計測工学

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 計測工学
科目番号 CI412 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 制御情報システム工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 吉澤昌純ら 「電気・電子計測工学」 コロナ社
担当教員 卜 楠

到達目標

本科目は計測工学に係る計測システムの基本構成と処理方法及びにセンサの基本原理と技術について下記の項目を目標とする。
評価項目1:計測の基本考え方と計測システムの構成について理解し説明できる。
評価項目2:計測誤差とその基本処理について理解し説明できる。
評価項目3:代表的な物理量の計測センサについて理解し説明できる。
評価項目4:電気・電子計測の基本原理について理解し説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1計測の基本概念とセンシングシステムの構成要素を理解し、実際の計測システムを機能要素部分に分け、その計測方式を説明できる。計測の基本概念とセンシングシステムの構成要素を理解し、代表的な計測システムを要素部分に分けられる。また、計測方式を説明できる。計測の基本概念とセンシングシステムの構成要素について理解できない。
評価項目2計測データの誤差とその原因について理解し、計測目的に合わせてデータ処理の方法を考案できる。計測データの誤差とその原因について理解し、誤差を処理するための代表的なデータ処理方法を説明できる。計測データの誤差と代表的なデータ処理方法を説明できない。
評価項目3計測対象の物理量に合わせたセンサの使用と計測することができる。代表的な物理量を計測するセンサの基本原理を理解し、説明できる。代表的な物理量を計測するセンサの基本原理を説明できない。
評価項目4電気・電子回路内各種物理量の測定原理を理解し、計測の要求に応じ測定することができる。電気・電子回路内各種物理量の測定原理を理解し、説明できる。電気・電子回路内各種物理量の測定原理を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
計測の技術は工業的な分野にとどまらず、日常のさまざまな場面で用いられている。現在、新機能材料の開発、新しいセンサ素子と計測技術の創出など計測とセンシング技術の発展がすざましい。本講義では、計測技術の基礎概念とともに、代表的なセンサ素子を紹介する。さらに、電気・電子計測技術を取り上げて講義を行う。
授業の進め方・方法:
授業内容は教科書ベースで、関連知識や最新の技術動向も紹介する。自学自習の効果を確認するために、科目内容と関連する課題でレポートの提出が求められる。
注意点:
計測技術は複数分野を横断する総合的な技術体系で、制御と情報処理を行うために基礎となる技術です。本科目は、ディジタル技術検定(制御部門)と関連が深い。関連する基礎科目は3年次に開講される電気回路や電子回路、電子制御機器学であり、関連する項目を復習して受講することが望まれる。また、システムを組み合わせるインテグレーションという観点から4、5年次に開講される制御工学とも関連が深い。規定授業時間数:60単位時間。本科目は、90分の授業に対して放課後・家庭で90分程度の自学自習が求められます。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 本講義の学習内容や目標、評価方法について理解する。
2週 計測と測定(1) 国際単位(SI)系の基本を理解し、組立単位を把握できる。
3週 計測と測定(2) 計測の標準、校正とトレーサビリティの基本を理解できる。
4週 計測と測定(3) 測定方法の分類、計測の構成と計測技術における考え方を理解できる。
5週 計測と測定(4) 測定値の扱いについて、計測誤差の発生と処理について理解できる。
6週 センサ(1) センサ素子の基本について理解し、説明できる。
7週 センサ(2) 光を測定する代表的なセンサとその動作原理を理解し、説明できる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 センサ(3) 温度を測定する代表的なセンサとその動作原理を理解し、説明できる。
10週 センサ(4) ひずみと圧力を測定する代表的なセンサとその動作原理を理解し、説明できる。
11週 センサ(5) 加速度を測定する代表的なセンサとその動作原理を理解し、説明できる。
12週 電圧・電流・電力の測定(1) アナログ指示計器について理解し、説明できる。
13週 電圧・電流・電力の測定(2) 直流回路の計測について理解し、説明できる。
14週 電圧・電流・電力の測定(3) 電圧・電流の指示値と電力の測定について理解し、説明できる。
15週 前期定期試験
16週 定期試験回答返却
後期
3rdQ
1週 回路素子定数の測定(1) 抵抗の測定について理解し、説明できる。
2週 回路素子定数の測定(2) インピーダンスの測定について理解し、説明できる。
3週 磁気量の測定(1) ヒステリシス特性と透磁率の測定原理を理解し、説明できる。
4週 磁気量の測定(2) ホール効果とSQUID磁束計について理解し、説明できる。
5週 高周波計測 高周波回路の代表的な計測とその動作原理を理解し、説明できる。
6週 雑音源と信号(1) 雑音源について理解し、説明できる。
7週 雑音源と信号(2) 信号と雑音の評価について理解し、説明できる。
8週 中間試験
4thQ
9週 信号の伝送と雑音対策(1) 信号源としてのセンサ信号の扱い方を理解し、説明できる。
10週 信号の伝送と雑音対策(2) 計測信号の伝送と雑音対策の原理を理解し、説明できる。
11週 信号の伝送と雑音対策(3) 計測においてシールドとアース技術の原理を理解し、説明できる。
12週 ディジタル計測(1) 計測信号のディジタル化および関連する計測システムの技術について理解できる。
13週 ディジタル計測(2) A-D変換とD-A変換について基本原理を理解し、代表的な方法について説明できる。
14週 ディジタル計測(3) ディジタル計測結果をパソコンへの取入れについて理解し、説明できる。
15週 後期定期試験
16週 定期試験回答返却

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野計測計測方法の分類(偏位法/零位法、直接測定/間接測定、アナログ計測/ディジタル計測)を説明できる。4前4
精度と誤差を理解し、有効数字・誤差の伝搬を考慮した計測値の処理が行える。4前5,後6,後7
SI単位系における基本単位と組立単位について説明できる。4前2
計測標準とトレーサビリティの関係について説明できる。4前3
指示計器について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法を説明できる。4前12,前13,前14
倍率器・分流器を用いた電圧・電流の測定範囲の拡大手法について説明できる。4前12
A/D変換を用いたディジタル計器の原理について説明できる。4後12,後13,後14
電圧降下法による抵抗測定の原理を説明できる。4後1,後5
ブリッジ回路を用いたインピーダンスの測定原理を説明できる。4後2
有効電力、無効電力、力率の測定原理とその方法を説明できる。4前14
電力量の測定原理を説明できる。4前14
オシロスコープの動作原理を説明できる。4前14

評価割合

試験レポート課題合計
総合評価割合6040100
基礎的能力201535
専門的能力302050
分野横断的能力10515