ,スライサ,比較器,零比較器,シュミット回路,ウィンドウコンパレータについて説明できる
4週 D-A変換1 D-A変換器の概要およびはしご型D-A変換,抵抗分圧型D-A変換について説明できる
5週 D-A変換2 D-A変換器の概要およびはしご型D-A変換,抵抗分圧型D-A変換について説明できる
6週 D-A変換3 D-A変換器の概要およびはしご型D-A変換,抵抗分圧型D-A変換について説明できる
7週 後期中間試験 波形操作回路・関数発生回路・D-A変換について,後期中間試験を通して理解度を確認できる
8週 後期中間試験フィードバック 後期中間試験の結果を参考に,波形操作回路・関数発生回路・D-A変換について説明できる
4thQ
9週 A-D変換1 A-D変換器の概要(標本化,符号化)および2重積分型A-D変換について説明できる
10週 A-D変換2 逐次比較型A-D変換,並列比較型A-D変換について説明できる
11週 LTSpiceによるシミュレーション1 LTSpiceを使って,基本的な解析の種類について,理解する
12週 LTSpiceによるシミュレーション2 LTSpiceを使って,RLCを使った回路について解析する
13週 LTSpiceによるシミュレーション3 LTSpiceを使って,トランジスタを使った回路について解析する
14週 LTSpiceによるシミュレーション4 LTSpiceを使って,オペアンプを使った回路について解析する
15週 後期定期試験 A-D変換,電源回路,LTSpiceによるシミュレーションについて,定期試験を通して,理解度を確認し,内容を理解する
16週 後期定期試験答案返却 A-D変換,電源回路,LTSpiceによるシミュレーションについて,定期試験を通して,理解度を確認し,内容を理解する

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

定期試験レポート合計
総合評価割合7030100
基礎的能力000
専門的能力7030100
分野別横断的能力000