到達目標
本科目は,生体情報処理および身体運動解析という二つの大きな到達目標を設定する.
まず,生体情報処理を学ぶことで,生体信号の特性を理解し,それを扱う処理技術の基本的な考え方を理解するとともに,代表的な生体信号の計測および解析手法について授業と実習実験を通して,下記の評価項目1,2,3を理解し,説明できる.
次に,身体運動解析を学ぶことで,基本的な身体運動の計測および解析手法を理解し,運動の巧みさの解析への応用も含めて授業と実習実験を通して,下記の評価項目3,4を理解し,説明できる.
評価項目1:生体電気信号と生体信号計測の基本について理解し説明できる.
評価項目2:心電図計測と処理について理解し説明できる.
評価項目3:筋電図計測と処理について理解し説明できる.
評価項目4:身体運動の計測および解析手法を理解し説明できる.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 生体の電気現象を理解し,生体信号の計測と代表的な信号処理について説明できる. | 生体の電気現象を理解し,代表的な生体信号の特性と処理の一般的な流れを説明できる. | 生体の電気現象,代表的な生体信号の特性と処理の一般的な流れを説明できない. |
評価項目2 | 心電図の計測と代表的な処理について理解し,独自に設定した計測目的に合わせて,信号計測を行い,実機実験と信号解析を行うことができる. | 心電図の計測と代表的な処理について理解し,信号計測を行い代表的な心電計測・解析実験を行うことができる. | 心電図計測について代表的な心電計測・解析実験を行うことができることができない.
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評価項目3 | 床反力と筋電図の計測と代表的な処理について理解し,独自に設定した計測目的に合わせて,信号計測を行い,実機実験と信号解析を行うことができる. | 床反力と筋電図の計測と代表的な処理について理解し,信号計測を行い,力の計測・解析実験を行うことができる. | 床反力と筋電図計測について代表的な筋電計測・解析実験を行うことができない. |
評価項目4 | 身体運動の計測および解析手法を理解し,独自に設定した計測目的に合わせて,動作計測・解析実験を行うことができる. | 身体運動の計測および解析手法を理解し,提示された動作計測・解析実験を行うことができる. | 身体運動の計測および解析手法を説明できない. |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
生体情報処理では,生体信号の計測と処理技術にかかわる技術を紹介する.非定常で個人差に影響されやすい生体信号を処理する技術を講義と実習を通して理解する.身体運動解析では,身体運動の計測と解析方法について紹介し,比較的計測が容易な運動についての実習を通して理解する.
※実務との関係
この科目は企業で生体計測・評価技術の研究開発を担当していた教員が、その経験を活かし、生体システムの構成と原理、最新の生体計測技術などについて講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
授業より基礎知識を理解したうえで,実習実験を通して自ら生体信号および身体運動の計測と処理を行い,理解を深める.
また,生体情報および身体運動の計測と処理技術は日々新しくなる状況である.いろいろ視野を広げて,最新の情報を収集するにWebや新聞などを通して行ってください.
注意点:
規定授業時間数:60単位時間.本科目は,90分の授業に対して放課後・家庭で90分程度の自学自習が求められます.
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス |
本科目の学習内容や目標,評価方法について理解し,説明できる.
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2週 |
生体情報工学概論 |
生体の特性にかかわる信号処理技術の基礎的な考え方,生体信号計測との密接な関係を説明できる.
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3週 |
生体電気現象と生体組織の電気特性 |
生体から電気信号が計測される基本的な考え方を説明できる.
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4週 |
生体用電極 |
生体用電極 生体電気計測のための電極の基本知識を説明できる.
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5週 |
生体情報計測システム |
生体情報計測の基本システム構成を説明できる.
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6週 |
各種生体電気現象の計測 |
各種生体電気現象の計測に関する基本知識を説明できる.
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7週 |
心電図の計測と処理 |
心電図の計測と処理に関する基本知識を説明できる.
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8週 |
脳波計測と処理 |
代表的な脳波計測手段および脳波の信号処理方法を説明できる.
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2ndQ |
9週 |
筋電図の計測と処理 |
筋電図の計測方法および解析手法の基本知識を説明できる.
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10週 |
心電図処理の実習(1)Pythonプログラミング |
心電図の計測と処理に関する基本知識の定着のため,サンプルデータの解析が可能なPythonプログラムを作成できる.
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11週 |
心電図処理の実習(2)Pythonプログラミング |
同上
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12週 |
心電図処理の実習(3)Pythonプログラミング |
同上
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13週 |
心電図処理の実習 |
実際に心電図を計測し,それの分析処理ができる.
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14週 |
筋電図分析の実習 |
実際に筋電図を計測し,それの分析処理できる.
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15週 |
前期期末試験 |
生体情報処理の基礎的な問題について解くことができる.
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16週 |
答案返却 筋電図分析の実習(1)Pythonプログラミング |
筋電図の計測方法および解析手法の基本知識の定着のため,サンプルデータの解析が可能なPythonプログラムを作成できる.
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後期 |
3rdQ |
1週 |
筋電図分析の実習(2)Pythonプログラミング |
同上
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2週 |
生体情報活用の実習(1) |
前期中間でまとめた「生体計測・解析実験計画書」を基に,生体信号の計測から解析と考察ができる.
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3週 |
生体情報活用の実習(2) |
同上
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4週 |
生体情報活用の実習(3) |
同上
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5週 |
生体情報活用の実習(4) |
同上
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6週 |
身体の運動学的モデルと計測 |
身体の構造とそのモデル化,運動計測システムについて説明できる.
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7週 |
身体の運動学的モデルと計測 |
身体の構造とそのモデル化,運動計測システムについて説明できる.
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8週 |
身体運動の力学的計測と解析 |
身体運動の力学および解析方法を説明できる.
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4thQ |
9週 |
筋骨格モデルを用いた動作解析法 |
動力学を用いた筋張力の推定法を説明できる.
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10週 |
筋骨格モデルを用いた動作解析法 |
動力学を用いた筋張力の推定法を説明できる.
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11週 |
身体運動の巧みさの解析 |
しなやかな動作や力強い動作において,巧みさの解析方法と結果を説明できる.
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12週 |
身体運動解析の実習(1) |
MATLABを用いた人の立ち上がり・歩行動作解析プログラムを実現できる.
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13週 |
身体運動解析の実習(2) |
同上
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14週 |
身体運動解析の実習(3) |
同上
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15週 |
後期期末試験 |
身体運動の計測と解析の基礎的な問題について解くことができる.
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16週 |
答案返却 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 60 | 40 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 30 | 15 | 0 | 0 | 0 | 0 | 45 |
専門的能力 | 20 | 20 | 0 | 0 | 0 | 0 | 40 |
分野横断的能力 | 10 | 5 | 0 | 0 | 0 | 0 | 15 |