組込みシステム基礎論

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 組込みシステム基礎論
科目番号 CI409 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 制御情報システム工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 情報処理学会 組込みシステム研究会 監修 戸川望 編著、「組込みシステム概論」、CQ出版株式会社/(独)情報処理推進機構:情報処理技術者試験「エンベディッドシステムスペシャリスト試験」問題
担当教員 永田 正伸,博多 哲也

到達目標

前期:
・組込みシステムと社会とのかかわりを理解し説明できる.
・組込みシステム構成、開発要素等についてその概要を理解し、説明できる.
・組込みシステム設計に求めれる要素技術についてその概要を理解し、説明できる.
・情報機器、産業機器関連組込みシステムの要素技術とその動作を説明できる.
・システムエンジニアリングプロセス、ハードウエア設計、ソフトウエア設計の視点から、クロス開発等のシステム開発工程を説明できる.
・システムLSI、SoCアークテクチュア、およびCPU、メモリ、FPGA等のハードウエアについて概要を説明できる.
・基本な入出力技術、周辺接続技術等のハードウエアについて概要を説明できる.
・ソフトウエア開発環境、ソフトウエアプロセス、オブジェクト指向開発手法等について概要を説明できる.
・リアルタイムOS(RTOS)について特徴、役割、動作などの概要を説明できる.
・システムを構成するハードウエアおよびソフトウエア部品に関する品質保証・安全設計技術について概要を説明できる.
・組込みシステムの応用分野であるコンピュータ/FA/車載ネットワーク技術についてその概要を理解し、説明できる.
後期:
・ハードウエアシステム開発技術に関し、具体的な例題を通して、システム要件を実現するための組込みシステムのハードウエア仕様について説明できる。
・ソフトウエアシステム開発技術に関し、具体的な例題を通して、システム要件を実現するための組込みシステムのソフトウエア仕様について説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
組込みシステムの基礎知識組込みシステム全体を捉え、組込みシステムがどうのようなものであるかを具体例・ブロック図などを用いて論理的に説明することができる.組込みシステムを構成する基本的な要素および機能について具体例を概略を端的に説明できる.組込みシステムを構成する基本的な要素および機能について具体的な例の概略を説明できない.
組込みシステム開発の概要組込みシステムのさまざま開発工程について、システムエンジニアリングプロセス・ハードウエア設計・ソフトウエア設計の点から論理的に説明することができる.組込みシステムの開発工程について、ハードウエア設計・ソフトウエア設計の点から概略を端的に説明できる.組込みシステムの開発工程について、ハードウエア設計・ソフトウエア設計の点から概略を説明できない.
ハードウエアシステム開発技術組込みシステムのハードウエア開発技術に関して、例題を通して理解し、例題のシステム構成を自ら論理的に説明できる。組込みシステムのハードウエア開発技術に関して、例題を通して理解し、基本的なシステム構成を説明できる。組込みシステムのハードウエア開発技術に関して、例題を理解し、説明することができない。
ソフトウエアシステム開発技術組込みシステムのソフトウエア開発技術に関して、例題を通して理解し、例題のシステム構成を自ら論理的に説明できる。組込みシステムのソフトウエア開発技術に関して、例題を通して理解し、基本的なシステム構成を説明できる。組込みシステムのソフトウエア開発技術に関して、例題を理解し、説明することができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
1、制御情報システム機器において、その重要性が指摘されているマイコンをコアデバイスとする組込みシステム技術基礎を学習対象とする.2、組込みシステムを構成するハードウエア、ソウフトウエアならびにそれらの関係について概説する.3、組込みシステム技術者に求められる知識・情報や組込みシステム構築のための要素技術・スキルを体系的・包括的に述べる.
授業の進め方・方法:
前半:講義形式の授業を実施する。
後半:情報処理技術者試験の「エンベディッドシステムスペシャリスト試験」の例題を通して、組込みシステム開発におけるハードウエア設計技術およびソフトウエア設計技術の基礎的能力を学ぶ。
実践的創造的技術習得のためには、積極的な自学自習が大切であり、目標達成の早道である.基礎的ではあるが、本教科で学ぶ関連する多くの個別事象の理解が本科目をマスターする早道である.
注意点:
規定授業時間数:60単位時間
この科目では、1単位あたり15時間の自学自習が求められます。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 授業内容を理解する。
2週 組込みシステム概要(1) 組込みシステムと社会とのかかわりを理解し説明できる.
3週 組込みシステム概要(2) 組込みシステムと社会とのかかわりを理解し説明できる.
4週 組込みシステムの構成(1) 組込みシステム構成、開発要素等についてその概要を理解し、説明できる.
5週 組込みシステムの構成(2) 組込みシステム構成、開発要素等についてその概要を理解し、説明できる
6週 組込みシステム構築のための資源技術(1) 組込みシステム設計に求めれる要素技術についてその概要を理解し、説明できる.
7週 組込みシステム構築のための資源技術(2) 組込みシステム設計に求めれる要素技術についてその概要を理解し、説明できる.
8週 組込みシステムの事例(1) 情報機器、産業機器関連組込みシステムの要素技術とその動作を説明できる.
2ndQ
9週 組込みシステムの事例(2) 情報機器、産業機器関連組込みシステムの要素技術とその動作を説明できる.
10週 組込みシステムの開発工程(1) システムエンジニアリングプロセス、ハードウエア設計、ソフトウエア設計の視点から、クロス開発等のシステム開発工程を説明できる.
11週 組込みシステムの開発工程(2) システムエンジニアリングプロセス、ハードウエア設計、ソフトウエア設計の視点から、クロス開発等のシステム開発工程を説明できる.
12週 品質保証技術(1) システムを構成するハードウエアおよびソフトウエア部品に関する品質保証・安全設計技術について概要を説明できる.
13週 品質保証技術(2) システムを構成するハードウエアおよびソフトウエア部品に関する品質保証・安全設計技術について概要を説明できる.
14週 通信・ネットワーク技術(1) 組込みシステムの応用分野であるコンピュータ/FA/車載ネットワーク技術についてその概要を理解し、説明できる.
15週 通信・ネットワーク技術(2) 組込みシステムの応用分野であるコンピュータ/FA/車載ネットワーク技術についてその概要を理解し、説明できる.
16週 定期試験 後期前半に学習した内容の問題が解ける。
後期
3rdQ
1週 後期授業内容ガイダンス 後期に実施する「エンベディッドシステムスペシャリスト試験」を基にした授業の概要を確認し、回答方法、評価方法について理解し回答できる。
2週 ソフトウエア設計技術1(1) 「省エネ対応自動販売機」の例題を通して、リアルタイムOSによるタスク管理設計、センサ情報を用いた省エネ管理設計方法を理解し、説明できる。
3週 ソフトウエア設計技術1(2) 「省エネ対応自動販売機」の例題を通して、リアルタイムOSによるタスク管理設計、センサ情報を用いた省エネ管理設計方法を理解し、説明できる。
4週 ソフトウエア設計技術1(3) 「省エネ対応自動販売機」の例題を通して、リアルタイムOSによるタスク管理設計、センサ情報を用いた省エネ管理設計方法を理解し、説明できる。
5週 ソフトウエア設計技術1(4) 「省エネ対応自動販売機」の例題を通して、リアルタイムOSによるタスク管理設計、センサ情報を用いた省エネ管理設計方法を理解し、説明できる。
6週 ソフトウエア設計技術2(1) 「スマートアダプタ」の例題を通して、通信量計算、タスク管理、不具合解析などの技術を理解し、説明できる。
7週 ソフトウエア設計技術2(2) 「スマートアダプタ」の例題を通して、通信量計算、タスク管理、不具合解析などの技術を理解し、説明できる。
8週 中間試験 後期前半に学習した問題が解ける。
4thQ
9週 試験解答、答案返却
後期前半に学習した内容を理解し、説明できる。
10週 ハードウエア設計技術1(1) 「DCモータ扇風機」の例題を通して、モータ制御に関する機能仕様やセンサー情報による制御設計方法について理解し、説明できる。
11週 ハードウエア設計技術1(2) 「DCモータ扇風機」の例題を通して、モータ制御に関する機能仕様やセンサー情報による制御設計方法について理解し、説明できる。
12週 ハードウエア設計技術1(3) 「DCモータ扇風機」の例題を通して、モータ制御に関する機能仕様やセンサー情報による制御設計方法について理解し、説明できる。
13週 ハードウエア設計技術2(1) 「プランタ管理システム」の例題を通して、MCU、センサー、LCD、通信などによる組込みシステム構成において、主に消費電力の低減の観点からの設計方法について理解し、説明できる。
14週 ハードウエア設計技術2(2) 「プランタ管理システム」の例題を通して、MCU、センサー、LCD、通信などによる組込みシステム構成において、主に消費電力の低減の観点からの設計方法について理解し、説明できる。
15週 定期試験 後期後半に学習した内容の問題が解ける。
16週 試験解答、答案返却
後期のまとめ
後期後半に学習した内容を理解し、説明できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野計算機工学コンピュータを構成する基本的な要素の役割とこれらの間でのデータの流れを説明できる。1
コンピュータシステムシステム設計には、要求される機能をハードウェアとソフトウェアでどのように実現するかなどの要求の振り分けやシステム構成の決定が含まれることを説明できる。3

評価割合

試験レポート演習その他合計
総合評価割合651025000100
前期:専門的能力4010000050
後期:専門的能力2502500050
0000000