メカトロニクス工学

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 メカトロニクス工学
科目番号 CI1503 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 制御情報システム工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 前期:スライドまたはプリント配布、後期:自作プリント、参考書(前期分)/前期分教材:古田勝久編著「メカトロニクス概論」オーム社 、太田博著「機構学」共立出版、川村貞夫他著「制御用アクチュエータの基礎」コロナ社、 松井信行著「アクチュエータ入門」オーム社
担当教員 永田 正伸,寺田 晋也

到達目標

前期:
・メカトロニクスシステムの構成要素を理解し、説明できる。
・リンク機構,カム機構,減速機(歯車)やベルト駆動などの機械要素の原理や役割を理解し、説明できる。
・電動機の駆動原理を理解し、負荷-速度の関係および速度制御方法を説明できる。
・モータの選定演習を通して,基本的なモータアクチュエータ選定手順を理解し、モータ選定ができる。
後期:
・発電について,それぞれの働きと役割について説明できる。
・送電について,構成とその要素について説明できる。
・電力変換に必要な素子と基本的な変換方法について説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
メカトロシステムメカトロニクスシステムの構成要素の相互作用を理解し、論理的に説明できる。メカトロニクスシステムの構成要素を理解し、説明できる。メカトロニクスシステムの構成要素を説明できない。
機構リンク機構,カム機構,減速機(歯車)やベルト駆動などの機械要素の原理や役割を理解し、メカトロシステムに応用できる。リンク機構、カム機構、減速機(歯車)やベルト駆動などの機械要素の原理や役割を理解し、説明できる。リンク機構、カム機構、減速機(歯車)やベルト駆動などの機械要素の原理や役割が説明できない。
電動機電動機の駆動原理を理解し、負荷-速度の関係および速度制御方法を応用できる。電動機の駆動原理を理解し、負荷-速度の関係および速度制御方法を説明できる。電動機の駆動原理を理解し、負荷-速度の関係および速度制御方法を説明できない。
モータの選定設計モータの選定演習を通して、基本的なモータアクチュエータ選定手順を理解し、モータ選定ができる。モータの選定演習を通して、基本的なモータアクチュエータ選定手順を理解し、説明できる。基本的なモータアクチュエータ選定手順を理解・説明できない。
発電日本で使われている発電(水力、火力、原子力など)の原理ついて説明できる。また、それぞれの発電の主要設備についてすべて説明できる。水力、火力、原子力発電の原理ついて説明できる。また、それぞれの発電の主要設備について、おおかた説明できる。水力、火力、原子力発電の原理ついて,説明できない。
送電日本の送電システムについて説明できる.また、変圧器の基本的な原理、等価回路や特性についてすべて説明できる。日本の送電システムについて説明できる。また、変圧器の基本的な原理や等価回路について説明できる。日本の送電システムや変圧器の基本的な原理や等価回路について説明できない。
電力変換電力変換に必要な素子と基本的な変換方法についてすべて説明できる。電力変換に必要な素子と基本的な変換方法についておおかた説明できる。電力変換に必要な素子と基本的な変換方法について説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
前期:メカトロニクスとは、電子制御技術により機械装置を駆動するシステムの総称と捉えることができ、商品単体としても生産技術としても現在では最も基本的で重要な技術である。すなわち、メカトロニクスでは、機械システム、電子制御システム、センシング、アクチュエータ、およびそれらを有機的に接続するインターフェイス等の技術が扱われる。本講義では,これらの要素技術の内、主に機械システムおよび電動機の修得を行う。
後期:電気エネルギーの発生や輸送システムについて学修する。具体的には、水力、火力、原子力などの発電や日本における送電システムについて学修する。
※実務との関係
 この科目は、鉄鋼プロセスラインの制御系設計、加工装置等の設計、ロボット制御設計等を担当していた教員がその経験を生かし、前期において、メカトロニクスに関連する機構、電動機、モータ選定方法等について講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
前期:
 講義形式で、メカトロニクスの要素技術である機構および電動機について学ぶ。授業はスライド中心で行い、併せて具体的な製品等の紹介も行う。
後期:
 講義形式で行う。
注意点:
規定授業時間数:60単位時間
この科目では、1単位あたり15時間の自学自習が求められます。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス、メカトロニクスの概要 メカトロニクスの基本的な要素および構成を理解し、説明できる。
2週 機構(1):機構の定義 機構の基本要素の定義を理解し、説明できる。
3週 機構(1):リンク機構 リンク機構の構造と役割を理解し、各リンク機構の特徴と用法を説明できる。
4週 機構(2):カム機構 いろいろな種類のカム機構の構成と役割を理解し、説明できる。
簡単なカムを設計できる。
5週 機構(3):歯車機構1 ・いろいろな種類の歯車の構造と役割を理解し、説明できる。
・歯車の歯の構造原理を理解し、説明できる。
6週 機構(3):歯車機構2 ・歯車列による減速・増速原理を理解し、減速比を計算できる。
7週 前期中間試験 前期前半に学習した内容を理解し、問題に解答することができる。
8週 試験解答、答案返却 試験の解答、答案の返却
試験の解答を通して、問題の解き方を理解し、説明できる。
2ndQ
9週 機構(4):巻き掛け伝動機構1 ・巻き掛け伝動の仕組みと理論を理解し、説明できる。
・送り機構の仕組みを理解し、説明できる
10週 機構(4):巻き掛け伝動機構2
      送り機構
・巻き掛け伝動の仕組みと理論を理解し、説明できる。
・送り機構の仕組みを理解し、説明できる
11週 アクチュエータ
ソレノイド
・いろいろな種類のアクチュエータの特徴と用途を理解し、説明できる。
・ソレノイドの動作原理を理解し、説明できる。
12週 誘導電動機 回転原理、速度制御 ・誘導電動機の回転原理を理解し、説明できる。
・回転磁界と電気子の回転速度の関係を理解し、速度制御方式について説明できる。
13週 同期電動機、ステッピングモータ ・同期電動機の回転原理を理解し、説明できる。
・ステッピングモータの回転原理を理解し、説明できる。
14週 サーボモータの容量選定 サーボモータの容量選定手順を理解し、簡単な例題を解くことができる。
15週 定期試験 前期後半に学習した内容を理解し、問題に解答することができる。
16週 答案返却、試験解答 試験の解答、答案の返却
試験の解答を通して、問題の解き方を理解し、説明できる。
後期
3rdQ
1週 ガイダンス 後期に行う授業の概要を理解し説明できる。
2週 水力発電 水力発電の原理について理解し、水力発電の主要設備を説明できる。さらに、水力発電における発電電力を求め方を説明できる。
3週 火力発電 火力発電の原理について理解し、火力発電の主要設備を説明できる。
4週 原子力発電 原子力発電の原理について理解し、原子力発電の主要設備を説明できる。さらに、原子力によるエネルギーを求めることができる。
5週 その他の新エネルギー・再生可能エネルギーを用いた発電 その他の新エネルギー・再生可能エネルギーを用いた発電の概要を説明できる。
6週 電力システムの構成(1) 電力システムの構成およびその構成要素について説明できる。
7週 電力システムの構成(2) 交流および直流送配電方式について、それぞれの特徴を説明できる。
8週 中間試験 後期前半に学習した内容において理解し、説明できる項目を把握できる。説明できていない項目の内容について,理解し説明できる。
4thQ
9週 中間評価フィードバック 後期前半に学習した内容において理解し、説明できる項目を把握できる。説明できていない項目の内容について,理解し説明できる。
10週 変圧器(1) 変圧器の原理や等価回路について説明できる。
11週 変圧器(2) 変圧器の特性(電力変動率,短絡インピーダンス)と電力損失について説明できる。
12週 半導体電力変換装置の原理と働き 半導体電力変換装置の原理と働きについて説明できる。
13週 電力品質と電力システムの経済的運用(電力) 電力品質の定義およびその維持に必要な手段について知っている。また,電力システムの経済的運用について説明できる。
14週 電気エネルギーと環境問題(電力) 電気エネルギーの発生・輸送・利用と環境問題との関わりについて説明できる。
15週 定期試験 後期後半に行なった内容について定期試験を通して,理解度を確認し内容を理解する。
16週 定期試験テスト返却 後期後半に行なった内容について定期試験を通して,理解度を確認し内容を理解する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電力三相交流における電圧・電流(相電圧、線間電圧、線電流)を説明できる。4後6,後7
電源および負荷のΔ-Y、Y-Δ変換ができる。4後6,後7
対称三相回路の電圧・電流・電力の計算ができる。4後6,後7
直流機の原理と構造を説明できる。4前7
誘導機の原理と構造を説明できる。4前7
同期機の原理と構造を説明できる。4前7
変圧器の原理、構造、特性を説明でき、その等価回路を説明できる。4後10,後11
半導体電力変換装置の原理と働きについて説明できる。4後12
電力システムの構成およびその構成要素について説明できる。4後6
交流および直流送配電方式について、それぞれの特徴を説明できる。4後7
電力品質の定義およびその維持に必要な手段について知っている。4後13
電力システムの経済的運用について説明できる。4後13
水力発電の原理について理解し、水力発電の主要設備を説明できる。4後2
火力発電の原理について理解し、火力発電の主要設備を説明できる。4後3
原子力発電の原理について理解し、原子力発電の主要設備を説明できる。4後4
その他の新エネルギー・再生可能エネルギーを用いた発電の概要を説明できる。4後5
電気エネルギーの発生・輸送・利用と環境問題との関わりについて説明できる。4後14

評価割合

前期-試験前期-課題・レポート後期-試験後期-課題合計
総合評価割合25253515100
基礎的能力00000
専門的能力25253515100
分野横断的能力00000