ハードウェア設計論

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 ハードウェア設計論
科目番号 CI407 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 制御情報システム工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 わかるVerilog HDL入門
担当教員 中島 栄俊

到達目標

①assign文、always文を用いて任意の組み合わせ回路を記述できる。
②状態遷移図を基に、各状態における動作および状態遷移を行う回路をHDLで記述できる
③ハードウエアの性能を十分理解し、そのハードウエアの範囲内において時計、ゲーム等の任意のアプリケーションを自ら設計・製作することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1assign文、always文を用いて任意の組み合わせ回路を記述できる。加算器、比較器等の基本回路を設計しHDL記述することができる各基本論理ゲートの動作は理解できるが、加算器、比較器等の基本回路を設計することができない
評価項目2状態遷移図を基に、各状態における動作および状態遷移を行う回路をHDLで記述できるシフトレジスタ、カウンター回路等、標準的な順序回路を制作することができるHDLで記載された順序回路のコードからその動作を理解することができない
評価項目3ハードウエアの性能を十分理解し、そのハードウエアの範囲内において時計、ゲーム等の任意のアプリケーションを自ら設計・製作することができる。ハードウエアの性能を十分理解し、そのハードウエアの範囲内において他の資料等を利用しながら、時計、ゲーム等の任意のアプリケーションを自ら設計・製作することができる。時計等のアプリケーションにおける個々のモジュールのHDLを読みその動作を理解することができない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
ハードウエア記述言語(HDL)によるハードウエアの設計法に関する講義を行い、簡単な論理演算から順序回路、組み合わせ回路等の設計を行う。講義内容の理解を深めるために、随時コンピュータシミュレーションによる演習を行う。また年度後半では、各自に時計などの規定アプリケーションおよび独自アプリケーションを製作してもらい、相互での評価を行う。
授業の進め方・方法:
前期は基本的な回路設計とテストベンチによる動作シミュレーションを実施する。後期は前期中に実施した内容を踏まえてより身近なものの設計を行う。前期に問題を自力で解く力を身につけていないと、後期の設計が非常に困難になるので注意すること。
注意点:
規定授業時間数:60単位時間
本科目は,90分の授業に対して放課後・家庭で90分程度の自学自習が求められます.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 評価方法および授業内容,カリキュラムにおける本科目の位置づけの説明
ハードウエア設計の歴史と現在の動向について
2週 ハードウエア記述言語(HDL)設計概略 ハードウエア記述言語による回路設計の基礎について学習し、その内容を説明できる。
3週 HDLの構文と意味(1) HDLの構文と文法について理解し、記述ができる。
4週 HDLの構文と意味(2) 同上
5週 HDLの構文と意味(3) 同上
6週 HDLの構文と意味(4) 同上
7週 中間試験
8週 RTL回路の記述および検証(1) RTLによる記述方について学習し、内容を理解する。また作成した回路の妥当性を検証するためのテストベンチの記述について理解し利用できる。
2ndQ
9週 RTL回路の記述および検証(2) 同上
10週 RTL回路の記述および検証(3) 同上
11週 RTL回路の記述および検証(4) 同上
12週 組み合わせ回路(1) 半加算器、全加算器、比較回路、エンコーダー、デコーダー等の組み合わせ回路を記述できるようになる。また動作検証用テストベンチを作成し、その動作について評価できる
13週 組み合わせ回路(2) 同上
14週 組み合わせ回路(3) 同上
15週 定期試験
16週 定期試験答案返却
後期
3rdQ
1週 順序回路とその応用(1) カウンタ等の順序回路設計を行い、回路の記述およびテストベンチによる評価技術を習得し評価できる。また、クロック信号を用いてLED等を制御することができる
2週 順序回路とその応用(2) 同上
3週 順序回路とその応用(3) 同上
4週 順序回路とその応用(4) 同上
5週 順序回路とその応用(5) 同上
6週 応用回路制作(1) FPGAボードを利用し、基本的な回路(時計など)が製作できるようになる。さらに、自由課題を通して回路を独自に設計し、その動作を評価できるようになる。
7週 応用回路制作(2) 同上
8週 応用回路制作(3) 同上
4thQ
9週 応用回路制作(4) 同上
10週 応用回路制作(5) 同上
11週 応用回路制作(6) 同上
12週 応用回路制作(7) 同上
13週 応用回路制作(8) 同上
14週 応用回路制作(9) 同上
15週 定期試験
16週 定期試験答案返却

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。3
因数定理等を利用して、4次までの簡単な整式の因数分解ができる。3
分数式の加減乗除の計算ができる。3
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。3
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。3
複素数の相等を理解し、その加減乗除の計算ができる。3
解の公式等を利用して、2次方程式を解くことができる。3
因数定理等を利用して、基本的な高次方程式を解くことができる。3
簡単な連立方程式を解くことができる。3
無理方程式・分数方程式を解くことができる。3
1次不等式や2次不等式を解くことができる。3
恒等式と方程式の違いを区別できる。3
2次関数の性質を理解し、グラフをかくことができ、最大値・最小値を求めることができる。3
分数関数や無理関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
簡単な場合について、関数の逆関数を求め、そのグラフをかくことができる。3
累乗根の意味を理解し、指数法則を拡張し、計算に利用することができる。3
指数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
指数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
対数の意味を理解し、対数を利用した計算ができる。3
対数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
対数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
角を弧度法で表現することができる。3
三角関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
加法定理および加法定理から導出される公式等を使うことができる。3
三角関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
三角比を理解し、簡単な場合について、三角比を求めることができる。3
一般角の三角関数の値を求めることができる。3
2点間の距離を求めることができる。3
内分点の座標を求めることができる。3
2つの直線の平行・垂直条件を利用して、直線の方程式を求めることができる。3
簡単な場合について、円の方程式を求めることができる。3
放物線、楕円、双曲線の図形的な性質の違いを区別できる。3
簡単な場合について、不等式の表す領域を求めたり領域を不等式で表すことができる。3
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。3
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。3
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。2
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。2
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。2
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。2
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。2
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。2
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。2
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。2
瞬時値を用いて、交流回路の計算ができる。2
フェーザ表示を用いて、交流回路の計算ができる。2
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。2
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。2
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。2
電子回路ダイオードの特徴を説明できる。2
バイポーラトランジスタの特徴と等価回路を説明できる。2
FETの特徴と等価回路を説明できる。2
利得、周波数帯域、入力・出力インピーダンス等の増幅回路の基礎事項を説明できる。2
トランジスタ増幅器のバイアス供給方法を説明できる。2
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。2
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。2
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。2
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。2
課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。2
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。2

評価割合

試験発表課題合計
総合評価割合501040100
基礎的能力0000
専門的能力5004090
分野横断的能力010010